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1.巨乳の女王と爆乳のヴォードワール伯爵夫人の誘惑

序章に続き、連続投稿になります。

 山口望は、気が付くと夢で見た気がする王宮にいた。

 「ロイズ・ロベルト大法官様」

 山口望の目の前には、金髪の若い女性がいる。20歳前後だろうか。地味なドレスを着た女性が山口を叱責する。

 「ロイズ・ロベルト大法官様。アリス・ロゼリッタ女王陛下がお呼びです」

 山口は、豪奢なシャンデリアのある部屋で一人仕事をしていた。

 「ロイズ大法官?」

 山口望は、小声で呟く。

 「寝ぼけておられるのですか?」

 「ルイス、ルイス・エリオット嬢」

 

 山口の頭の中に、目の前にいる女性の名前が浮かんでくる。

 目の前にいるのは、ルイス・エリオット嬢である。伯爵家の次女で、大法官ロイズ・ロベルトの秘書官である。胸はつつましやかだ。Cカップであろうか。

 

 ロイズ・ロベルト・・・・。

 自分はロイズ・ロベルトと言うらしい。

 そして、大法官である。夢か?

 山口望は、混乱する。

 先ほどまで、首相官邸の中で仕事をしていた。それは間違いがない。では、なぜ、今ここにいるのか。暇すぎて、心を病んだのだろうか。山口は官僚である。だから、混乱したまま、とりあえず、ロイズ・ロベルト大法官の仕事をすることにした。どうしてこうなったのかは、あとで、考えることにした。官僚の奥義、「先送り」の発動である。


 ロイズ・ロベルト大法官は、秘書官のルイス・エリオットとともに侍女達に女王の執務室に案内をされた。

 「ねえ、ロイズ。お願いがあるのだけれど。良いかしら。あのね、ヴォードワール伯爵夫人のお屋敷を建てたいのだけれど、コルベール財務卿がロイズ大法官の許可が必要だというの。ロイズは、コルベールみたいに私に意地悪はしないわよね。あなたは、反対しないわよね」

アリス・ロゼリッタ女王の横には、ヴォードワール伯爵夫人がいる。

 

 ヴォードワール伯爵夫人、この国の女王アリス・ロゼリエッタの寵愛を受け、財政破綻を加速させた元高級娼婦である。

 

 山口の脳裏には、目の前にいる美少女アリス・ロゼリッタが処刑されたシーンが明確に浮かんでくる。そして、もう一つの記憶、オリジナルの大法官ロイズ・ロベルトという人物の記憶を何らかの形で共有をしている。

 

 この身体の持ち主であるロイズ・ロベルトが記憶した人生をやり直しさせられているのであろうか?

 

 ヴォードワール伯爵夫人は25歳。高級娼婦としてヴォードワール伯爵の後妻となるが、翌年、伯爵は急死する。伯爵は暗殺されたと社交界で噂されていた。そのため、正確にはヴォードワール前伯爵夫人であり、彼女は貴族ではない。

 

 女王アリス・ロゼッエッタ、18歳。先月、即位したばかりのこの国の女王である。

 アリス・ロゼリエッタの両親である国王夫妻は、半年前に、流行り病で急逝した。前国王は、30代後半であった。

 

 ロイズ大法官は、アリス女王に恭しく頭を下げる。先ほどまで日本の官僚だったロイズ大法官には、強力な適応力がある。

 「アリス陛下、まずは建設に関する予算書を拝見いたしませんとお答えできません」

 アリス女王は、無邪気に言い放つ。

 「ロイズ大法官は、おかしなことを言うのね。予算書を作るのはあなたの仕事でしょう?」

 ロイズ・オリジナル大法官オリジナルの記憶がロイズの頭の中に鮮明に蘇る。

 『ヴォードワールの屋敷の建設は必要がない。この宮殿そのものが貴族達の居住区だ。小宮殿を王宮の離れに作らせアリス女王を囲い込む気なのだ』

 「アリス陛下、コルベール財務卿と一度、相談をしてみましょう」

 「ロイズ大法官。昔のようにアリスと呼んでいいのよ。あなたは私の家庭教師だったのだから。でも、ロイズに頼んでよかったわ。コルベール財務卿は強情で困るの。罷免させられないかしら」

 ロイズ大法官は、曖昧に微笑むとアリス女王の執務室を退室する。

 「コルベール財務卿か・・・」

 50代のコルベールは隣国の銀行家である。アリスの父親である前国王が王室の財政改革のために任命した平民である。

 ロイズは自分の執務室に戻ると机に向かう。そして、軽く目を閉じて状況を整理する。

 

 まず、この人物はロイズ・ロベルトと言う名前である。大法官は官僚のトップである。公爵家の三男で、伯爵らしい。大法官は、貴族以外が任命されることもある。ロゼリエッタ王国には、いくつかの貴族の派閥がある。貴族の派閥のパワーバランスを調整するために、宰相とは別に大法官が設置された。大法官は、不逮捕特権を持っている。貴族の派閥争いに巻き込まれ、政争で投獄されないように不逮捕特権を持つ唯一の官職である。

 アリス女王やこの国の貴族達は気づいていないようだが、大法官には、絶大な権力がある。

 平民の不満を逸らすために、減税や法案拒否権を官僚のトップの大法官に与えた結果、国王と同等、いやそれ以上の強大な権力を与えていることに、王室も貴族達も気が付かなかったのである。

 最大の誤算は、平民から登用される大法官に、王家の血を引く公爵家の三男であり、伯爵でもある大貴族のロイズを任命したことである。

 

 ロイズ大法官には法案の拒否権がある。宰相のフランソワ公爵やコルベール財務卿の提言でも拒否することが出来る。そして、国家元首であるアリス・ロゼリエッタ女王の提言も拒否することが出来るのだ。

 

 大法官は、大衆の王室や貴族に対する憎悪を和らげるため増税拒否権を持っていた。そして、現在進行形で先々代の国王による大宮殿の建設で、民衆は重税に苦しんでいる。

 

 この国では、歴史上、大法官が宰相や財務卿の増税案を拒否したことがあり、民衆からは人気があった。ロイズも潔癖な人柄を民衆から慕われていた。

 アリスは、自分が女王に就任すると自分の家庭教師だったロイズを大法官に任命した。ロイズなら、拒否権を使わないであろうと考えたのである。ロイズ・オリジナル・オリジナルと名付けよう、ロイズ・オリジナルの記憶を見る限り、アリスの処刑まで拒否権を使ったことはなかった。

 

 ロイズ・オリジナルは、10歳以上も年下のアリス女王を溺愛していた。恋愛感情もあったようだ。

 

 要するに、ロリコンか・・・。

 

 ロイズの頭の中にあるのは、ロイズ・オリジナル・オリジナルの記憶である。ロゼリエッタ王国の財政破綻、革命。ロリコン的に偏愛したアリスの処刑である。

 ロイズ・オリジナルの記憶は、アリスが処刑されたシーンで終わっている。

 テンプレ的には、財政破綻を回避し、アリスを処刑から救えば日本に帰還できるのだろうか?


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