表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/127

霊域の突破と導き

 寮たちは一之瀬先輩たちより先に出発し、霊山の奥に進み調査を行っていた。

***先行する寮たち***


 寮たち浄化チームは、一之瀬先輩たち捜索チームより1時間早く出発し、前日到達した地点のさらに先を目指して進んでいた。霧が薄れ、比較的開けたエリアに到着すると、岩が点在し、木々が影を落とす風景が広がっていた。


「ここにドローンの中継アンテナを設置しましょう」鈴木がリュックからアンテナを取り出し、周囲を確認する。

「これでドローンの行動範囲を広げられるますね」國府田が少し安心したように頷いた。


 アンテナを設置し終えた後、発信機を設置して通信を確保した寮は、後方支援の前田に連絡を取った。

「前田さん、こちら鈴木です。周囲の地形を上空から確認して」貰えませんか?」


前田の声が通信機から返ってくる。「了解。ドローンを飛ばして状況を調べる」


 10分後、前田から地形に関する情報が届いた。

「寮さん、この先、道が二手に分かれているポイントがあります。一方は行き止まりだが、石を積み上げた建造物のようなものが確認できます。もう一方は山の奥深くへ続いている道があります」


 寮はすぐに決断した。「まずは石が積み上げられている地点を調査しよう。」


***石の山に向かって***


 二手に分かれる地点に到着した寮たちは、そこに結界を施し安全を確保してから石の山のある方へと進んだ。


 石がごろごろと転がる坂道を慎重に登ると、少し開けた広場に出た。その中央には複数の石が積み上げられた山がそびえ立っていた。大小さまざまな石が丁寧に積み上げられており、どれも何かを象徴しているかのようだった。


 國府田が周囲を見渡しながら呟く。「これは何かを祀っていた跡なんでしょうか?」


 寮は山の中で一番大きい石の山に目を向けた。「この形状……何かを封じ込めるために作られているように見えるな」


***封印の儀式開始***


 寮が美紀に尋ねた。「美紀、何か感じるか?」

美紀は石の山に手をかざしながら目を閉じ、集中する。「はい。これは間違いなく封印を施すためのものです。この下に何か強い霊的な存在が封じられている可能性があります。」


「分かった。さっそく封印の儀を行おう。」


 美紀は一番大きな石の山の前に立ち、霊力を込めながら儀式を開始した。

寮はリュックからエネルギーグッズを取り出し、石の山の周囲四方に埋設して結界の力を補強した。


 春香も他の石の山に向かい、それぞれの山に封印の儀を行っていた。陽菜は全体の警戒を担当し、霊的な異変や影の出現に備えて周囲を見渡している。國府田と濯ぎは積み上げられた石の山を写真に収め、詳細なデータを記録していた。


***不穏な気配***


 美紀が封印の儀式を進める中、周囲の空気が一変した。霧が急に濃くなり、冷たい風が広場を吹き抜ける。


「何か来る……!」陽菜が鋭い声で警告した。


 すると、石の山の一つから黒い影がふわりと浮かび上がった。それは人型をしているが、形が曖昧で、まるで積み上げられた石の中から引き出された怨念のようだった。


「春香、浄化を急げ!」寮が叫ぶと、春香が呪文を強め、浄化のお経を唱え始めた。


 影は春香に向かって襲いかかろうとしたが、陽菜がすかさず霊光弾を放ち、影の動きを止めた。

「これで浄化できるはず……!」陽菜が霊力を込めた声で叫ぶ。


***封印完了***


 美紀が最後の祈りを込め、封印の儀を完了させると、一番大きな石の山から発せられていた不穏な霊気が静まり、影が霧の中へと消えた。


「これで封印は強化できた……けど、この場所にはまだ何かが隠されている気がする。」美紀が額の汗を拭いながら言う。


 寮は石の山を見つめながら呟いた。「石碑の奥があるように、これもただの入り口かもしれない。この封印の先に、本当の問題が隠されている可能性が高そうだ」


***分かれ道までの撤退***


 寮たちは、石の山での封印作業を終えた後、一旦、分かれ道の地点まで引き返すことにした。霧が徐々に薄れ始め、周囲の視界がいくらか確保できたことで、慎重ながらもスムーズに撤退を進めた。


 分かれ道の地点に到着すると、寮は通信機を取り出し、後方支援の前田と連絡を取った。

「前田、カメラのモニタリング映像を確認して、異変があれば即座に知らせてくれ」

前田の声が応答する。「こちらで監視を継続します。異常があればすぐ連絡します」


 分かれ道の安全が確保されていることを確認した寮は、新たな拠点の設置を提案した。


***中継拠点の準備***


「この場所は、比較的開けていて物資輸送に適している。ここを中継拠点にしよう。」寮が周囲を見渡しながら指示を出した。


 鈴木が水野に物資の要請を行う。まもなく、ドローンが物資を運び込み、乾燥食品、水、予備の浄化道具、携帯バッテリーなどが到着した。

「これで必要最低限の準備は整いましたね」國府田が収納した物資を確認しながら言った。


 寮たちはオープンテントを設置し、

簡易的な休憩スペースを確保し、テントの回りに結界も施し安全性を最大限に高めた。


***さらなる探索の準備***


 寮は、石の山での封印作業を振り返りながら、次に進むべき方向についてメンバーと話し合った。

「封印は完了したが、霊的なエネルギーが完全に静まったわけじゃない。この先の道を進むことで、封印の根本に繋がる手がかりが見つかる可能性が高まると考えている」


 美紀が冷静に付け加えた。「先に進むことで、より強力な霊的存在と遭遇する危険も増します。でも、ここで止まる訳には、行きません。」


 鈴木が提案する。「一之瀬先輩たちの捜索チームと一度合流し、情報を共有した方がいいかもしれません。状況を整理して、次の作戦を立てるべきです。捜索チームの事も気になります」


 寮はその提案にうなずいた。「一之瀬先輩たちと合流して情報交換しよう。次の拠点や進行ルートについて話し合う必要がある。」



 寮たちは周囲を慎重に調査し、

一旦、一之瀬先輩たちが捜索活動している林まで引き返す事にした。


***林への道中***


 寮たち浄化チームは、林のエリアを目指して慎重に歩を進めていた。霧が濃くなり始め、冷えた空気が肌を刺すように感じられる中、一之瀬先輩たちの緊急通信が入り、照明弾の光が霧越しに確認された。


「一之瀬先輩たちに何かあったみたいですね!」國府田が焦り気味に言う。

「急ごう!」寮が声を上げると、全員が足を速めた。


 林のエリアに近づくにつれ、不気味な囁き声のような音が聞こえ始めた。周囲には影のようなものが蠢いている気配があり、緊張が高まる。


「警戒を怠るな。周囲に霊的な存在が集まりつつある。」寮は全員に注意を促しながら、発信機を確認し、正確な方向を確認した。


***葵たちのグループ 救援への疾走***


 葵、瑞希、山田は信号弾の音を頼りに、影の森を突き進んでいた。道中、再び悪霊がが現れたが、瑞希が霊術を放ち強力な悪霊に絞って浄化して行く。他の悪霊達は葵と山田が浄化し、進路を切り開いて行った。「急ぎましょう。時間が経つほど、先輩たちが危険にさらされる……!」葵が先頭を走りながら叫ぶ。


「でも、霊体の数が増えてきています……援護に行くどころじゃない!」山田が霊札を使いながら返す。


瑞希が周囲を見回しながら言う。「この悪霊達は私たちを足止めよしうとしてる様です。一之瀬先輩の所まで行かせたくないのかも」


「そんなの関係ないわ。行くしかない!」葵が強い声で言い、

再び霊力を手に込めて悪霊を次々と浄化して先に向かった。


***佐山たちのグループ 重要な手がかり***


 佐山、千代、江山のグループは、石碑付近から引き返している最中に緊急連絡を受け、信号弾の方向へと進路を変更していた。途中、霧が濃くなり、道がわかりにくくなるが、千代が霊的な気配を敏感に察知し、ルートを確保する。


「早くしないと、一之瀬さんたちが危険だ。」佐山が焦る声で言う。


江山が霧の中で見つけた別の足跡に気づく。「これ……新しい足跡だ。誰かが近くにいるかもしれない。」


「もしかして、行方不明の学生?」千代が言いながら足跡を追う。


しかし、その足跡が突然途切れる。周囲を見回すと、木の根元に奇妙な印が刻まれているのを発見した。それは複雑な紋様で、霊的な意味を持つものだった。


「これは……封印の一部か何か?」千代が印を指差す。


佐山が慎重に言った。「これが石碑と何か関係しているかもしれない。でも今は時間がない。一之瀬さんたちを優先しよう。」


 葵のグループと佐山のグループが次々と一之瀬先輩たちの元に到着した。

葵たちが最初に駆けつけ、瑞希が一之瀬先輩たちを取り囲んでいる強力な悪霊に向かって霊力を込めた霊府を投げると、一撃で浄化されて行った。


 一之瀬先輩「どうやら、助かったみたいだ」と、葵たちの姿を確認して、ほっとした表情でみんなに周知らせる。由香「浄化スプレーも後、少ししか残って無かったけど、なんとかなったわ」田中「結界の塩も底を尽きかける所でした」


 その後、別方向から佐山たちが到着し

悪霊たちを浄化して行き注意を分散させることで、状況を一時的に安定させた。


「全員、無事か!?」一之瀬先輩が叫ぶ。


「何とか持ちこたえています。でも、これ以上は厳しいです!」田中が叫び返す。




***林のエリア手前での激闘***


 寮たち浄化チームが林のエリアに差し掛かる直前、冷たい空気が一瞬止まり、霧の中から次々と不気味な形をした強力な悪霊が現れた。それらはただの亡霊ではなく、深い怨念や呪いをまとった存在で、空間そのものが歪むほどの霊的エネルギーを放っていた。


「ここが正念場みたいね。」美紀が静かに呟き、気を引き締める。


霧の中で一際大きな影が動き出した瞬間、美紀が式札を取り出し、鋭い声で命じる。「朱雀、行きなさい!」


***朱雀の浄化***


燃え上がるような炎の鳥「朱雀」が霊符から現れ、瞬く間にその巨大な翼を広げる。悪霊の一体が美紀に向かって突進するが、朱雀はそのまばゆい光の中に包み込み、焼き尽くした。


「さすがね……朱雀の力は圧倒的だわ!」陽菜が驚きながらも、霊光弾を放ち、別の悪霊を浄化した。


「数が多いわね、次々来る!」春香がお経を唱え始めると、その声は周囲に清浄な波動を広げ、弱い悪霊たちが霧とともに消えていく。


***白虎と青龍の召喚***


しかし、残った悪霊たちはさらに強大で、一体一体が異常なほどの霊的エネルギーを纏っていた。美紀は冷静に次の式札を構え、声を上げる。「白虎、出てきて!」


白い光の中から、威厳ある虎「白虎」が霊符から現れ、その巨大な爪で悪霊を切り裂く。続けて、美紀はさらに別の式札を取り出し、「青龍、お願い!」と叫んだ。


青い光の竜「青龍」が宙を舞い、轟音とともに悪霊たちを次々と浄化していく。その動きは力強く、残った悪霊たちが後退するかのように怯むほどだった。


「これで少しは抑えられた!」陽菜はさらに霊光弾を連続して放ち、次々と悪霊を浄化していった。「春香、結界の力を強めて! 私たちがここを抑える!」


***寮、突破口へ***


陽菜が振り返り、寮に向かって強い声で言う。「寮君! ここは私たちに任せて。一之瀬先輩たちを助けに行って!」


寮は少し躊躇するが、陽菜の真剣な眼差しに頷いた。「分かった。頼んだぞ、みんな!」


「私も行く!」國府田が叫び、鈴木もすぐに駆け寄った。


「陽菜、頼むから無茶するなよ!」鈴木が振り返りながら言うと、陽菜が笑顔で答えた。「大丈夫。寮君たちは先輩たちをお願い!」


美紀たちが戦いを続ける中、寮、國府田、鈴木の三人は、突破口を進んで一之瀬先輩たちがいる林の奥へと向かった。


 林の中に入ると、霧はさらに濃くなり、周囲には一之瀬先輩たちが戦った形跡があった。重い霊気が漂っている。国府田が浄化のお香に火を点け、周囲の空気を清めて行った。


しばらく進むと先の方で、霊術の強い気と悪霊の気を感じられた。「急げ!」寮が叫び、全員が駆け足で進む。やがて、一之瀬先輩たちが悪霊の群れに囲まれながらも、懸命に戦っている姿が見えた。


寮たちの姿を発見した由香が「寮たちが来てくれたよ!」と叫ぶ。


寮はすぐに霊符を取り出し、周囲の悪霊に向けて浄化術を発動し浄化して行った。「一之瀬先輩、無事ですか?」


一之瀬先輩が疲れた声で返答する。「なんとか持ちこたえているが、限界だったところだ。助かった!」


國府田と鈴木も援護を開始し、残った悪霊も葵たちと佐山たちで次々に浄化していった。


 次第に悪霊の数も少なくなり、霧も晴れて来る。


***再びの静寂***


すべての悪霊が消え去り、霧が晴れていく。林に静寂が戻り、一同が息をつく。


「全員無事だな?」寮が確認すると、一之瀬先輩が微笑みながら頷いた。「おかげで助かったよ。本当にありがとう。」


しかし、美紀たちが戦っている方向からまだかすかな戦闘音が聞こえていた。寮はその音に耳を傾け、決意を新たにする。「まだ終わっていない。ここからが本番だ。」


***陽菜の最大霊光弾***


 寮たちが先に進んだ後、陽菜たちは休む間もなく次々と現れる悪霊たちとの戦闘を続けていた。朱雀や白虎、青龍の力で多くの悪霊を浄化してきたが、それでも霧の奥からさらに強力な悪霊が現れ、その数は増えるばかりだった。


美紀が疲れた息を整えながら提案する。「このまま戦い続けても限界が来るわ……私たちも突破して、一之瀬先輩たちと合流しましょう」


春香もお経を唱えながら同意した。「そうね。でも、まずこの悪霊の数をどうにかしないと、進むこともできない」


陽菜は悪霊たちを浄化する手を休めることなく、心の中で考えていた。


***シャミィの助言***


そのとき、陽菜の心に柔らかい声が響いた。陽菜の使役する守護霊、シャミィの声だった。


(陽菜ちゃん、霊光弾を最大パワーで周囲に広げて。この状況を打破するには、陽菜ちゃんの全力が必要です)


陽菜は一瞬驚きながらも、シャミィの助言にうなずいた。そして目を閉じ、心を集中させる。


「霊光弾、最大パワーで広がれ……!」


陽菜が念じると、手の中で輝く霊光弾が急激に大きくなり始めた。その光は最初は彼女自身を包み込み、それから次第に膨張していく。


***霊光弾の拡大***


霊光弾の光は、周囲の闇を飲み込みながら広がり続けた。


「30メートル……50メートル……80メートル……!」

光は悪霊たちを呑み込み、触れた悪霊が次々と浄化されていく。陽菜の力はさらに高まり、霊光弾はついに100メートルを超える巨大な光の玉となった。


周囲はまばゆい光に包まれ、霊光弾の力に引き寄せられた悪霊たちは抗う間もなく浄化されていく。その光景はまるで太陽が地上に降り立ったかのようだった。


陽菜は力を込めてさらに念じる。(もっと広がって……この霧ごと浄化して!)


***霊光弾の爆発と静寂***


 陽菜がその思いを強く込めた瞬間、霊光弾ははじけるように光の波を放射し始め爆発的に周囲1キロメートルの範囲に広がり全体を光の中に包み込んだ。


 悪霊たちの断末魔の声が響いたが、それもすぐに光の中に消え去り、代わりに深い静寂が訪れた。濃い霧も消え、林全体が穏やかな空気に包まれて行った。


「これで……全部浄化できたみたい」陽菜は肩で息をしながら呟いた。


美紀が驚きの表情で陽菜を見つめた。「陽菜さん……あなた、ここまでの力を隠してたの?」


春香も微笑みながら言った。「すごいわ。これで私たちも安全に進めます」


陽菜は疲れた顔で微笑みながら答えた。「シャミィのおかげよ。みんな、急ぎましょう。一之瀬先輩たちが待っているわ!」


***静寂の中、次の行動へ***


 陽菜たちは周囲の安全を確認し、一之瀬先輩たちと合流するため、林の奥へと歩を進めた。浄化された大地は静寂に包まれ、先ほどまでの霊的な不穏さが嘘のように消え去っていた。


 少し進むと、寮たちが近づいてくるのが見えた。


 「寮は驚いた表情を隠しきれず、さっきのは、霊光弾?」と、陽菜に尋ねた。


陽菜からシャミィのメッセージが伝えられる「そう、以前、あなたが古代悪魔と戦っていた時に使っていた霊光弾の力です」



 購読、ありがとうございました。なんとか、1つの山場を越えられた展開まで進みました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ