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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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第12話 カモミールのお化け


 オリエンテーション。学生、先生たちの自己紹介の時間。この大学の簡単な紹介がされた。


 この大学では、農林畜産業の経営に関することを幅広く学んでいける。

 最初の1年生は栽培、畜産、林業コースに分かれるために、コースにとらわれず色々なコースを体験する。

 2年生の春にはコースを選び、栽培と畜産ではさらに細かい分類を夏までに決める。

 栽培では、温室ハウスを使わない露地野菜。温室を使う3つ、トマト、イチゴ、メロン。野菜とは違う、お茶、果樹の6つから選ぶ。静岡の大学ならではのお茶コースだね。

 畜産では、大家畜、中小家畜っていうやつから選ぶみたい。大家畜は牛さん、中小家畜は鶏さんや豚さんなんだって!


 他には、バイトをする人は近くにあるカラオケや飲食店、少し遠いけど、ショッピングモールで働く人も多いみたい。

 どこで働こっか?ってマリーちゃんに聞いてみたら、家に帰ったら店番しなきゃだしぃ…と、乗り気じゃなさそうな言葉が帰ってきた。


 あとはサークル!4人と顧問の先生がいれば好きなサークルを作れるんだって!全校生徒が少ないから、必要人数はかなり少ないらしい!


 ハーブのサークル作りたいな〜!育てるのも、お料理も!文化祭でお菓子の販売とかしたり…!って思ってたら、お菓子作りますよね?って顔したぼたんちゃんがこっちを見ていた。

 もちろん!の意味で胸の前でダブルグッドマーク。マリーの癖がうつった。ぼたんの顔がパァと明るくなった。


 自己紹介では、みくるはもちろんハーブのアピール。マリーは自分がお店を継ぐこと。ぼたんは美味しい物食べたい!ってことを話した。美味しい天ぷら屋さんがあるよって紹介してくれていて、それに目を輝かせていた。

 杉木(すぎのきって読むらしい)さんは、おじいちゃんが持ってる山を継いで、綺麗に管理できるように、次世代の人が楽しめる山にしたいんだって!

 他の学生には、実家の農家を継ぎたい人、トマト大好きすぎる人、家から近かったから来た人、虫が大好きな人など、色々個性が強い人達だなぁと思った。

 

  

 先生方の自己紹介もあったけど…みんな真面目そうなこと話してて忘れちゃった!



 そんなオリエンテーションが終わった夜。


「わぁ…!朝昼とまた違って綺麗だね〜!」

「昨日ぶりの景色だぁ」


 また学食に来ていた。月曜日のお昼ご飯から、金曜日のお昼ご飯までの朝昼晩のご飯は出るけど、金曜日夜から月曜日朝までは出ないらしい。


 真っ暗な箱の中で、室内だけが輝いている感じ。ここだけしか世界が存在していないかのように外が暗い。逆に校舎内が綺麗に見えていた。


 今日の夜ご飯は親子丼かロコモコ丼から選べるみたい。マリーはすぐに親子丼に決めた。みくるは悩んだ末にロコモコ丼。ぼたんは更に長く悩んでから、親子丼は後で作ります!と、ロコモコ丼を選んだ。


「みんな目標があってすごかったですね…!」

「でも私達も負けてないよー!特にハーブへの思い!!」

「それでみくるに勝てるならすごすぎるよぅ」

「ハーブへの熱量すごかったですもんねぇ」


 丼物だったからか、少し早く食べきって部屋に戻った。ぼたんがチラリと2人のお皿を見ると、米粒一粒も残ってなくて、

 


「杉木さーん…いる?」


 寝てても起こさないくらいの音量で声をかけてみた。うーん…いないかぁ。

 カモミールの布教を…と思ったけど、いないのなら仕方ない。と思ったけど…そうだ!いなくてもできることがある!


 お皿とティーポットを準備。ドライカモミールをポットに入れて、お湯を入れるだけで準備完了!温かいものを飲めるコップがあるか分からないので、一応ティーカップも用意して机の上に置いといてあげた。


 布もじゃーん!と取り出して、その中にドライカモミールを包み込む。てるてる坊主みたいに輪ゴムで止めて、紐を括り付けて吊るせるようにする。

 

「んー…ベッドに吊るせるようにしておいてあげよう!」


 みくる特製。カモミールティーセットと、カモミールサシェが完成。よく眠れるんだよ〜!というお手紙と一緒に机の上に置いておいた。




 夜、部屋に戻る。朝はちょっと怖くて避けちゃったけど…加茂さんは悪い人ではない気がする…。でも…ああいう純粋な人ほど騙されやすいって聞くし…。


 バイクのヘルメットを脇に抱え、部屋の扉を開ける。鍵がかかっていなかったので、隣人は部屋にいそうだ。でもなんか、良い香りがするな。

 でも、部屋が真っ暗だから寝てるんだろうな。


 ヘルメットを机に置いて、私も寝よう。そう思って電気をつけさせてもらう。相部屋だけど一応中央が壁で仕切られているから、電気をつけてもあまり迷惑にはならないはずだ。

 なるべく静かに動いて、起こさないようきをつける。


 机を見ると…ティーセットが置かれていた。あと…てるてる坊主…?

 

「杉木さんへ。

 朝はいきなり話しかけちゃってごめんね。朝起きてすぐでびっくりしちゃったよね。」

 

 そこじゃないんだけどなぁ…と思ったけど、無視して読み進める。


「でも、眠りに悩んでそうだったから、カモミールティーのセットと、カモミールのサシェを作ってみたよ。もし良かったら試してみてね!

                 みくるより。」

 

 ……気配を感じて振り返ってみたけど、隣の部屋への通路からは覗かれてない。あれぇ…?と思ったけど、違ったみたい。と思ったら目の端に手がぶら下がってる。


「杉木さんおかえり〜…!」

「ヒッ…お化け………っっっ!!!!!」 


 後々、大学の七不思議として語っていこう。

 いやまさか、人の声が聞こえるお手紙だなぁと思ったらほんとに後ろから読み上げてるとは思わないじゃん…。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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こわいね。

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