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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学2年生編!前期!
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第90話 ブルルン始動!刈払機!

「じゃあ早速!防具に着替えていきましょう!」


 そう言って手渡されたオレンジ色の装備には見覚えがある。


「あ!チェーンソーの授業で使ったやつだ!」

「そうです!防音のイヤーマフやガードが付いたヘルメットに、防刃の服、ズボン。そして、防振手袋。全部チェンソーのものですね!」

「こんなに林業に似てるのになんで栽培だけなんだ…!」

「そうですね…、正直危険な状態で使うのは林業の方が圧倒的だと思います。だから講習受けさせたいんですが…」 

「え!?そうなんですか!?」

「はい、果樹はかなり使いますし、畔などの雑草を刈ることで害虫の防除に繋がります。基本的には平らな土地が多いですね。」


「ただ、木に囲まれている上、足元も不安定な中使う林業の危険度はピカイチです。」


 林業の死亡者数が多い原因がこんなとこにも…。



「ひのきちゃん死んじゃだめだよ…!?」

「生前葬やっときますか…?」

「早えーよまだまだ死ぬ気ねーよ!?」

「死なないためにも講習ちゃんと受けようねぇ」


 ピシッと前を向いた。


「では、まず最初に何をしますか?」

「周囲の点検!」


 最初の工程、今から草刈りをする範囲に、大きな石や空き缶が落ちていないかチェックする。


 キックバックの原因になったり、車道や歩行者に高速で吹っ飛んだりする。見逃し厳禁!


「とりあえず何もなさそうだねぇ!」

 

 周囲の確認終了!


「では早速、防振手袋をつけて握ってみてください!」


 最初はみくるから。平面に置いた状態でスターターを引いてエンジン始動。

 厚手のグローブを装着して、刈払機を装着。バッグみたいに肩掛けにして、両手でハンドルを持つ。


 スロットルレバーをギュッと握ると、エンジンの音以外何も聞こえなくなった。



 使い方は座学で教えてもらった。それに、危ないってなったら先生が笛を吹いて止めてくれる。


 そのことに少し安心感を覚えながら1歩踏み出し、回転する刃先を草に近付ける。


 右側から左側に。円形の刃の左半分で切っていく。


 身体を左に捻ったら、その反動で右に戻す。それと同時に左足を少し出す。

 足元がどうなってるか分からないから、一歩一歩すり足で。


 身体を左に捻る途中で右足を出す。戻して左足。徐々に、徐々に進んでいく。


 ピ---!


 笛の音が鳴った。多分終了の合図だ。スロットルを戻して、エンジンを止めてからゆっくり振り返る。


「お疲れ様でした!身体に異常はないですか?」

「うん!多分大丈夫です!」


 防振手袋を外して、次のマリーに交代。すると…


「あれ?なんか手が震えてる…?」


 みくるの腕がプルプルと震えていた。


「これが…振動障害ってやつかな?」

「そうですね!振動障害にはなってませんが、初期症状のようなものです。」

「ほんとに震え止められないんですか??」

「止まんない!えーおもしろーい!!」

「あんまり楽しむもんじゃないよねぇ…!?」

「…そうですね、長時間やると授業でやった通りずっと残っちゃうので気を付けてください…」


 これがずっとは少し怖い。刈払機の影響で手がプルプルしてるけど、恐怖で身体もプルプルしそう。

 

「それにしても、震えるのには作業時間が短くないか?もっと30分以上やらなきゃならないイメージだったけど…」

「今のは長くても10分くらいでしたもんね?」

「みくるが特段弱いとかかなぁ?」


 マリーがクスクスと笑う。みくるが酷いよマリーちゃん!と防振手袋をしたマリーの手を叩く。何にも痛くなさそう。


「もしかしたら、握る強さが原因かもしれません」

「握力強すぎたぜ…!」

「そしたら男の子はみんな振動障害なっちゃうねぇ」

「ぎゅって握るとだめってことなんですか?」

「そうです!握り込むと防振手袋でも振動を吸収しきれません。なので、軽く支えるくらいでお願いします!」


 と、ここでひのきが気付く。


「もしかして、バイクと同じイメージなのか?」

「バイクと同じってどゆことぉ?」

「前に高速道路乗った時があったんだよ。その時、怖くてハンドル握りしめてたら、腕プルプルしちゃって…。疲れのせいかなって思ったけど…」


 チラと先生を見る。やっぱり振動障害の一種で合ってそうだ。


「でも普段バイク乗っててそんなことないだろ?だから、リラックスして指かけるのが大事なのかなって」

「たしかにー!スピード出すとバイクも振動すごいもんね!!」


 バイクも、スピードを出すとエンジンの振動が指にまで伝わってくる。みくるとマリーが乗っている車種は特にその傾向が強かった。

 

「そうなんですね!僕もバイク乗ってみようかな〜」

「是非是非!!大歓迎ですよー!」


 もしかしたらいつか先生もバイクに乗ってくれるかもしれない!そんな希望を抱きつつ、刈払機講習が続いてく。

 


 

「あれぇ…?草絡まって止まっちゃったぁ…」


 でも慌てない。刃に絡まった時の対処法はきちんと講習で聞いている。


「ちゃんとエンジンを切ってから、平らなところに置いて草を取るんだったねぇ」


 絡まった草を解くと、急に刃が回り始めることがある。それを防ぐためにしっかりとエンジンを切ってから取るのがルールだ。


 これを怠って指を吹っ飛ばす人もいる。無用なリスクは背負わない。



 


 順調に刈払機講習を終えて、安全講習修了証ゲット!



「皆さん、お疲れ様でした!練習はしましたけど、本番はもっと高い草とか、硬い草とか、色んな雑草や、突然の大きな石が紛れていることもあります。今日以上に気を付けて作業してくださいね!」


 はーい!と返事をして、完全終了!


「これでヌートリアを追い詰められるね!!」

「極悪だねぇ…!?」

「刈払機で直接攻撃しないでくださいね…??」

「痛そうだししないよー!?」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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