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第7話「雑魚スキル。」

「模擬戦、か。」

思わず呟いてしまった。

初対面の時、アイリスに「雑魚スキル」と罵られたが、実際アイリスのスキルを俺はまだ知らない。


ちなみに普通の魔法は魔力がある限りは誰でも使えるが、魔法系のスキルとは、そのスキルの所有者にしか使えない魔法か、通常の魔法の強化版を使用することができる。

また、魔法は初級魔法、中級魔法、上級魔法、特級魔法の4段階に分かれている。

中級魔法までは基本的に誰しもが使えるが魔法を。

しっかりと鍛えている人でなければ上級魔法は使えず、特急魔法に関しては一つの国に10人程度しか扱うことができない魔法だ。

またこのレベルまで来ると、魔法を使う側にもデメリットが生じてくる場合がある。ただ、その分、魔法系のスキルを持つ人間にも勝る魔法が扱えるというわけだ。


アイリスが俺の向かい側に立ち、構えの姿勢を取った。


もしアイリスが「魔法系」だった場合、彼女は貧民だから中級魔法までしか使えず、スキルをうまく使いこなすことは現段階では考えづらい。


アイリスに次いで俺も構えの姿勢を取る。


また、アイリスが「物理系」だった場合、「身体強化」などなら、女の子の身体能力を強化したところでという話なので、俺にも勝ち目があるだろう。


ヴァルドが試合の開始を告げる。


他の可能性として「治療系」と「操作系」があるが、「治療系」だった場合はとても助かる。自分の傷を修復して、ゾンビ戦法されると困るが。

一番厄介なのは「操作系」か。

「操作系」のリスクを考えて近距離での戦闘は避けるのが最適解だな。


アイリスが一気に間合いを詰めてくる。

詰めるということは、それだけ隙も生まれる。

俺はその瞬間を待ち、後ろへ下がり続けた。

やがてアイリスは追うのをやめる。

「さあ、次はどう来る?」

アイリスは木刀をじっと見つめていた。

……何か仕掛ける気か?

次の瞬間、アイリスは鋭く俺を見据えると、手にした木刀を一直線に投げつけた。

木刀は俺の横を通り過ぎる。

当たらない。

――外した。

武器を失ったアイリスへ、俺は一気に踏み込む。

いける。勝てる。

間合いに捉え、全力で木刀を振り下ろした。

しかし、一瞬遅かった。

背後から風を切る音。

投げたはずの木刀が、まるで意思を持つように軌道を変え、俺の首を打ち抜いた。

俺の一撃が届くより、ほんのわずかに速く。

アイリスが、かすかに笑う。

「やっぱり、雑魚スキル。」

視界が暗く沈んでいく。

……そうか。

俺はほとんどスキルなしで戦っていたようなものだった。

そのことを思い出したところで、意識は闇へと落ちていった。



「おはよう。」

目が覚めると、アイリスが煽るようにして言ってきた。

ん?この姿勢・・・

急いで体を起こすとアイリスの膝枕だった。


ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(悶絶)


人生(前世含む)初の膝枕を一瞬で終わらせてしまった。

俺としたことが、やってしまった・・・。


アイリスは自分の格を見せつけようと言わんばかりに自分のスキルの説明を始めた。

「私のスキルは、【通常操作】。半径10m以内の物体を自由に操作できるわ。」

ふーん。別に悔しくなんかないし?



悔しくないって言ってるだろ!


ヴァルドが俺たちに近づいてきた。

「今の二人の実力がなんとなく掴めた。少し早いが、今日の訓練はここまでにしよう。

明日に備えてな。」


一体何をさせるつもりなんだ・・・。

「明日から山に籠る。二人が上級魔法を使えるようになるまでな。」

え?

だって、アイリスは・・・。

「あの、私は魔力量の上限が低いので上級魔法は使えないんですが・・・。」

「そんなことはない。」


いや、そんなドヤ顔されても。

「ってことで、山に行く準備しとけよー。」

そういいながらヴァルドは一足先に帰っていった。

残された俺たちも帰ることにした。


アイリスとの帰り道、アイリスが自分の過去について話し始めた。

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