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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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大学生の救出と脱出

 寮たちは、行方不明者だった学生残り数名を発見し保護する事に成功した。だが、林地帯を抜け、霊山から安全な地点に帰還する課題が残されていた。

 寮たちは発光弾を3回打ち上げ、発見の合図を送った。ドローンで上空を監視していた水野がすぐに確認し拠点のテントやオカルト編集部、救助隊に連絡した。


 広場で待機していた救助隊も、行方不明者の学生たちが無事だった事に活気付いていた。


 ***下山に向けた準備***


 大学生3人を保護した寮たちは、慎重にこのエリアから抜け出す準備を始めた。周囲には依然として霊的な気配に満ちており、油断できる状況ではなかった。一之瀬先輩がチームに向けて指示を出す。


 「これ以上、この場所に留まるのは危険度が高い。全員、周囲を警戒しつつ林地帯の山道の合流地点に移動します」


 霧の濃さがまた増して来る中、先頭に陽菜と春香が進み、美紀が周囲の霊的な気配を感知しつつ警戒を続け瑞希が後方を固めた。寮、一之瀬先輩、山田は、保護した斎藤、小林、山本に付き添い疲れた足取りを支えながら進む。


「大丈夫ですか? もうすぐ安全な場所に出ます」寮の優しい言葉に山本がかすかに微笑む。「ありがとうございます……怖くて何もできませんでしたが、皆さんのおかげで……」


しかし、その時、周囲の霧が突然不自然に渦を巻き始めた。「何か来る!」陽菜が鋭く叫び、全員が緊張を走らせた。その言葉と同時に霧の中から巨大な黒い影が現れた。それは悪霊が集結したような異形の存在で、空間そのものを歪ませるような気迫を放っていた。



「ここが正念場だ! 全員、気を抜くな!」寮の声が響く中、美紀は即座に式符を取り出し、力強く命じる。「朱雀、召喚!」


燃え盛る炎の鳥「朱雀」が現れ、その巨大な翼を広げて影の悪霊に向かって突進し朱雀の光と炎が悪霊を浄化する。ほっとしたの束の間、また、新たに巨大な影が現れた。


「陽菜!」寮が叫ぶと、陽菜は素早く巨大な悪霊に向かって霊光弾を放ち浄化した。


 一之瀬先輩は斉藤たち学生を守りながら「君たちが遭遇した悪霊と同じですか?」斉藤は震えながら頷いた。「はい……あれが、僕たちを追い詰めたものです」と答える。


 春香がお経を唱え始めると、その声が清らかな波動となって広がり、集まって来る悪霊たちの力を弱めていった。その隙を見て瑞希と山田が浄化術を放ち、一体ずつ悪霊を浄化する。


「この一撃で!」さらに美紀が青龍を召喚し、巨大な悪霊を次々と浄化して行った。


***一時の安堵と新たな決意***


 悪霊達が浄化されて行くと霧が晴れ静寂が戻り林全体に漂っていた霊的な重圧が薄らいで行くのが感じ取れた。「これで……少しは安全になったみたいです」山田がほっとした表情で微笑む。


 一之瀬先輩は学生たちに「大丈夫ですか? 歩けますか?」と尋ねると「大丈夫です」と口々に答えた。「よし、先を進んで行きます。あと少しで合流地点に着きます」と、一行は進んで行く。


***拠点テントへ向かって***


 寮たちが林地帯にある合流地点のテントまで引き返すと、佐山たちが、待っていた。

「良かった。みんな無事で」と、佐山が話す。佐山たちは合流地点のテントで待機し、時折、現れる悪霊を撃退し守っていた。


 千絵「ここも安全とは、言えませんが救助した方たちを休ませないと」と話す。

江山「寮さんたちもかなり疲れていますから、ここで一晩過ごしてから翌朝、拠点に戻った方が良いでしょう」と提案する。


 一之瀬先輩は「昼真でも悪霊が現れる以上は、まず林地帯から抜け出しましょう。ここに居るよりは下山を目指した方が安全です」と答えた。


 寮たちは、すぐに下山の準備に取り掛かった。


 時間を確かめると午後4時30分を過ぎており、拠点のテントまで少なくても2時間30分は掛かる距離だった。一行は早く下山する為、設置したテントを残したまま、すぐに林地帯から下山ルートへ進んで行った。


***下山への道***


 1時間以上かけて、林地帯を抜け出て山道に差し掛かった。徐々に周囲の景色が見えるようになり疲れた足取りながら全員、ペースを合わせて進んで行く。一之瀬先輩が学生たちに水を渡し「あと少しです。頑張りましょう」と声をかけると全員、小さく頷き返した。


 一之瀬先輩は通信機を取り出し、後方支援の水野に連絡を入れる。「こちら一之瀬、行方不明者3名の保護を完了し、林地帯を今、抜けた。予定よりかなり遅れているが無事、下山を目指している」水野の声が通信機越しに返る。「了解。こちらも状況を監視しつつ、準備を進めます」


こうして寮たちは危険な林地帯を後にし、夕暮れが迫る中、下山を目指した。


 下山を始めてから2時間以上がが過ぎており、午後6時半を過ぎていた。

一行は、思っていたより体力の消耗が大きく予定より、かなり遅れていた。


「この調子だとテントの拠点には後、2時間以上は、かかります」寮が一之瀬先輩に伝えると、

「だが今いる場所よりは安全だ。降りられるだけ降り、少しでも離れよう」と返した。


 だが、さらに進行ペースが遅くなり寮がまた時間を調べる。「これ以上の下山は、危険です。午後7時30分を過ぎています。周囲も暗く、これ以上進むのも危険です」と伝える。


 疲労が全員の顔に浮かんでおり、一之瀬先輩が開けた場所を見つけ出し、

「ここで一旦、宿泊し安全を確保する。体力の回復後、翌朝、下山しよう」と決断した。


***山中での野宿***


 全員疲れ切っている中、佐山、千絵、江山が野宿の準備を始める。

佐山「僕たちは山道の拠点で少し休めていますから野宿の準備は任してください」と話す。

周囲は暗くなり、寮たちは山中での野宿を決意した。一之瀬先輩の指示のもと、疲労したメンバー全員が少しでも休息を取れるよう、佐山たちが準備を進める。


 佐山たちは、リュックから折りたたみ式の防水シートを取り出し、地面に敷いて横になれるスペースを作った。「これで少しでも体を休めましょう。冷え込みに備えて、防寒具も用意しておきます」

千絵は簡易コンロをセットし、湯を沸かしてインスタントラーメンを調理。「温かいものがあると気持ちが落ち着きますよ。少しでも食べて体力を回復してください。」彼女の言葉に、救助された学生たちも安心した表情を見せた。


 江山は周囲から適度な長さの枝を集めて焚火を始めた。

「火の光と暖かさがあるだけで霊的な影響を防げます。これで夜を乗り切りましょう」


***焚火を囲む一行***


 焚火の柔らかな明かりと、

湯気の立つラーメンの香りが、疲労に包まれた一行の間に一時の安らぎをもたらす。

「ありがとうございます……」山本が手に持ったラーメンの器を見つめ、小さく感謝を呟いた。その声に一之瀬先輩が微笑む。「君たちが無事で何よりだ。ここから先は、全員で協力して下山するだけだ」


 寮は学生たちの体調を確認しながら話しかける。「明日の朝には拠点に戻ります。そこから安全な場所へ移動しましょう」斉藤は焚火を見つめ、「こんな状況でも、こうして救助してもらえるなんて……本当にありがとうございます」と感極まった様子で答える。


***霊的な脅威の再来***


 夜になると周囲に再び霊的な気配が漂い始めた。焚火の向こう側、闇の中で黒い影がうごめき、不気味なささやき声が聞こえる。見張りについていた陽菜が静かに警告する。「また動き出したわ……注意して」


 美紀が即座に立ち上がり、霊符を手に結界の補強を始める。「まだ完全には霊的エネルギーが静まっていません。少しでも侵入されないようにします」瑞希と山田もそれぞれ浄化術で近づく悪霊を撃退した。



 春香がお経を唱え始めると、周囲の悪霊が清められて浄化されて行った。「これで少しは時間が稼げるはずです……」春香が息をつきながら続ける。寮たちは全員で協力し、悪霊の侵入を阻止しつつ夜を乗り切る準備を整えていた。


 一之瀬先輩は学生たちの近くで魔除けのお香に火を点け

「悪霊達は、君たちに近寄れないから安心して休むといいよ」と、声を掛ける。



***夜明けと希望の光***


 長い夜が明け、東の空が薄明るくなり始めた頃、霧が薄れていくのを一行は感じ取った。美紀が結界を解きながら「夜の霊的な力が弱まりました。これで安全に進めそうです」


 全員、朝食を取り、焚火の燃え残りを片付け、出発の準備を整えていた。千絵が温かいお茶を学生たちに手渡しながら励ました。「さぁ、元気を出して下山しましょう。もうすぐです」一之瀬先輩が全員を見渡しながら「よし、全員、無事に下山しよう」と告げ、出発した。


***最後の下山***


 山道を下る足取りは、夜の休息のおかげでいくらか軽くなっており、斉藤たち学生も少しずつ力を取り戻し、自力で歩みを進める。「もう少し……もう少しで帰れる……」山本が呟く。


 30分ほど山を降りて行くと、葵、鈴木、田中が登って来るのが見える。


 寮たちは手を大きく振った。


葵「一之瀬先輩、寮君、無事で良かったです」

鈴木「僕達も救援に行こうと考えていましたが夜が明けるまで待機していました」

田中「美紀さん、大丈夫でしたか?心配していました。とらかく無事でよかったです」と、口々に無事な帰還に喜んでいた。


 こうして、寮たちは、拠点のテントへと辿り着いた。


 待機していた救助隊が笑顔で迎え入れ「お疲れ様でした! 全員無事ですね!」その声に、緊張が解けたように一同が深いため息をついた。


***救助の成功と次なる課題***


 学生たちの救助が完了し、一之瀬たち、捜索チームの使命は無事、果たす事が出来た。だが寮たちの心には霊山に漂う未解決の謎が残されてままだった。寮は改めて一之瀬先輩に向き直り言葉を交わす。「この山の封印が弱まっている原因を突き止める必要がありますね。まだ、霊山の浄化活動は、始まったばかりです。」


一之瀬先輩も真剣な表情で頷き「次の調査が始まる前に、万全の準備を整えよう」


 寮たちは、改めて霊山の浄化を行う必要性を感じていたが、

今回の救助活動で予想以上の消耗を強いられてしまった。引き続き浄化活動を行う予定だったが、当面の間、霊山の浄化活動の範囲を林地点までと決める事になった。



 購読、ありがとうございました。なんとか、学生救出までは成功した寮たちですが、霊山は予想以上に危険な場所だった事を新たに認識し、さらなる秘密と浄化に向けた活動が重要になっています。

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