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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す! 第一部 続き分  作者: Zassouyorifumetsu
第9章 天魔躍動す、北海を巡る謀略
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第125話 足平陸佐の調査報告

天明さんの話を聞いていた私だったが、

アテナさんと足平さんたちが到着し、

このお寺に避難した人たちを漁港のほうへ移動させることになった。


5人ほどいた隊員さんたちも手伝い、

お年寄りや大きな荷物を抱えた人達をお寺から連れ出す。


アテナさんが漁港からの道のりを改めて調査し、

安全は確認したらしい。


如月さんはともかく、足平さんの説得には必要だったらしく、

彼女はその実力の一端を彼らの前で示し、納得させたとのこと。


ただそれでも、漁港に停泊中の船から拠点は移していないらしい。


留守を固める隊員たちには一層の警戒監視が指示されている。


その要因は、船に戻った後の皆を交えた情報共有の場で明かされた。


島の人の避難はそれほど大変ではなかった。


というのも、皆、漁師として鍛えられているのか?

満足に動けないお年寄りという存在はいなかったのだ。


荷物の過多はあったが、

それはあそこに避難している時点で移動に無理が無かったということ。


所々で島の若い人や隊員の人たちが手を貸すことで、

大幅な時間短縮が可能だった。


実際、あとの会議で足平さんが驚いたと発言していた。


普通は避難者の中には歩くための補助がいる人が複数いるそうだ。


特に今回は避難所であるお寺がちょっとした山の中にあった。


普通はかなり避難に苦労を強いられる。


そして、隊員さんが聞いて回った話だが、

避難者の中には90を超えるお年寄りも複数人いたそうだ。


お年の割に、一応に足腰が丈夫。


また島に本格的な医療施設が存在しないことも分かった。


島では昔ながらの民間療法が使われていて、

今まで食べすぎなどの一時的な症状を除き、

重症患者が出たことはないらしい。


隊員さん達の聞き取りは続いているが、


今回の本題はそこにはない。


ちなみに島の人たちには、

漁港側で木内さん達が船で調理した食事が振舞われている。


うむ、巡視船の任務は海上警備などあるので、

食事するために陸に戻るわけにはいかない。


あとこの船は古い型だが、それでも調理器具は揃っている。


というか、この任務のため急遽揃えたのだ。


島の状況も分からない状態なのだから、

島民の避難時に使えるように。


私達と如月さん達は情報共有の為、操舵室に集合することになった。


まず、私達が推測したリゾート開発事案を話してみる。


「なるほどなあ、あの教祖なおっさんが主犯格濃厚か。」


足平さんがそう言うと、


如月さんが、


「まだ決まったわけではないけどね。」


とその言葉を訂正する。


続いて、足平さんからいくつかの捜索結果が伝えられた。


「お前さんらが集落へ向かったあと、

 俺らは先に調査に来ていた海保の船と不審な民間船を調べた。」


「まず海保の船だが、乗組員はいなかった。

 ただ、船長のものと思われるメッセージが残っていた。

 それによると、島へは俺たちと違って異常なく来れたらしい。

 ただし、漁港には島民らしくない男たちがいたらしい。

 衣服なんかは漁師風ではあったが、

 ガタイが一般人とは違ったとある。」


「メッセージには何らかの監視員兼警備の可能性を指摘されていた。

 搭乗していた部下が漁港に下船して、聞き取りしていたところ、

 港に所属不明な民間旅客船が入ってきて、

 態度が一変したそうだ。

 既に下船していた部下が無力化され、人質になったとあった。

 その後、一時的な膠着状態になったが、

 何故か船の電子機器がダウンし、航行不能になり、

 外部との無線連絡なども出来なくなった。

 人的被害を抑えるため、船長は降伏することになったとある。

 このメッセージは後に来るであろう調査隊に事を知らせるために、

 残したようだ。」


ううむ、海保って、アメリカとかで言う沿岸警備隊だよね。


巡視船には機関砲とか装備しているし、

銃の類は持ってなかったのかな?


その疑問に、


「うぅん、海保の連中も訓練は受けてるぞ。

 まあ本格的に戦闘部隊とかとやり合うには不足かもしれんが。

 それは状況と装備の差だ。

 不審船相手に海の追跡劇とかしたりするが、

 さすがにミサイル積んだ戦闘艦船とやり合うのは無理だろう?」


「今回の場合がどうなのかわからんが、

 相手がそれ相応の装備を持っていたら?」


「日本じゃあり得ん話だが、

 携帯ロケットでも向けられたらさすがになあ。

 それに聞き取りに出た乗組員も怪しいかもしれんと思ってはいても、

 いきなり銃を構えて下船するわけにもいかんだろ。」


「このメッセージはこれで終わりだ。

 マジックでこいつは紙に書かれて、操舵室のゴミ箱に捨てられていた。」


「最近の奴らはスマホとかは没収するが、

 ごみまでは見ないらしい。

 まあ、どうしたって外に無線が通じないんだから、

 油断とも言えんがな。」


「そいで、次にあっちにある不審な旅客船だが、

 かなりの人数乗っていた形跡がある。

 食料等の生活物資も結構な日数分積んでいた感じだな。」


「乗ってたのはかなりの金持ち連中だろうな。

 船の外装はそうでもないが、中に入ったら分かると思うぞ。

 かなりの金がかかってる。

 あれは改装してあるな。」


どうして乗ってる人達のことが分かるんだ?

教団の仲間とかでは?


「それだけで判断はしてないぞ。

 まあ全部じゃないが、ゴミ箱とかも洗いざらい漁った。

 この辺じゃ手に入らない高級菓子の包みやら箱があったし、

 調理場と思われる場所には空になった高級な酒の瓶もあった。

 調理された生ごみなんかもあったが、高い食材使ってんな。」


「ここから道内にある紙絵法教とやらの本部まで、

 船じゃそんなにかからんだろ。

 移動があるったって、陸の移動がほとんどだ。

 そんな食事を振舞う必要なんてないだろう?」


その言葉を受けて、


「要するに、日本の何処か遠方から旅客船は来たということよ。

 教団の人と言っても、皆が皆、裕福なわけじゃない。

 また仲間だったら、そんな歓待しなくてもいいはずじゃない?

 つまり、旅客船に乗っていたのは、

 各地から集まったお客さんだと推定されるわ。」


”何のためにか?は分からないけどね。”


そう如月さんが纏めた。

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