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地球から一番遠い教室で  作者: 草川斜辺


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53/56

チーム初勝利!

試合終了のホイッスルが体育館に響く。


92対86


このチーム初めての勝利だ。

浅井はスコアボードを眺める。辛勝だし練習試合だが、勝ちは勝ちだ。このチームの初勝利だ。


「やったー!」

監督の本條莉奈(ほんじょうりな)が大喜びでメンバーを迎えている。ハイタッチしているので浅井もその列に並ぶ。


「勝って当然の試合だ。あのチーム相手に3桁取れないとか失点とかこんな得点差とか話にならん」

中山は不満そうなことをいうが、嬉しそうな表情だ。

まあ、得点差はさておき勝つのはいい気分だ。初勝利ならなおさらだ。


相手チームは地元同好会チームで、過去に予選突破の実績はない。中年のおっさんも多かったし、勝ったとはいえ確かにこの点差はちょっと問題かもしれない。中山のいうことももっともだと思う浅井。


勝った試合だが反省会はもちろん行う。

公園通り、噴水広場とは反対側の端っこ近くにあるコーヒーショップに向かう。このあたりはちょっとした広場になっていて、テーブルと椅子がいくつも置かれている。公園通りとはいえ、ここまでくると観光客も少なく、地元の高校生や中学生がよく利用するところだ。反省会はここでやることが多い。


「まずは、初勝利を祝してカンパーイ!」

本條莉奈が手に持ったアイスティーを持ち上げる。


「この試合、俺が得点王かな」

永江(ながえ)が自慢げにいう。

確かに彼は結構得点していた。ぼくもそれなりに決めたはずだが。浅井は本條の方を見る。


「えっとねー」

本條莉奈は鞄から大きなタブレットを取り出しスコアアプリを確認する。体育館のカメラと連動しており自動的にプレイが記録、集計されている。


透哉(とうや)は、26得点で2番だね」

永江の名前は透哉だったな。

「え? そうなの?」

「1位は28点の英騎(えいき)

とりあえず、フォワードの役割は果たせたかと安心する浅井。


「1本差かー。まあ、点とれるやつが2人いると心強いよね」

永江はそういうと浅井の方を見る。

「ぼくのアシストも評価してほしいね」

これは柚子山(ゆずやま)。確かに彼のパスは的確なものが多かった。ただ、ボールを持ってからパスまでの時間はちょっと長かったように思ったが。


「あのチーム相手なら3桁取らないとだめだ。それができなかったことと、82点も取られたことが課題だ」

不機嫌そうに中山がいう。


「それじゃあ、反省会始めるよー」

本條莉奈がタブレットをテーブルの真ん中に置く。自動的に収集されたプレイヤーのデータをもとに、各プレイヤーや全体戦術に対する評価や改善点などが確認できるのだ。

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