表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/72

グリーン公爵領

 えー。妙なところで劇画タッチ兄に遭遇したが気にしない。我ら一行は行軍を続け、俺の実家に向かうのとは少し違うルートに逸れて、グリーン公爵領に向かう。


 非常に肥沃な土地で、山には鉱物資源が眠っているため当然人口も多い。

 そしてこの地は元々、レーオン王国とは敵対関係にあった者達が治めていたので、統一戦争が終わると外部の人間に任せられるはずもなく、功績が多かったグリーン公爵家が統治することになったらしい。


 なお俺らの実家みたいに外様で生き残ってる家は、そこを支配して何か利益出るの? 的な土地ばかりなため、ほとんど放置されている様な感じだ。

 なおなお外様と王家に近しい公爵家の間に関わりはほぼないため、俺はこの地を直接見たことがない。


「大都会だ」


 思わず言葉を漏らしてしまう。

 流石に王都周辺程ではないが人や馬車をよく見かけ、単なる村を見ても規模がかなり大きく、やせ細っている人間はいない。

 悪魔騒動でやらかした親子も、統治自体はきちんとやっていたんだろうな。そして莫大な富が唸りを上げていたからこそ、無茶苦茶な手段を選んででも手に入れたかったに違いない。


「これは凄いことになっちゃったなぁ」


 俺は本陣近くにいたのでダリルの呟きが聞こえてきた。

 その表情には転がってきた権力と金への期待はなく、これ治めるのかあ。と白目を剥きそうな雰囲気だ。

 ゆ、優秀な家臣団がいるっぽいし、お父さんの枢機卿も頑張ってるらしいから希望はあるぞ!


 あ、ほら。外壁の高さと大きさで、途轍もなくデカいと分かる都市の前にそれらしい集団が……。


「ようこそグリーン公爵領に。歓迎する」


 す、す、枢機卿ー!

 ヤベエよヤベエよ! 明らかにやつれてるぞ!

 王都の時にお礼を言いに来てくれたから面識があるけど、どう見たって記憶にある顔より頬がこけてる!


 まあ、教会の業務と違って慣れてない統治にかかりっきりだから、色々と苦労してるんだろう。

 息子さんと娘さんが滞在するので、親子水入らずで楽しんでください。


 それはそうと、事実上の公爵家当主がわざわざ迎えに来てくれるとは。

 多分だけど悪魔騒動で色々あったから、公爵家全体が歓迎してますよとアピールしてるんだな。


 実際、公爵家に仕えている者達にすれば、前の親子が悪魔契約書の騒動を起こして、王国と教会が対立するわ、学院の行事も潰すわで面子丸潰れだから、何人かの家臣らしき人間は目が血走ってるし。ふふ。怖い。


 次期当主のダリルと妹で聖女のリズベットさん。教会の象徴であるルシールさん。聖勇者で公爵家出身のレアさん。更には他の公爵家や王家の子弟もいるんだ。ここで点数を稼がないと将来的にどうなるか分からん! と思っているはず。


「では男性の方はこちらに」

「ダリル様、屋敷の方にご案内させていただきます」


 どうやら宿泊する場所に案内してくれるらしいが、ダリルは公爵邸で色々あるっぽいな。

 では少しのお別れだ友よ!


 で、だ。


「すいません。女性との交流を避ける人間用の宿泊所はありますか?」

「はい。それでしたら公爵邸にお泊りください」


 華やかな女性陣が出迎える、どう見ても最上級ほにゃらら館を貸し切った宿泊所に連れ込まれそうになったので、案内の人に頼み今現在は女性との交流が推奨されてない組に分けてもらうことにした。

 別に我儘言ってるのではなく貴族的な配慮だ。

 いや、レアさんは気にしないでねオーラ全開だけど、俺らみたいな特殊ケースじゃなくても婚約前はデリケートな時期なんだよなー。


 一番、出席番号ケイ君。はい!

 二番はいません!


 野郎が最高級ほにゃらら店に行けるなら誰だって行く。それは神が定めた理。

 ましてやそれがエロゲーなる概念なら尚更。


 ってな訳で俺は公爵邸に向かう!

 ダリルに招待されてたから丁度いいじゃーん。


 でででデカーーーイ!

 流石は公爵家でもトップクラスの財力! 流石に王都の宮殿とは言わないけど、それでも俺の顎が外れそうになるくらいの屋敷に案内された!


 か、絵画がいっぱいある! ちょ、彫刻によくわからん工芸品もだ!


「あれ? ケイ君?」

「こっちで泊めてもらうことにした。絵師に金出し合って肩組んでる俺らを描いてもらわね?」

「それいいね」


 偶々出会ったダリルと駄弁る。

 公爵家にいる次期当主に普段通りの口調だが、今は学業でここに来てるから問題なし!

 使用人の人は公爵家のご友人かなと思ってるっぽいが、男爵家三男です!


「彼が僕の親友で、父さんとリズベットを助けてくれたケイ・ウィンター君。丁重にね」

「よろしくお願いします!」


 ダリルが説明をしてくれると、使用人達は話に聞いた彼か! みたいな驚きの反応を示した。

 

「あ、ケイ君」


 そこへひょこっとやってきたレアさんが口を開く。

 そんでもってレアさんから強い念を感じた!


 他の人がいないってことはつまりそういうことだよね。よーし分かった。辛い思いさせてごめん。兄さんをせっついて婚約を発表したら同衾しよう?

 やっぱりこの訓練仲間意識、故障してるんじゃね?


「こちらへどうぞ」

「分かりました」


 おっと。まだ部屋に案内してもらっていないので、使用人の方についていく。

 聞いた話だけど、ここでも姿を変えてのパーティーがあるっぽいので、皆と駄弁りまくるぞー!

 お喋りターイム! わははははは!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ