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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す! 第一部 続き分  作者: Zassouyorifumetsu
第9章 天魔躍動す、北海を巡る謀略
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第116話 封鎖された地 調査隊結成

霞が関の霊的災害対応室から移動になった私達。


今回呼び出した関場さんと共に、

北海道に敷設された捜査本部へと向かうことになった。


道内の小さな町に本部は設置されているそうだ。


どの辺りの何市かは教えてもらえなかった。


安全保障上の問題から全ての情報は限りなく制限されていた。


それは私達を信用していないという訳でなく、

情報とは意図せずとも漏れるという経験則からだそうだ。


また私達の持つスマホ等も、既に関場さんの部下によって、

回収された。


この事案が終わり次第、返してもらえるそうだ。


東京から北海道、移動は電車かな?

と思っていたら、神奈川県まで車で移動して、

そこから船で現地へ向かうそうだ。


なんでも、現在自衛隊の基地に島に乗り込むための船を、

用意しているそうで。


用意しているのは護衛艦ではなく、

旧式の海上保安庁の船だそうだ。


最新式じゃないのかって?


今の船は大体がレーダーやら電子機器を搭載している。


場合によっては、衛星からのデータとかと連動していたりする。


電子機器などが故障したり、誤作動を起こしたりするのを避ける意味で

なるべく、そういうモノを排除して向かいたい。


しかし、民間の漁船等を借り受けて現地へ向かうことはできない。


当たり前だが、陸自の小隊が同行するのだし、

それでなくとも、現地はどんな状況なのか分からないのだ。


ある程度の食料や飲料水、そして燃料を持っていきたい。


とりあえず2週間分を積載し、

陸自用の特殊装備を積むには、通常の船では無理だった。


この要求に答えてくれたのが、

関西圏で廃船になる予定だった海保の船だった。


大きさは漁船などとは比べようもないものだったし、

今時、衛星測位システムも付いていない。


改修するより新造する方が楽だと言われ、

小さな漁港に留め置かれていた船が、今回異例の抜擢を受けた。


車で基地内に停泊する船近くまで移動したのだが、

既に色々な物資が次々と船へと運び込まれていた。


おそらく、件の陸自の小隊だと思われる、

十数人の迷彩服の人達が、コンテナ類を複数人で移動させている。


船の外観はというと、船首方向に機関砲らしきものが見られ、

何かのアンテナ類も付いている。


しかし、ちょっと向こうにある自衛隊の小型船と比べると、、


まあ、今回は電子機器がないほうがいいとのことで、

この船が選ばれた。


大きさも結構なものだし、

古いといっても簡単に沈んだりしないだろう。


しかし、沢山物資を積み込むのだなぁ、、


そんな疑問が顔に出ていたのか、

関場さんについてきた秋鳥氏が説明を加えてくる。


「あの物資は島民への援助分だ。

 もし仮に船で脱出できないなら、島の漁業にも影響があるだろう。

 農産物も作ってはいるそうだが、

 主要な食料は魚と道内からの物資だろう。」


「私達が気づいてからもう4日以上経つ。

 島の食料も安定していないだろう。

 道内の街から海を隔てているが、たったの10kmだ。

 いつでも物資は手に入るからな。

 万が一の備えも2、3週間くらいだろう。

 いや、1週間と数日分くらいあればいいのかもしれん。」


そんな言葉に関場さんが、付け加える。


「私たちもだが、君達もあの船で現地対策本部へ向かうことになる。

 航海可能か一応の確認のためだ。

 あの船は今、各装備を再配置している。

 電子機器が無くても、航海できるようにな。

 幸い、旧式な船だ。

 電子機器との連動などの設備は配置されていない。」


「最低限、海を渡れればいい。

 たった10kmだ。

 一応島での調査用に発電機なども積むが、

 通信機器が役に立つかは不明だ。」


「短距離でのドローン偵察などできればいいが。

 最悪島で得たデータをPCに保存して戻ってきてもらうことになる。

 ただ、それが出来るなら、

 護衛艦も海保の船も行方不明にはなっていないだろう。」


「君らに最優先してもらいたいのは、島との連絡手段を復旧することだ。

 あの船は旧式だが、別に指向性アンテナを備えた通信機器を運び込んである。

 設置等は陸自隊員がしてくれる。

 ただ、それでも駄目なら君らの出番だ。

 障害を取り除いてくれ。

 できるでけ平和裏にな。」


そう言って、船のほうへと歩き出す。

近くまでくると指揮を担当している自衛隊の人に話しかける。


「よお、どうかな?足平3等陸佐どの。」


関場さんの知り合いなのか、そう声を掛けられた恐らく士官な人は、


「はあ、関場、またお前んとこの仕事か!

 くそ、お偉方は、

 俺たちをアメリカさんの海兵隊と間違ってるんじゃないか!」


そんな投げやりな態度で嘆く足平さん?

歳で言えば30後半くらいか、鍛えられた精悍な男性だ。


「あんたのところに見込まれてから、

 日本中を転戦だ!

 やれ、鬼だ悪魔だと漫画じゃないんだぞ!

 40過ぎて金が貯まったらこんなところ辞めてやるからな!」


そんなセリフに関場さんは、


「ははっ、それは困るな。

 その前に私のところで囲い込まないとな。」


などと返している。


その言葉に足平さんは、


「はあ、冗談抜きで今回は無理はしないぞ。

 対象の安否が確認でき次第、連れ帰る。

 事件の解決は最優先にはしないからな。」


「この前のこともある。

 化け物が出るなら、海自や空自にやってもらえ。

 アメリカさんにもタレこめば、何とかなるだろ。」


”護衛艦を何とかできる奴とこんな装備で戦えるか!”


「で、こっちのお嬢さん方は何者だ?」


と矛先を私達に向けてきた。


「今回のゲストだ。

 詳細は船で話す。」


そんな答えを言い、二人はしばし歓談している。


正直場違いな私達は居心地が悪いが、

そんな時間も束の間、

船から整備士と思われる人物が現れこちらへと歩いてきた。


「整備は終わったぞ。

 はあ、今時電子装備全てを遮断できるようにするってか!

 海で漂流しても知らんぞ!」


その整備士はどうやら関場さんらの顔なじみらしい。


「やあ、木内さん。

 いつもお願いを聞いてもらってすまないな。

 今回もちょっと特殊でね。」


と関場さんは答える。


木内と呼ばれた男性は、

50代の大台に乗っていそうな整備士さんだ。


ぱっと見た印象では、気難しそうな職人さんのように見える。


どうやら、船の準備は終わったようだ。


しかし、今からもうレーダーとか使えないのか?


それでここから北海道まで行けるのか?


「ふむ、不安そうだね、お嬢さん。」


不意に横合いから声を掛けられた。


その声に振り向くと、自衛官の正装らしき服を着た女性がいた。


「おお、如月2等海佐どの。

 今回、船を指揮するのはあんたか!」


足平さんがそう言って、笑顔で彼女を迎えた。


人間関係の把握が追い付かないが、

40後半に見える穏やかそうなこの女性が海自のベテラン士官なのだろうか?


「今回の調査の指揮を執ることになる如月だ。

 一応、2等海佐だ。」


どうやら、今回の調査メンバーが出揃ったようだ。


関場さんが最後に指揮系統を話してくれる。


調査隊指揮を如月さんが、陸自の戦闘指揮を足平さんが、

そして、サポートに木内さんという整備士さんが入る。


海自から船の運航要員が3名、陸自小隊が12名、

そして整備士さんがやはり3名入るそうだ。


船の航行には陸自の人も協力するし、

現地では整備士さんをサポートして現場指揮所を設置する。


陸自の小隊としては正規人員よりずっと少数だし、

整備士さんたちも実は陸自の部隊員だそうだ。


調査員がいないって?

それはこの一団が強行偵察部隊として働くからだそう。


詳細は分からないが、事はもう起こっているし、

最優先は人命の確保。


護衛艦と海保の人員、

そして、島民に定期船の人という民間人の避難に目途を付ける。


それと今から行く北海道の捜査本部には、

この手の事件に入るゲストが待っているそうだ。


出来たら、問題の解決もしてもらいたいが、

どうにもならないなら後は自衛隊が引き取る感じになるそうだ。



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