ルナリアンズ戦 その4 試合終了
第3クォーターを終え、98対88。
10点差で勝ってはいるが、ぼくたちのチームの目標は、この試合を30点以上の点差で勝利すること。最終クォーターで失点を抑え、20点以上を積み上げる必要がある。
「いよいよ最終、第4クォーター。点、取りまくるよ!」
監督の本條莉奈が、戻ってきたメンバーが座っているベンチの前に立っていう。
「年配のプレイヤーは動きが鈍くなってきている。若手は少ないから、全体的なスピードも落ちてる」
コーチの藍崎華瑠奈が指摘する。
確かに、第3クォーターの終盤、相手の動きは鈍くなっていた。
「メンバー交代は積極的に行うから、とにかく動いてシュートを打って、向こうに休む間を与えず体力を奪っていこう」
監督の言葉にうなずくメンバー
「ボールは中空、高空層で回すようにして。更に相手の体力を奪えるし、ついてこれないはず」
コーチの指示は、第4クォーターでやるのはなかなか厳しいものだ。
「こっちも体力的にきついと思うけど、ここで点取らないと予選敗退だからね」
監督の指摘はもっともだ。
「引き続き俺にボールを集めろ。俺がボールを持ったら、浅井と永江はゴールに向かえ」
「おう」
中山の言葉に浅井と永江が反応する。
インターバルの2分が終わり、最終クォーター開始。
ゲーム開始後、速攻が決まる。
相手の動きが鈍くなったことは確かで、こっちのディフェンダーの執拗なマークに相手のパスミスが重なり、連続してインターセプトが成功、シュートも決まり差が拡がる。
攻撃では、中空、高空層を使ってパスを回し、中山にボールが渡ったところで浅井と永江がゴールリングに向かう。相手ディフェンダーの動きを確認し、中山からのパスが浅井に通る。浅井はディフェンダーを避けてジャンプしたためちょっと高度が足りずダンクはできなかったが、レイバックが決まる。ゴールリングの下を通過し、後ろ向きに打つシュートだ。
高いエリアでのパス回しに相手はついてこれず、リバウンドを奪うことに注力しているようだが、こっちのシュート成功率は高く、点差を広げていく。20点差をつけると相手の動きは目に見えて鈍くなってきた。おっさんの体力が落ちてきたことが大きい。若手はまだ動けるが、こっちもそいつらをマークしているので自由には動き回れない。メンバー交代を積極的に行っているのでこっちの高い位置でのパス回しと攻撃、マンツーマンでのディフェンスが効果を発揮している。
とはいえ、相手は経験のあるプレイヤーが多く一時は差を詰められたが、残り3分、ミカ・コルホネンを投入すると、低空の速い動きからの中山を経由しての浅井、永江へのパスが面白いように決まり点差を広げる。最後の3分で10点差をつけゲームは終了。
141対107で勝利。34点差、2戦で得失点差は36点。
「みんなー、お疲れー」
監督は笑顔でメンバーを迎えているが、できれば40点以上の差をつけたかったこともあり、メンバーはそれほど喜んではいない。




