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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学2年生編!前期!
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第97話 ヌートリア、いただきます!


「殺しました」


 ぼたんがぽつりと言い放つ。


 背中を、3人が支えてくれていた。


 自分と同じ、震えた手で。


「支えててくれたんですね…!今気付きました…あっ…」


 パタリと膝から崩れ落ち、一気に緊張が解ける。


「…へへ、すごかったよ、ぼたん」

「凄かったのは…この子ですよ」

「両方すごかった、でいいんじゃないかなぁ?」

「そうだよ!それに…あそこで刃を押し込めるのは多分、私じゃできなかった」


 確かに、抵抗を感じた時、引き抜きたくなった場面。ぼたんは押し込んだ。


「なんで押し込めたんだ…?」


 みくるの、ひのきの、マリーの質問に答える。応える。


「皆さんが背中を押してくれたから…でしょうか!」


 命を丁寧に扱う。その中で考えたひとつとして、早く楽にしてあげたい。そんな気持ちがあったことは否定できない。

 でも、何よりも、初めての挑戦を支えてくれた3人に感謝をしたかった。


「ありがとうございました!」


 晴れ晴れした顔で笑うと、ニッと笑い返す3人が見えた。

 

 

 ヌートリアの捕獲を確認した時、先生に連絡していたおかげで、タライを持ってきてくれた。そのタライの上できちんと血抜きをしてから、袋に詰めて持ち帰る。


「立派なヌートリアね…!みんなすごいわ!ありがとう!」


 4人のちょっと重たい雰囲気を感じ取り、すかさずフォローに入る。


「命を奪うって、怖いわよね…。でも、皆よく頑張ったわ!」

「いや、頑張ったのはぼたんだよ」

「いやいや!とんでもない!秋鹿さんは確かに命を直接頂いたかもしれないけれど、周りで見ていた3人も、今まで以上に身近に感じられたでしょう?」

「それは…そうだねぇ…」


 今までかおりがやってくれていたから、なんとなく他人事だった。それが一気に身近に来た感覚がした。


「みんななんだかこの前会った時と目が違うもの。頑張って、成長したのね!」



 帰りのバイクでは、インカムからあまり言葉は聞こえなかった。でも、なんだかさっきまでより四人の一体感を感じられた。




「さーて!みんなが頑張ってくれた分!今日は私が頑張るわ!」


 ヌートリアのお肉を獲ってきた!先生が料理してくれるみたい!

 先輩の研究テーマは、美味しいヌートリア料理。先生と先輩で色々なヌートリア料理を試してるみたい!

 今日はその1つ。ヌートリアの唐揚げを作ってくれる!


 

「じゃあ早速作っていくわね!」

 

〇ヌートリア肉の下処理

☆脂線の除去

 ヌートリアのお肉にはね、脂線というとても臭い部分があるの。下処理の時にこれをしっかり切り取っておくのが美味しく食べるコツよ。


 特に鼠径部、脇の下、おしり周りに黄色い脂肪があったら要注意。匂いを残さないためにも、ちょっと多めに切り取っちゃいましょう!


 

〇ヌートリアの唐揚げ 

 ①臭み取りのため、醤油、酒、おろし生姜、おろしニンニク、ごま油、粗挽き胡椒を入れた液に漬け込む。30分くらいが理想。


 でも今回は早く食べたいし、濃いめにしてちょっと短縮しちゃいましょっか!今回は10分!


 

 ②片栗粉と小麦粉少しを混ぜた衣をお肉に纏わせ、170℃の油でじっくり揚げる。薄いきつね色になってきたら取り出して、網の上で少し休ませておくわ。



 ③休ませたお肉を190℃の高温に熱した油に投入。今度は1分くらい。2度揚げすることでザックザクの衣になるわ!


 ④漬け込みの味を濃くするため、ニンニク、醤油、黒胡椒を合わせたソースを作る。


「ふふ、これで唐揚げは完成よ!」

「唐揚げ…は…ですって…!?」


 ぼたんが1番いい反応。それを見て少し安心する。


「このサークル、外せないものがあるわよね?」

「ハーブ!?」

「ふふ、そうよ!ちょっと面白いハーブの使い方してみましょっか!ローズマリー、レモンバーム、セージってあるかしら?」

「うん!ちょっと待っててね!」


 みくるがカモミールを残して一瞬で姿を消す。


「カモミールでなきゃ出来ないんだねぇ」

「他のハーブも出せるものかと思ってました…」

「1年で色々知ったけど…あれだけほんと謎だよな」


 3分くらいで戻ってきた。普通に往復したら急いでも6分くらいはかかるので、何かしらおかしくはあるみたい。


「持ってきたよー!」

「ありがとう!」


 先生に手渡すと、洗って、クッキングペーパーで良く水を拭き取り始めた。ここまでは普通の洗浄の工程だし、自分たちもハーブ料理を作る時はよくやる。


「じゃあ今から、ハーブを揚げていくわよ〜!」

「え!?揚げるの!?」

「ふふ、やっぱり知らないわよね!フリッターハーブって言うらしいの!」

「へぇ…!料理はやっぱり詳しいなぁ…!」

「昨日YouTubeで流れてきたの!」

「タイムリーっすね…!?」


 先生も見たら食べたくなっちゃうんだな…と思ったけど、割と最初の方からみかんパン先に作ったりで変わってないな。


「ほんの数秒、5秒も揚げれば十分なはずだけど…味見してみてくれるかしら?」

 

 味見の要請に、待ってました!と言わんばかりに食いつく。


 いただきまーす!!


「熱いっ…!?でもおいひいれす…!」

「レモンバームの青臭さなくなっておいしいねぇ」

「唐揚げにすっごい合うね!?」

「セージすっごいサクサクしてるぞ…!?」


 想像以上の好反応に先生も嬉しくなる。


 フリッターハーブの効果か、1日疲れた効果か、あっという間に唐揚げはなくなっちゃった。


 ごちそうさまでした!

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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