↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す! 第一部 続き分  作者: Zassouyorifumetsu
第9章 天魔躍動す、北海を巡る謀略
PR
44/57

第115話 封鎖された地 鬼鳥島

中々にスリルある夕食会を終え、

翌日には東京へと出発した私達。


今回は通常とは違い、国からの依頼ということで、

出張に近い特別業務扱いだ。


どこが特別なのかって?

今回の依頼は、所長からの見立てでは危険が想定されている。


霊的災害対応室からの依頼とは、もう既に起こってしまった事件に対し、

何等かの対応を迫られた時に発生するそうで。


要するにもう異常現象により、

何等かの被害が出ている現場へと向かうことになるのだ。


京都を出て数時間後、再び霞が関の霊的災害対応室に辿り着いた。


今回は応接室ではなく、

刑事ドラマの捜査本部のようになった会議室に通された。


ホワイトボードに幾つもの写真が貼られ、

その横に何かの情報が書かれている。


そして、古そうな文献から最近纏められたと思われる幾つもの資料。


それらが会議用のテーブルに広げられ、

何人かの職員さんが情報の整理をしているようだ。


そして、私達を出迎えたのは前回同様、関場さんだった。


ただ今回、彼の横にはどこかの事務官のような男性が張り付いている。


「やあ、こんにちは。

 天明さんに、クランベリーさん、後は七福さんだったかな。

 岐阜の件からまだそんなに経っていないのに、

 呼びつけてすまない。」


「それとこの間の件について、報酬を出したが、

 満足いただけたかね。」


そんな言葉を掛けてくる関場さんだったが、

横に付いている男性が彼に何かの目配せをする。


「はあ、今回もまた急を要する事態でな。

 何も知らない官僚共から早急に対処するよう催促されている。」


「さて、紹介が必要だな。

 こっちの政務次官殿は 秋鳥 はじめ という。

 今回の件について政府側から私達に付けられた首輪のようなものだ。」


首輪??

私がその言葉に首を傾げていると、


「ふん、この間の件からやっと世論が落ち着いてきたところだ。

 今回の件で再び蒸し返されたくないということでな。

 あまり派手に事を起こさないよう、政府側から監査官が付けられた。」


秋鳥と呼ばれた男性は、鋭い目つきを私達に向けてきた。

年齢的には40前後といったところか?


しかし、海千山千な官僚社会で生き残ってきた、

そんな ”らしい” 雰囲気を醸し出している。


「関場さん、話を進めてもらいたい。

 あと、女性ばかりみたいだが、大丈夫なのかね。」


特に私達への挨拶もなく、不躾にそんな言葉を発した彼。


「今の段階はあくまで原因調査だろう。

 我々はまだ状況把握の段階に留まっている。

 もし前回のようなことが発生しているなら、

 君らの手配した戦闘部隊の出番じゃないかね。」


「一応彼女らは前回の事件の功労者であり、

 京都で指折りの研究施設に勤める身だ。

 こういう件にもある程度慣れているそうだ。

 調査にはうってつけの人材だろう?」


ふん、

関場さんの言葉に胡散臭いモノをみるように鼻を鳴らす秋鳥氏。


その様子を見ながら関場さんは現在の状況を説明してくれた。


「北海道の10kmほど東に鬼鳥島という小さな島がある。

 一応、島には100人程度が住んでいるのだが、

 今回の調査はここが舞台だ。」


「事件は1週間前に起きた。

 もともと海上交通手段に乏しい島なのだが、

 近くの海域で任務中だった海上自衛隊の護衛艦が消えた。」


「他国との交戦などの物騒な事案も考えられたが、

 そんな事態ではなかった事は既に確認済みだ。

 海域を捜索したが、艦船の残骸や戦闘行動の痕跡などは、

 発見されなかった。」


「だが、捜索に当たっていた海保の船が再び行方不明になった。

 そこで一旦捜索を中止し、

 情報をまとめた結果が鬼鳥島に関するものだった。」


「消えた護衛艦の航路を捜索すると、丁度この島付近を通っている。

 また消えた海保の船は鬼鳥島の島民に事情を聞くため派遣されていた。」


「そして、慎重に調べ直した結果、

 島と道内を繋ぐ定期船が欠航しているとのことだった。

 週に一度、定期船は島へ生活物資と人を運ぶ役割をしているそうなのだが、

 3日前に島へと出航した船が戻らず、定期連絡も取れないそうだ。」


その説明に、アテナさんが不思議そうにする。


「そういう事情だと聞いてもな、

 そもそも上空からも海上からも島に接近しているのだろう?

 特にそれが分かる前に幾つかの捜索隊が送られたはず。」


アテナさんの疑問に、


「確かに送られた。

 だが、そのどれもが途中で引き返してきた。

 海自の捜索ヘリも、海保の船も、

 航行用のレーダー等に異常が出たそうだ。」


「今も異常が出る水域を測っているのだが、

 その中心には鬼鳥島があるのだよ。」


「普段ならそこまで事は大きくはならないのだが、

 今回は護衛艦がまるまる一隻消えている。

 最低限とはいえ、武装を展開できる艦の失踪だ。

 海保も海自もこの事態を重く受け止めているようだ。」


「現時点で、鬼鳥島との連絡手段は途絶している。

 行方不明の艦船もそうだが、この島の住民らの安全も確認できない。」


「こういう事例が起こり、想起されたのがこの前の事件だ。

 白羽の矢が私達に向けられた。

 科学的検証で答えは出ないが、我々なら何か出来る事があるかもしれん。

 前の事件で私達は少々活躍しすぎたのかもしれんな。」


そんな言葉に私は具体的に何をするのか聞くことにした。


「ええっと、そもそもその島には近づけないのですよね?

 島に近づこうにも、電子機器の異常が発生するということで。

 どうするんです?」


そんな質問に、


「そうだな。

 少なくとも空からは無理だ。

 航行用のシステムに異常が出れば、最悪墜落する。

 だが、海上から小型船で近づくことはできるかもしれない。

 衛星などからの情報通信は期待できないが、

 そもそもから航路自体の算出は可能だ。

 陸からもそれほど離れてはいないからな。」


「今回の作戦には海上自衛隊のベテラン士官と陸自の水陸特戦隊が、

 参加する。

 二重遭難は避けたいので一小隊だけだが。

 彼らが君らの安全を全力で守ってくれる。

 その約束だったな、秋鳥政務次官殿。」


その言葉に、秋鳥氏は頷く。


「民間に犠牲を出すわけにはいかん。

 だが、島民の安全も確保しないとならん。

 今回は止むを得ん。」


そう答え、どこかへと連絡する秋鳥氏。


つまり、私達は自衛隊に守られながら、

通信の途絶した島へと乗り込むのか?


これって、毎回大事になってきた伏線なのでは?


だって、今回は最初から自衛隊が護衛についてくるんだぞ?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。