第33話「結果発表」
「コース3。い、1分12秒⁉」
他のコースに並んでいた生徒たちが一斉に振り向く。
周りの教師たちも集まってくる。
「1年生でこの速さ・・・。」
「・・・歴代最速じゃないか?」
セレナが勢いよく抱き着いてくる。
「アレーン!」
「ちょ、ちょっと⁉」
その瞬間
パシッ!
セレナが腕を掴まれる。
セレナが振り向く。
アイリスだった。
「・・・離れて。」
笑っている。
でも全然笑っていない。
残念そうにしながら、セレナが下がる。
ルカが駆け寄ってくる。
「アレン、すごい強くなったね!
最後の魔法、どこで覚えたの?」
「入学するまでの間、図書館で借りた「初級魔法全集」で毎日鍛えたんだ。」
俺は、ヴァルドの訓練が終わった後も、毎日努力を継続し続けていた。
その後、全てのペアの模擬戦が終わり、結果発表が始まった。
「まずは、3日間の技能測定、ご苦労だった。
今年度の1学年技能測定では、上位5名がSランクに上がることができる。」
上位5名か・・・。
残りの説明を要約すると、こうだ。
“魔力制御”の採点方式は初日に行われた3種目、各100点満点で、計300点満点。
“身体能力”の採点方式は2日目に行われた5種目、各50点満点で、計250点満点。
“模擬戦”の採点方式はゴーレムを全て倒しきれていなければ、0点。
コース1の満点は100点。
コース2は200点。
コース3は300点。
6分以内に倒しきけれていれば満点。
また、3分以内で倒しきるとコースの難易度に関わらず、50点以下の加点が与えられる。
「では、5位から発表する。」
グラウンドがこれまでにないほど静まり返る。
「5位、ピアス=ケインボルト。」
ピアスか。
確か入試の実践試験以降会ってないな。
ってか、アイツ強かったんだ・・・。
「4位、カイル=アルディス。」
どこからか舌打ちが聞こえる。
うわ。
この前ダル絡みしてきたヤツじゃん。
「3位、アイリス=フレイヤ。」
やっぱりか。
アイリスがランクインするのは想定内だ。
だが、そろそろ厳しくなってきたな・・・。
「2位、シリウス=レイン。」
嘘だろ・・・。
首席越えがいるのか・・・。
いや、落ち着け。
模擬戦で歴代最速タイムを俺は出したんだ。
「1位、」
頼む。
アレン=ベオウルフ、来い‼
「1位、ルカ=グレース。」
ルカの喜ぶ声が聞こえた。
悔し・・・。
別に1位を取ろうとしていたわけじゃないけど、周りの人たちの多くがランクインしていく中で俺は出来なかった。
俺はこの人たちの隣に立つ資格はないんじゃないか。
そんなことを考えてしまう。
でも、この感情が俺を動かしてくれる燃料になる。
だから、努力するしかない。
俺は、学校にある図書館に向かった。
「初めて来たけど・・・広すぎだろ。」
日本の学校の体育館の4倍はあるんじゃないか?
俺は既に何の本を借りるか決めていたので、迷わず図書館内を歩いていく。
着いた。
天井に吊り下げられた板にはそこに置いてある本の分類が示されてある。
<上級魔法類>
そう書かれた板の下を歩いていく。
「上級魔法理論書」、「上級魔法総覧」、「上級魔法全集」。
どれも似たり寄ったりだな・・・。
すると、一際古そうな本を見つけた。
革張りの表紙はひび割れ、角は長い年月に削られて丸くなっている。
金色だったはずの装飾はほとんど剥がれ落ち、それでも中央に刻まれた文字だけは、かすかに輝きを残していた。
「術式構築論」
術式構築?
興味本位でページをめくる。
そこには現代の常識とは異なる考え方が並んでいた。
「魔法とは、魔力・術式・イメージの三要素によって成立する。
術式とは先人が編み出した魔力の流れであり、現在流通している魔法は、その術式を模倣したものにすぎない。
術式を理解し、魔力の流れを自在に設計できる者は、新たな魔法を創造できる。」
さらに先には、術式を設計するための基礎理論が図とともに解説されている。
•属性同士の干渉
•魔力圧縮率
•詠唱の役割
•術式の安定条件
最後に、太字でこう書かれていた。
「すべての魔法は、既存の術式を組み替えることで生まれる。」
思わず息をのむ。
「魔法・・・作るか。」
少しでも面白いと思ったらブックマークや下の評価★★★★★をお願いします!




