霊山の捜索、失われた3人の捜索
寮たちは、行方不明者だった大学生オカルトサークルの2名を保護し、
残りの学生の捜索に乗り出して行く。
寮たちは行方不明者だった大学のオカルトサークルの
大山と河村を発見し保護し、引き続き大学生の捜索を行う事が決まった。
保護した学生2名、大山、河村は、拠点のテントまで送り届ける事が決まりチームのメンバーから田中、由香、國府田、葵、鈴木が引き返す事になり霊的な力がまだ漂う林地帯を慎重に進みながら無事に撤退できるよう警戒を続け引き返して行く。
大山が口を開く。「僕たちは5人で霊山の調査に来たんです。だけど、途中で霧が濃くなって……気がついたら、僕と河村以外がいなくなっていました」
河村も震える声で続けた「みんなで石碑を見つけて、その周辺を調べていたんです。でも、その後は記憶が曖昧で……まるで夢の中にいるみたいな感覚に……」葵は冷静に頷きながら、後方で荷物を運ぶ國府田に向かって言った「大山さんと河村さんの体力を確認して。怪我や霊的な影響を受けている可能性があるかもしれません」
國府田は2人を軽く診察する。「体力的には問題なさそうですが、少し霊的な干渉を受けている兆候が感じられます。テントに帰還したら、少し休ませてあげたほうがいいです」
由香が大山に尋ねる。「行方不明になっている3人のこと、詳しく教えて貰えるかな?」
大山は深呼吸して「1人は小林という男性で、僕と同じ3年生です。もう1人は女性で山本といいます。最後はリーダーの斉藤です。彼が5人の中で最も霊的な知識がありました」
ゆっくりとだったが拠点のテントまでは、2時間30分で辿り着いた。
***拠点への帰還と一時の休息***
葵たちはテントの拠点まで戻り、救助した2名を休ませた。テント周囲の結界が霊的な影響を防ぎ、安全を確保している。河村は食事を取りながら「本当にありがとうございます……このままだったら、僕たちどうなっていたか……」と感謝の意を述べた。
拠点のテントには、
大学のオカルトサークルメンバーの仲間たち数名が前田と物資を運び入れ待機していた。
***オカルトサークル数名の捜索***
一之瀬先輩が保護した2名が下山する姿を眺めながら「林地帯にもう一度戻り、残り3人を探そう。大山たちが話していた石碑の場所を確認するのが優先だ。霊的な影響が強い場所だろうから、しっかり準備して挑む必要がある」
寮は頷きつつ言った。「林地帯はまだ危険な霊的エネルギーが残っている可能性があります。捜索範囲を広げるためにも山道にテントを設置し捜索の合流拠点にしましょう」と提案した。食料や通信機を設置し佐山、千絵、江山が待機する事が決まった。寮、美紀、一之瀬先輩、陽菜、春香、瑞希、山田は、祠の浄化と残り3名の捜索に向かった。
***林地帯のさらなる捜索***
寮たちは佐山たちか発見した石碑の調査に向かった。
石碑の方向に近づいて行くと美紀が「近くに強い霊的な痕跡があります……この先に石碑があります」と周囲に伝えた。
陽菜が警戒しつつ「準備を怠らないで。悪霊が現れる可能性が高いわ」と、続ける。
すると突然、霧の中から3体の影が現れた。それらは形を変え続ける異形の悪霊で、かすかに人間の声のようなものが混じっていた。
春香がすかさずお経を唱え、浄化の波動を周囲に広げ、陽菜は霊光弾を放ち浄化する。
美紀は式符を取り出し朱雀を召喚。炎をまとった巨大な鳥が霧を切り裂きながら悪霊たちを浄化していった。瑞希と山田も次々と現れる悪霊達を浄化して行く。
***石碑の発見***
悪霊を退けた後、一之瀬先輩が石碑を見つけ「急いで浄化と封印を」と指示を出す。
苔むした古い石碑があり、奇妙な紋様が刻まれていた。それはただの記念碑ではなく、何かを封印するための物のように見えた。
美紀が石碑に手をかざしながら言う。「この石碑……封印が壊れかけています。急いだ封印の儀を行いましょう」と伝えた。
美紀が封印の儀を行っている間、寮、陽菜、瑞希、山田、一之瀬先輩は周囲を警戒して待機していた。
その次に佐山たちが発見した、木の紋章と布の端切れのあった地点に進んで行った。
寮は、作戦会議の話を思い出していた。
***林地帯の回想***
佐山「寮くん、一之瀬さん……林の外れで奇妙な木の紋章を発見しました。それと、布の端切れが落ちていました。どうやら人間の服の一部のようです。」
千絵が布の端切れを広げて見せる。「ここに落ちていたものです。泥と何か黒っぽい染みがついていて、場所は強い霊的な力を感じました。」
寮が布を受け取りながら、眉をひそめる。「これ……行方不明になっている誰かのものかもしれない。」
美紀が布を手に取り、霊力を使って布の痕跡を探ろうと集中する。「霊的な影響を受けています。間違いなく、これは霊的エネルギーが込められたものです」
千絵が続けた。「それだけじゃありません。木の幹に彫られていた紋章が気になります。とても複雑な形で、呪術的な意味を持つように感じます」
一之瀬先輩が布をじっと見つめながら言った。「これは残りの3人の手がかりになるかもしれないな。紋章のある木の場所を特定して調べるべきだ。」
***木の紋章の謎***
寮たちは林の奥へ進むにつれ、不気味な囁き声や、冷たく重い空気が感じられた。
一之瀬先輩が気の紋章を発見し指さす。「これだな」指差した先には、古びた木が一本立っていた。その幹には、人の手で彫られたと思われる複雑な紋章が刻まれていた。
瑞希が紋章を見つめながら言う。「これ……ただの彫刻では、ありません。呪術的な力を封じ込めた物の様です。まだ、新しい物の様です。」
美紀が木に手をかざし、霊力を集中させる。「この紋章には、封印の力が込められていたようです」
寮が周囲を見渡しながら慎重に言った。「この場所から先に進んでみましょう。石碑と繋がっている可能性が高そうだ。石碑、布の端切れ、木の紋章が指し示しているのは、残りの3人がこの近くで何かに巻き込まれた可能性があります」
***藪の中からの返事***
木の紋章を調査した後、寮たちはさらに林の奥へ進んだ。不気味な霧が立ち込める中、やがて目の前に現れたのは鬱蒼とした藪。その周囲には霊的な結界の気配が漂っており、まるでその場を守るかのように冷たい空気が渦巻いていた。一之瀬先輩が足を止め、藪を見据えながら大きな声で呼びかける。「斉藤さん、小林さん、山本さん! 聞こえますか? 我々は救助に来ました!」
静寂が続き、風に揺れる木々の音だけが耳に残る。寮たちが緊張感を漂わせる中、ようやく藪の奥からかすかに声が返ってきた。「……ここです……助けて……!」弱々しい声だったが、確かに人の声だ。
寮たちは急いで藪を掻き分け、中へと進んでいった。すると、そこには疲れ果てた様子で身を寄せ合う3人の若者がいた。大学のオカルトサークルの行方不明者である斉藤、小林、山本の3人だった。顔は青ざめ、衣服も泥や破れが目立ち、極度の緊張と疲労で震えている様子が見て取れた。
「悪霊に追い詰められて、逃げ場がなくなって……ここに隠れていました。」斉藤が声を震わせながら状況を説明した。小林と山本も、何度も頷きながら恐怖の表情を崩せずにいる。
寮は急いで携帯食と水を取り出し、それぞれの手に渡した。「まずはこれで少し休んでください。体力を回復させないと。」陽菜が温かい笑みを向けながら手を差し伸べ、「もう安全です。私たちがここにいますから、心配しないでください。」と声をかけた。その言葉に、3人はようやく安堵の息をつく。
一之瀬先輩が斉藤たちの顔を見つめながら問う。「この藪に結界が張られていたようだが、これを施したのは君たちか?」
斉藤は頷き、「はい。少し霊的な知識があったので、持っていた材料を使って簡単な結界を張りました。でも、これが限界で……追い詰められるたびに、ただ祈るしかなかったんです。」と力なく答えた。
美紀が結界の跡を確認しながら呟く。「ここまで霊的な干渉を抑えたのは立派です。この場所が生存に繋がったのでしょう。」
「無事で本当によかった。」寮は3人の体調を慎重に確認しながら言葉を続けた。「状況を確認し次第、下山の準備を始めます。この先も危険な霊的な影響が続くかもしれませんが、私たちが全力で守ります。」
3人の表情には疲労の中に一筋の希望が浮かんでいた。周囲を警戒しつつ、寮たちは彼らを支えながら慎重に下山への準備を進めていくのだった。
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