第44話「戦い、再び」
目の前にいるセレナ思わず聞く。
「この1日で何があったんだ?」
俺は寝ていて何が起きていたか全くわかっていない。
セレナがゆっくりと口を開く。
「放課後までは、いつもと同じだったの。
でも、学校が終わった後黒いローブを着た人たちが校内に表れて…。」
黒環結社か。
「それで、皆は?」
「先生の指示で地下シェルターにいるわ。
でも…。」
セレナの目に涙が浮かぶ。
「シヴァ君が…。」
シヴァ⁉
「シヴァがどうしたんだ?」
「シヴァ君が皆の逃げる時間を稼いでて、私はアレン君を探すように頼まれたの。
シヴァ君の部屋にいるからって。」
やはり、俺を運んでくれたのはシヴァだったのか。
「…それで今、シヴァは?」
セレナが首を振る。
「わからない。」
シヴァ…。
いや、アイツが一人で戦うとは考えにくい。
きっと、アイリスが、ルカが、一緒にいるはずだ。
――頼む。
そうであってくれ。
俺はセレナにお礼を伝える。
「ありがとう。
おかげで現状が把握できた。
セレナは地下シェルターに向かっててくれ。」
そう言って、俺は立ち上がる。
が、地面に倒れてしまった。
「アレン君、私もついていくから。」
…どうする。
確かに今の俺じゃ、一人で戦っても勝ち目がない。
だが…
「ダメだ。
俺はセレナまで守り切れない。」
「アレン君一人じゃ、まず自分が守れないと思うけど?」
…正論だ。
「ちょっと待ってね。」
セレナが【幻奏】を使う。
その時、体が嘘のように軽くなる。
「…すごいな。」
「アレン君、いい?
本当の疲労は消せてない。
一時的に感じなくしてるだけ。
だから、無理しちゃダメだよ。」
俺は頷く。
「分かった。
…セレナ一緒に来てくれ。」
こうして、俺とセレナの二人でシヴァを救出しに向かった。
クロードが言っていたもう一人の黒環結社の人間。
そいつが、シヴァと戦っていると考えるのが自然だ。
俺たち二人は、まず体育館に向かった。
だが、いつもと違った様子は見られなかった。
続いて、食堂。
ここにも変わった異変はない。
グラウンドにも寮にも変化はなかった。
「…ということは、」
俺の言葉の続きをセレナが代弁する。
「校舎…だね。」
そうして、セレナと共に校舎に向かった。
各階を順に探していく。
3階まで探した。
階が上がるごとに壁のひび割れがひどくなっていく。
最後は4階。
4階は、1年生のフロアだ。
すると、廊下に倒れるアイリスがいた。
「アイリス‼」
急いで近くに駆け寄る。
呼吸はある。
意識を失ってるだけだった。
安心したのも束の間。
背後から声が聞こえる。
「まだガキがいたか。」
「さっさと処分して、リリア様と合流するぞ。」
振り返ると黒いローブを着た二人がいた。
違う、コイツ等じゃない。
こんな体格のヤツにアイリスが負けるわけがない。
すると、黒環結社の二人が勢いよく剣を振りかざしてきた。
どちらも片手剣。
その瞬間、セレナが一人に【幻奏】を使う。
動きが固まる。
その間に俺は、もう一人を相手する。
「《閃連》」
相手の腹をめがけて、拳を突き出す。
連続して叩き込まれる拳によって、相手が吹き飛ぶ。
セレナの方も無事に倒せたようだ。
全身が麻痺するような幻覚でもかけたのか?
すると、奥から真っ赤なローブを着た女性が現れる。
そして、開口一番こう告げられる。
「おや?
少しは楽しめそうなガキもいるじゃないか。」




