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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第81話 伐採!下草刈り!


 皆が登ってきた。皆と言っても4人組。さっき説明していたリーダーの子。同じ学年、クラスの4人組だ。


「あ!やっほー!!」

「すごい…みんな早いね…!」

「慣れてますからぁ!」


 4人の中では一番体力のなかったマリーがドヤる。成長がすごいね。


「どうやったらそんなに早く登れるの?」

「修行だねー!」

「足を木の根元にかけて、そこを足場に登ってくんだよ。何回もやってれば慣れるよ!」


 最初はかおりにずっと置いてかれてた。でも、何回かやるうちに、いつの間にか早くついて行くことが出来るようになっていた。


 …当の本人は手を抜いてくれてるらしいけど。


「ははっ、できる気がしないや!」

「登れるようになって全部の耕作放棄地救おうよー!」

「えっ…やだぁ…」

「えっ!?やだの!?」


 身内の思わぬ裏切り。悲しい。


 休憩もそこそこに、剪定作業を進めていく。


「半年間で色んな人と仲良くなったよね〜!」


 この4人。確かにずっと一緒にいるけど、色々なシーンで他のクラスメイトと関わることもあった。同じ寮、同じ授業を受けてるから、必然的に話すことは多い。

 それは、今までの中学生とか、高校生時代の時の1年よりも濃いものに感じた。


「実習とかやってると、言葉以外のコミュニケーションも増えるのかもな!」

「お、かっこいいこと言いますね〜!ひゅーひゅ…うわ待ってノコギリこっち向けないでください!!?」

 

 この大学だからこその勉強なのかな。




「剪定終了ー!お疲れ様でーす!」


 山の中腹の少し下あたりまでの木を切り終わると、下にいた隊と合流できた。そこでリーダーのはるみが剪定終了を宣言した。


「じゃあ次は伐採だねー!」

「なんだけど、流石に学生じゃ危ないので、先生をお呼びしました〜!」

「今度はすごさがわかって貰えるように頑張りますね」


 と、少し自信なさげな表情で登場したのは、林業の、チェンソーの実習でデモを見せてくれた先生。もちろんチェンソーを使うための装備フルセットだ。


「枯れとか腐ってる部分がある木には印を付けておいたので、よろしくお願いします!」


 自己紹介が終わると、さっさと登り始める。流石林業の先生。チェンソーを持っていてもみくる達より少し早いペースで登っていく。


「お、4人は中々頑張りますね」

「へへ!慣れてるのでー!」

 

 後ろを確認する余裕はないな。先生ってすごいや。


 

 なんとか食らいついて、1本目の切る木にたどり着いたみたい。落ち着いて後ろを見ると、…私たち以外誰もいなかった。


「こっちだよー!頑張ってー!!」

「うん…っ!!!」


 はるみの声が聞こえたから大丈夫だろう。少し待っていると、息も絶え絶えに後続が追いついた。


「それじゃあ伐採を始めますね!」


 ザッザッと地面の落ち葉を蹴り払い、安定した場所を見つけてチェンソーを置く。エンジンかけた時に刃が急始動しないようにブレーキ、燃料を燃やすための部屋に呼び込むためのポンピング、空気を遮断し、揮発するガソリンで空気を満たすためのチョーク。

 次は馴染み深いよく見る作業。


 初爆という、エンジン内部を温めるための作業。スターターロープをグッ、グッと2回引くと一瞬、ブルンという音が聞こえる。初爆完了だ。

 

 そしたらチョークを解放。外気を入れてエンジン内部で燃焼が起こるようにする。スターターを一気に引くと、今度こそエンジンが始動した。


 ここまで15秒もかからない。自分たちがやったことあるからこそ分かる見事な手際に拍手が起きる。



「切っていきます!先生よりも高いところに居てくださいね!」


 林業は死者数が多い。背の低い果樹だからと言って油断は禁物!よく離れて様子を見た。


 あの時と同じように切り口を作り、反対側から切り込むと、メキメキ…!と音を立ててドスンと崩れ落ちた。


 大迫力の伐採に、おぉー!と歓声が起きる。先生は大満足。そのまま片手で持てるくらいのサイズに切り分けてくれた。


「病気の木を放置しておくと、他の木にも病気が感染っちゃうので、下まで持ってってくださーい!」


 切り分けたら今度は自分たちの番だ!チェンソーのエンジンが止まったことを確認してから切り分けられた木に近付く。


 わっせ!わっせ!と運び出し!すぐに伐採とその運び出しは終わった。


「残渣(ざんさ)が結構残ってるけど大丈夫なのかなぁ?」

「うーん…どうなんだろう…?」


 ちょっと不安なままその場を離れた。



 最後は下草刈り!全員に鎌が配られて、刈り取っていく。


「刈り取った草はどこに集めるんだ?」

「そのまま木の根元に敷き詰めといて欲しいって言われてます!草でマルチングする、草マルチってやつらしいです!」


 草マルチ?疑問に思ったマリーが調べてみると、農業で雑草を抑えるためなどに使う資材の黒マルチ。黒いビニールシートみたいなもの。その役割を草で代替するというやり方らしい。


「草マルチなんて流行ったら…うちの商売がぁ…!?」

「そもそも果樹ってマルチングするんですか…?」

「あ!しないじゃん!」

「ならいっかぁ」


 焦っちゃった。家業が潰されるかと思った。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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