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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学2年生編!前期!
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実習ノート キャベツの収穫


「今日はキャベツの収穫です!」


 配られたのは普通の料理に使う包丁。こんなので収穫するの…?


「では早速圃場に向かいましょう!」


 4月。まだ冬の寒さが残る季節。キャベツ収穫の実習だ。

 

 この時期のキャベツは春キャベツ。柔らかくて水分が多く、甘みが強いらしい。

 だから生やちょっとの加熱で食べる料理が美味しいんだって!サラダとか、塩ダレ合えとか!あとはキャベツの水分で蒸す蒸し焼きもおすすめみたい!


 圃場に辿り着くと、チョウチョ、モンシロチョウが飛んでいる。この広さで、春にしては少ない1匹。


「うおお殺せ殺せ!!!!存在を許すな!!!」


 先生がブチ切れながらモンシロチョウに向かう。全力で叩き潰そうとする。


「ええ何してるの!?怖い…!」


 ひのきが居たらピィといつもの可愛い声を上げてるんだろうなぁ。


「皆さん、可愛い見た目に騙されてはいけません。奴は害虫です。キャベツなど沢山の野菜を食害する、列記とした害虫なのです!!!」


 勢いに圧倒される。


「いいですか!?よく聞いてくださいね!?」


 充分よく聞こえてる。いつもの大畑先生に戻って欲しい…。


「こいつら、ヒラヒラ飛んできてキャベツに卵を産み付けるんです!大量に!!!」 


 ひとしきりチョウチョを散らした後、いつもの様子に戻る。不思議に思ったマリーが聞く。


「なんで幼虫なら大丈夫なんですかぁ…?」


 前にローズマリーが被害を受けている時、幼虫のことはそんなに敵視していなかった。でも、チョウチョだとなにか特別問題があるんだろうか…?


「それはですね…、幼虫は確かに直接食害しますが、1匹の被害はそこそこです。しかも農薬での対策が比較的容易です。」


 農薬は前にサークルで使ったBT剤なのか、それとも他の農薬なのか、どっちかな。


「ですが、成虫になった奴は卵を産み付けて…種類によっては生涯に数百個…とんでもない被害を出すんですよ…!しかも農薬を直接かけることができないから対策のしようがない…!!」

「なるほど、1匹で出す被害の大きさの割に殺す手段がないんですねぇ…」


 先生があそこまで熱く語る、執拗に追い払ったり殺したりする理由が少しわかった気がした。



 

 …いや、それでもあれは過剰な気がするなぁ…。 


  

 

「じゃあキャベツの収穫方法の説明をしていきます!」


 正気を取り戻した先生がキャベツの収穫方法を説明し始める。


「キャベツはグッと上に押し上げて、根元を広げたあと、そこを包丁で切ることで収穫ができます!」


 説明しながら実際にやってみせる。大きな葉に守られたキャベツをグイッと持ち上げて、下に包丁を入れる。スパッと切ると、守っていた葉がハラハラと落ちていき、普段のキャベツに近い形になった。


「こんな感じですね!もう少し葉を落とすために、もう一度刃を入れます!」

 

 キャベツを抱き抱えてからもう一度。キャベツの軸を狙って切っているみたい。刃を入れると、また少し葉が落ちた。


「お店で売っているものよりも、少し葉が多いように見えると思います。しかし、これは可食部を守るための守り、外葉なので少し残しておきましょう!」


 では、収穫スタートです!と声がかかったので、みんな一斉に動き始める。


 みくるとマリーもキャベツを抱き抱えると、グッと引き上げ、右手に持った包丁で切った。


「刃を入れる位置難しいねぇ…」

「え?そう?なんで??簡単だよ?」

「そうなるからだよぅ…」


 マリーがみくるの手を見ると、外葉どころか食べる葉までかなり削ぎ落とされたミニキャベツ。


「難しいね…!?」

「そんなにかなぁ」

「裏切り者ー!!?」


 何個か収穫するうちに切るところは慣れたみたい。


 収穫したキャベツをコンテナに入れていく。7個で満タンになったから、圃場の外に置いてある運搬車まで運ぶ。


「お…重たいぃ…」

「一緒に運ぼうね!?」


 一人じゃ無理だった。



「あ、すみません、コンテナへの入れ方の説明を忘れてました…。実は、切り口が他のキャベツに当たるとだめなんです…」


 と、話しながらみくるとマリーが入れたキャベツをほいほいと入れ替えていく。手際がいい…。


「なんでバラバラだとだめなんですかー?」

「それはですね、綺麗に並べるとほら!こんな風にもう1個入れられるスペースができました!」


 おぉー!と拍手する2人。しかも…と、手近なキャベツを収穫しながら続ける。

 先生が切ったキャベツを少し見ていると、何やら白い液体が滲み出て来た。


「こんな風に、キャベツの芯の切り口からは乳汁と呼ばれる白い液が出てきます。これが他のキャベツ付着すると、見た目が悪くなったり、腐りやすくなったりしちゃうんです。」 

「えっ!?なんでそんなのが出てくるの!?」


 悪いことしかしないならキャベツの中に入ってる意味ないじゃん!と思ったみくるが質問。


「それはですね、乳汁キャベツの傷口を塞ぐ役目をしてくれるからなんです。」

「かさぶたみたいに…?」

「まさにその通りですね!キャベツの中の水分を保って、瑞々しさを保ってくれる働きがあります!」


 コンテナの並べ方を教わって、また次のキャベツを収穫するため圃場の中に向かう。


「乳液なかったらどんどん水溢れてきちゃうんだね」

「随分と瑞々しいキャベツだねぇ…!?」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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