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第5話「転生系の定番」

「円環術式──《アルカナ・サークル》」


詠唱とともに足元へ幾何学模様が走り、光の線が幾重もの円を描く。回転する魔法陣は一つ、また一つと重なり、空間そのものを支配するように展開された。

次の瞬間、色違いローブと大剣使いの足元に新たな魔法陣が展開される。

そして、二人の足元からくるぶし、膝・・・と順に消滅していく。

二人の叫び声が聞こえる。

そして、再び静寂がホールを支配する。

「この教会はしばらく燃えるだろう。すぐに出るぞ。」と、ヴァルドは女の子のほうを抱えて俺に指示を出した。

女の子の方はというと、意識がないわけではないのでとても顔を赤らめていた。

(初対面の時からは考えられないな・・・。)


教会の外では人がかなり集まっていた。

そのため、中にいたことが悟られないように裏口から出ることにした。


教会の騒動を聞きつけたのか両親は家に不在だったので、二人を家に上げた。

するとすぐに女の子が自己紹介を始めた。

「私はアイリス=フレイヤ。」

そうか。そうだよな。普通、自己紹介の時はフルネームだよな。

「前にも言った気がするが、アレン=ベオウルフだ。」

アイリスは顔を傾げた。

まさかコイツ。覚えてないのか・・・⁉

「俺はヴァルド=ヴェイパーだ。一つ聞かせてくれ。なぜアイリスはあいつらに捕らえられていたんだ?」

アイリスは顔を俯かせた。答えたくないのか、答えられないのか。

沈黙に耐え切れず、声を発したのは俺だった。

「ヴァルドさん。かなり強かったですね。これからは敬語で呼ばさせてください。」

相手に合わせて態度を変える、これが俺のやり方だ。

「好きにしろ。」


さて、これからどうするか。

「アイリス、お前は誰かに戦闘の技術を学んでいるか?」

ヴァルドが思いもよらぬことを口にした。

「いえ、まだいません。」

「なら、明日からコイツと共に俺のもとへ来い。」

アイリスは快諾した。そりゃそうだ。あんな大技見せられた後だもんな。


次の日

昨日はいろんなことがあったな、と思いながら朝の支度をする。

家を出ると、既にアイリスとヴァルドがいた。

教会が燃えてしまい、今日はアイリスの家の庭でやるようだ。

歩きながらアイリスの話を聞いていると、いろいろわかったことがある。

まず、アイリスの家庭はこの世界での身分の貧民にあたること。

父親が土地を少しだけ持っており、生活が苦しくなったら売るように、と残して他界しているらしい。そのため、まだ売っていない土地のスペースを使って十分に稽古することができるそうだ。

また、貧しいながらも必死に養ってくれる母親を手伝いたくて毎日一人で訓練を積んでいるそうだ。

前世の俺と少し重なるところを感じた。


余談になるが、この世界の人々には、貧民・平民・貴族という3つの身分が存在する。

そして魔導大国セレスティアでは、国が管理する巨大な『魔核』が国中の魔力を生み出し、すべての国民へ絶えず供給している。


しかし、魔核が一度に生み出せる魔力量には限界がある。そのため国は身分ごとに、一人あたりへ供給できる魔力量の上限を定めている。

貴族には多く、平民にはそれより少なく、貧民には最低限しか供給されない。

つまり貧民は、十分な魔力を必要とする上級魔法を発動したくても、供給量そのものが足りないため使用できない。


また、人は魔力を体内に蓄積することはできない。魔法を使う際は、魔核から送られてくる魔力をその場で消費する。そのため、一度に供給される魔力量の上限が、そのまま扱える魔法の限界となる。


ここがアイリスの家の庭か。確かに訓練をするには十分なスペースがある。

最初に口を開いたのはヴァルドだった。

「二人とも。よく聞け。7年後お前ら二人には学校に行ってもらう。」


転生系の定番キター!


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