第13話「過信」
「あなたは何者なの。あらゆる本を図書館で読み漁ったけど、この前使っていた「円環術式」だけは見つからなかった。」
マジでこの人の謎が多すぎて怖い。
「当たり前だ。「円環術式」は俺が作ったからな。」
は?
いや、怖い怖い。
もう、何なのこの人。
「だが、図書館の本にも載っているぞ。」
「でも、昨日すべての本を読み漁ったわよ。」
「まだ見てない本があるだろ。「禁忌魔法録」。」
この場に、衝撃が走る。
嘘だろ・・・。
「禁忌魔法録」とは、この世の禁忌魔法のすべてが載っている本だ。
禁忌魔法について説明すると、「決して使ってはいけない魔法」。
それだけだ。
使った者には、かなり重い処罰が下されると聞くが、実際のところ、定かではない。
「あの時、あなたは私たちを助けるために何のためらいもなく「禁忌魔法」を使っていたわけね・・・。」
そういうことになる。
「ためらう必要はない。「禁忌魔法」ならほぼ確実に相手を葬れる。証人を残すことができない。」
俺らが今、証人だけどな。
「二人が証人にはなれない。5歳の主張をまともに聞いてくれるところはどこにもないからな。」
そうだった。
本当にこの人の底が知れないな・・・。
「これで話は終わりでいいか?
今日の訓練を始めるぞ。」
そんなこんなで毎日があっという間に過ぎ去った。
気づけば入試本番まで3ヶ月。
ただ、俺たち二人は明らかに成長していた。
学んだ魔法も増えたし、身体能力も向上していた。
「眠。」
いつも通りの時間に起きて、支度をして家を出る。そこまでは何ら変哲もない一日の始まりだった。
だが、家を出ると8人の人間が立っていた。
全員ローブを着ていた。
「何が目的かな?」
少し余裕ぶってみせる。
この三か月で、俺は確かに強くなった。
だからこそ、自分でも気づかないうちに、その力を過信していたのかもしれない。
――だが、現実はそんなに甘くなかった。
その瞬間、全身が急に重くなる。
「なんだ、これっ!」
足に力が入らない。
立っていることすらできず、そのまま地面へ倒れ込む。
それでもまだ体は重い。
いや……重さが増している?
このスキルを使っているのは、あの色違いのローブだ。
前回は灰色だった。
だが、今回は紫。
まるで全身を押し潰されるような重圧。
骨が軋み、今にも折れそうだ。
苦しい。
誰か……助けて……。
視界がゆっくりと暗く染まり始めた、その時だった。
見えない何かが、次々とローブたちを薙ぎ倒していく。
ああ……。
ヴァルドが来てくれたんだ。
そう思ったのを最後に、俺の意識は闇へと沈んでいった。
目が覚めると、広場だった。
「ありがとう、ヴァルド。」
そう言いながら体を起こすと、目の前にいたのがヴァルドではないことに気づいた。
「・・・ルカ?」
少しでも面白いと思ったらブックマークや下の評価★★★★★をお願いします!




