壊れた表情
砂埃は大きくなり私の前で止まった。
私を見下すような口調で他の機体とは違う、青い機体は男の声で喋ってくる。
「赤い機体が私に勝てると思っているのか? さっさとかかってこいよ。つまらない話してる暇くらいだろ?」
「……あはっ、ははは――――!」
何だろうね、面白い! うん? 違う? でもいいや!
空に顔向けていた機体は、首だけをそちらに向けた。銃の構える音が聞こえた。
踏み込み、横にブーストをかけ走る。急ターンして、後ろに周り込んで蛇剣を横に薙ぎ払う。機体は素早く散開しようとしたが、遅い!
「どうですか、これが傲慢! 貴方は死にたがりですねぇ!? ……はぁ」
蛇剣を振り回し、機体を真っ二つにした。槍のアンカーを射出して飛ばす。そこに居た機体は腹を突き抜ける。槍を引っ張り、貫いた機体がエラの様に引っかかった状態で振り回して。叩き落として外し、ブーストをかけながら敵を蛇剣と共に切り裂いていく。
「あぁ……嗚呼っ、何故こんな! なんでこんな事に私はここで死ぬべきじゃない!?」
「あははっ! どうせ死なないやつが何を言う!? 私達の様に死に損ないでも無い貴方が、ゴミの貴方がこんな所で本当に死ねば!」
そういいながら、私は蛇剣で首を刈り取り。腹を槍で突き刺した。
部隊は全滅、寸前。死ぬ事は無いことも知っている。まぁ……どうでも良いけどね!?
部隊は、彼が部隊長だったのか。完全に意識を喪失していた。声が聞こえてるのは、絶望の響き。だがどうでもいいね。私は機体を切り刻んでいく。
私は、全滅を感じて溜息を1つする。奥から魔城の方から機体が走ってくる。
「なんじゃこりゃ、グロくは無いが……気持ち悪いな」
「あっはは! 君も並びたい!? なら、今すぐ!?」
「断る! ここに来たのは場所をずらせと言う命令だ」
つまらない、つまらない! でもしょうがないね~、なんでだろう~、なんでだろうね。しょうがないわね、しょうがない。
「ふぅ……それでどうしたの。いきなりこっち側に着いて」
「やっと戻ったか、少しずれるだけだ。陣を完成させる」
「へぇ……なぁら! ……ごめんなさい、まぁいいわ全員じゃないけど言いなさいよ」
精神を抑えきれない!? ……どうでもいいけどね、いや。ん? いやいや、どうでもいいわ。あはは!?
「良くそんな状態で保ってられるな」
「ふふふ、ははは!? 貴方だって同じじゃない!? サアなんとか」
「サアランドだ! まぁ、俺は行く」
ふふふっ? まぁ何で彼も同じだって~? それはね、彼の特徴~がね~。
ダメね、これ以上はいえな~い。面倒くさ……ははは!
ゴミの処理って誰やるんだろう!? 誰だろう? 亡霊? 魔城? 絶望? 混沌? 誰だろうね~!
ま、まぁまぁまぁ!? 落ち着きましょうか。
おかわりですよ~。いや~大変でしたね? でした。これからだよね……。
私の表情は、4つの顔に別れているように。涙を流したり、笑ったり、歯を噛み締めていたり、歪んでいたりする。
もうそれは人に見せれる表情ではなく、綺麗な顔は醜い悪魔の様な顔になっていた。
4方向からの砂埃が見える気がする。




