クレーターズ戦 その10 第4クォーター開始
第3クォーター終了。得点差は10点。一桁差にはできなかったが、まあいい感じだ。
チームファウルが4つになったところは気になるが、点差を詰めるために積極的に動けばこういうものだろう。
「10点差で第4クォーターかー。いい試合になってきたな」
永江が汗をぬぐいながらいう。
「次は高空層を積極的に使ってくよ」
これは監督の本條莉奈。
「こっちの得点は、第1クォーターが20点、第2が30点、第3が38点、で調子よくなってるけど、失点は第1が40、第2、第3共に29点で横ばい。失点を抑えないと逆転は難しい」
コーチの藍崎華瑠奈が指摘する.
なるほど。ムーンバスケットボールでは得点は決まりやすいが、1クォーターで40点以上はそう簡単には取れない。となると、確かに失点を抑える必要がある。浅井は腕を組む。
「積極的にボールを奪いにいくしかないな」
中山いう。
インターバルの2分はあっという間に終わる。
「10点差、逆転するよー」
監督の声を背にコートに戻る5人。
開始早々シュートが決まる。幸先はいい。だが、相手のシュートもすぐに決まる。点を取っては取り返されるの繰り返しで点差が縮まらない。
「ボールを奪うぞ」
シュートが決まった後、守備に戻りながら中山がいう。
相手の攻撃は、コート上でボールをまわしつつ、高くジャンプするプレイヤーにパスを通してシュートするというやり方だ。常に1人は高空層にいるよう次々とジャンプしている。
浅井がマークしていたやつにボールが渡る。数回ドリブルした後、身長ほどの高さにジャンプする。こいつのパスを受けたやつがシュートするはずだ。浅井はパスコースを妨害しようと、高空にいるやつとの間にジャンプするが、ボールは山なりの軌道を描き浅井の手が届かないところに跳んでいく。浅井は上空からこのボールを取りそうなやつを探す。真上に上がったかのように見えるボールは滞空時間が長いので、まだ床の上にいるはずだ。あいつか。スリーポイントラインのあたりにいるやつがボールを見ている。
中山が気づきそいつとゴールの間でジャンプしようとしている。相手プレイヤーが、スリーポイントラインからペイントエリアの方に駆け込み思いっきりジャンプする。即座に反応した中山がジャンプするが、相手が上昇する軌道に入ってしまい体当たりしてしまう。ホイッスルが鳴る。ファウルを取られた。まだパスは通ってなかったので、フリースローにはならなかったが。これはさっき浅井が取られたのと同じファウルだ。
浅井と中山は同じファウルを取られたが、これは偶然か? こっちのディフェンスの動きを読んで、ファウルを誘発しているような気がする。中山のファウルのあと、黒田がファウルを取られた。だが、積極的にボールを奪うやり方はうまくいっており、点差は6点に縮めることができた。
この調子でいけるかと思ったところで、今度は浅井がオフェンスチャージングのファウルを取られる。攻撃の際、位置を変更しようと中距離ジャンプをしたが、着地したすぐ前に相手ディフェンダーがいて避けきれず体当たりした。永江が何度か取られたのと同じファウルだ。始まって早々にチームファウルは3つになった。ここで監督がタイムアウトを入れる。




