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地球から一番遠い教室で  作者: 草川斜辺


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初デート! その4 藍崎華瑠奈の場合

待ち合わせ時間の1時間20分ほど前。


どっちがいいかな。

藍崎華瑠奈(あいざきかるな)は鏡に映る服装を手のジェスチャーで切り替える。「鏡」と呼んでいるが実際には鏡ではなくディスプレイだ。服を実際に着たイメージで確認できる。ディスプレイの端っこに洋服の広告が表示される。持っている服は少ないし、初めてのデートだし新しいのを買ってもいいかと思ったが、慣れないことはやめた方がよいだろうと考え、数少ないお出かけ用の服から選ぶことにした。


「これでいいか」

藍崎にしては派手な感じなので、これまで数回しか着たことはないのだが。

時計を見ると12時。もう食事は済ませたし出かけよう。早くついて下見をしておくのもいいかもしれない。生まれ育った街だが、公園通りのような観光客の多いところには実はあまり出かけないので、どんな店があるのかよく知らない。


公園通りまでは自宅から歩いていける距離だ。

藍崎が生まれた頃は街の規模は今の4分の1ほどだったので、自宅も街の中心部に近く旧市街と呼ばれる地域にある。なので、自宅を出て廊下を数分歩いてエレベーターで昇れば公園通りだ。時間があるので今日は階段を使うことにしよう。


公園通りのはずれに出る。このあたりまで来る観光客はほとんどいないので、土曜の昼間だが人通りもまばらだ。待ち合わせの噴水広場までは150メートルほど。どんな店があるのか確認しながら歩くことにする。


噴水広場に到着。ゆっくり歩いたつもりだったがまだ12時15分。45分前はさすがに早すぎだ。

彼は地下鉄で来るだろうから、藍崎は駅の入口が見えるところで待つことにする。噴水広場を取り囲むように、もたれかかる形状のベンチが並んでいる。一番外側、街路樹の近くのベンチが空いているからそこにしよう。


それはそうと、デートに誘おうと思っていたところで彼から誘われたのにはちょっと驚いた。

あの日は久しぶりに二人だけだったから誘うチャンスだと思っていたのだが、なぜか会話が続かずきっかけがつかめなかった。会話がなかったにしては時間があっという間に過ぎ、通りがかった本條莉奈(ほんじょうりな)のおかげで会話のきっかけができた。彼女には感謝してもいいかもしれない。


ふだん、観光客が多いところに来ることはあまりないが、みんな楽しそうだ。地元民としてはちょっとうれしいかも、と思う藍崎。

昼時なので、公園広場のレストランのオープンテラスで食事している人も多い。広場には屋台もいくつかあっていいにおいがする。ストリートフードを食べることもあるかもしれないと思い、昼食は少なめにしている。


さて、12時半を過ぎた。念のため今日の曜日も確認しておこう。大丈夫、土曜日だ。時間が長く感じる。予想では彼は15分前くらいに来るんじゃないかなと思う。

12時45分。あ、来た。駅の方から噴水広場に向かって歩いてくる浅井が見える。つい木の後ろに隠れてしまう藍崎。隠れることはないな。待たせるのも悪い。噴水の方を見ると、こちらに背を向けて座っている。駅から来ると思っているようだ。後ろ方から近づき声をかける。


「お待たせ」

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