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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学2年生編!前期!
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第93話 罠設置!


 ひのきとぼたんが刈払いを進めていく。


 さっき刈り残した硬い、木質化した雑草のほとんどは、柔らかい雑草よりも背丈が高い。


 草むらを見渡せるところから見ているみくるたちからは、刈払われていく様子がとても良く見えた。


 2人は決めていたルート通りに真っ直ぐ進み、端から順々に平らげて行った。


 ピー!ピー!


 良い頃合いだろう。見計らって2回の笛を鳴らす。


「硬い草だけだとやっぱり楽だな〜!」

「ですね!絡んで止まることがなかったです!」


 さっきまでのみくるとマリーの草刈りはちゃんと効果あったみたい。自分たちの頑張りが、友達の仕事を楽にする。一緒に作業してるって感じでなんか嬉しくなる。


「じゃあ仕上げやっちゃおー!!」


 おー!


 刈払機を使ってる人の半径5m以内には近付かない決まり。今回は2人いるし、周辺が見えないから、10m以上を目安に間隔を開けていた。

 

「じゃあまず私からね!」


 残っている区画を4人で交代交代刈り進めていく。




 

「…?あれ?終わっちゃったよ?」 


 みくるの番。どんどん刈っていったら、笛が鳴る前に周囲が明るく見えてきて、どんどん明るくなってって、開けた。


「1人10分くらいって話だったじゃん?ほら見てぇ?」


 マリーのスマホのタイマーは、9分42秒。あともうちょっとで交代だったんだけどねぇ、と話す。


「まあ最初から1人分だったってことだよ!」

「経験値!レベルアップですよ!」


 みくるの レベルが 1 あがった!




 

「じゃあ罠を仕掛けていこー!」


 予定していた範囲の草刈りが終わって、あとは罠を仕掛けるだけ。時間も15時を過ぎた。


「えーと、先生に言われたことは…」

「罠の固定、標識設置だねぇ」

「流されないようにしっかり固定って言ってましたね!」

「標識とか固定のロープを噛み切っちゃうとか…怖いよな…」

「ロープってそんなに美味しいんでしょうか…?」

「…噛んでみてもいいんだよぉ?」

「…やめときます。」


 良かった。まだ人間だった。目の前にぶら下げてほんとに噛み付いてきたらとりあえず罠にぶち込むところだった。


 一瞬まじで食べ物を見る目になっていたのは本当に怖かったけど。


 


 罠を4人で川辺に下ろし、1つずつ持ってくる。10kgくらいかな。足元を気にしながらだと、4人で持ってもかなり体力を削られる。


 せーの!と持ち上げて、声を掛け合いながら作業をしていく。川辺にたどり着いたら、まず固定。近くの木にロープを括り付ける。


「大雨で流されませんように…!」

「神頼みじゃなくてロープでしっかり対策しようねぇ…?」


 

 次に標識の設置。4つの箱罠を、それぞれ1人ずつが責任者となり、自分の電話番号や住所が書かれたプレートを固定していく。


「誰のに一番にかかるか勝負だよ!」

「勝ったらヌートリアのお肉でお願いします!!」



 最後に罠のカモフラージュ。罠の床が浮いていたり、金属の網目部分が丸見えだったりすると、警戒して中々入らないらしい。


「これぇ…枝入れてる途中に作動したら…枝みたいに骨がポッキリ折れちゃうねぇ…」

「ヒッ…!!!?」


 ガシャン!!!


「あ、ごめんごめん」



 ということでなんとか設置完了!

 ここまで1時間くらいで、今の時間は16時。


 ちょうどいい時間だし、しっかりと固定されてるか改めて確認してから帰った。




「明日にはかかってたりして!」

「講義前に捌くのが大変だけど…楽しみだねぇ!」

「んじゃなるべく早く行くか!」

「そうですね!何時出発にしますか?」

「んー…じゃあ6時で!」


 はーい!じゃあおやすみ〜!と、2人が部屋に帰っていく。


「ふふ、楽しみだね!」

「そうだねぇ」


 1日の作業の疲れのおかげか、いつもより早い時間でもすぐに眠れた。




 翌朝。

「しゅっぱーつ!!!」


 朝6時。こんなに早起きするのはラジオ体操やってる人達くらいだろうか。春休みだし、ラジオ体操してる人もいないか。


 意気揚々とバイクを動かし、罠の設置場所にGO!


「んー…いなそうだね!」

「昨日からなんにも変わってなさそうですね…」

「あららぁ、残念」

「仕方ない、また明日来よう」


 罠は忍耐力!かおりもそう言っていた。


 いっぱい罠を仕掛けていても、1ヶ月でその設置した罠にかかる可能性は体感数%くらいだって話していた。それくらい、根気のいるのが狩猟。


「でもきっといっぱいいるだろうしすぐかかるでしょ〜!」



 4日後、金曜日。



「1匹も捕れないねぇ!?」

「んー…やっぱり何かコツとかあるんでしょうか…?」

「かおりちゃんに連絡してみようよー!」

「そうですね…電話かけてみます!」


 プルル…とぼたんが電話をかける。朝早いから寝てるかな…そんな心配は無用で、少し息を切らしたかおりの声が聞こえる。


「—おはおはー!突然どしたのー?」

「ヌートリアの罠仕掛けてるんだけどね!全然入らないの!」

「だから何かコツとかないか知りたくて…」

「—なーるほどね!ちなみに罠って今どんな感じー?」


 ぼたんがビデオ通話に切り替えて、罠の様子を映す。かおりの方の映像を見ると、山の中にいる。罠の見回り中みたい。



「—あー…カモフラージュもちゃんとしてるし…確かに良さげではあるね…。」

「でしょー?なんで引っかからないのかわかんないだ〜」

「—んー…とりあえず、餌って何使ってんのー?」

「餌…?」

「—そーそー、うちで言う米ぬかみたいな」

「え!?米ぬか撒いてたんですか!?」

「—え!?言ってなかったっけ!!ごめーーん!!確かに米ぬかだと分かりにくいよねー!」

 

 まあでも確かに…何もないのに怪しい箱の中に入るわけないよな…。


 ということで、餌探しが始まった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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