肉泥棒とご対面(2)
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〜おさらい〜
美味しいお肉を食べようと王都に来たミア一行。
だが、どこの肉屋も売切れで愕然とする。
以前に食べた肉屋の店主曰く、第三王子が根こそぎ奪っていったという。
それを聞いたミアたちは、ガチギレし、肉泥棒にカチコミ、となった。
渦中のウーシー肉は、平民街では大人気の肉。口に入れたらトロけることから、飲める肉とキャッチフレーズまでついている。
肝心の味は、おくちも心も幸せになる美味さ。一度食べたら誰だってやみつきになる代物だ。
さらにウーシーは乳牛でもある。
よってウーシーから作られる牛乳やチーズなどすべてが絶品だ。
ウーシーを手に入れたら、とりあえずお肉!
薄くスライスして焼肉か、贅沢に厚く切ってステーキか、最近栽培し始めた竜髭菜を使って肉巻きも捨てがたいなぁ!
ミアは食に貪欲である。
魔法を酷使してまでも作ろうとするほど、拘りが強い。
「……。」
わたしは、相棒たちにバレないように袖で口元を拭いたのだった。
走ること数分。先行するビーちゃんが止まった。
扉の前には、とても護衛には見えない、もやしみたいな身体のひょろ男がひとり。
見た目で判断しちゃいけないのは、わかっている。
だけど、相手がいかに強くても、1対3だ。間違いなく勝てる。
ービーちゃんに任せるの〜!
言うが早いか、ビーちゃんがその護衛の周りをキラキラと舞い、唄い始めた。
「光魔法発動〜おねんね〜ねんね〜ころ〜り〜よ♪」
すると、彼は1分も経たずして、こくりこくりと頭を揺らし始め、気持ち良さそうに寝息を立てた。
ビーちゃんは続けて、鼻ちょうちんを割ったら(割れたら)解除する魔法をかけていく。
眠り魔法と解除指定魔法。
美少女妖精お得意のダブル魔法である。
振り返って渾身のドヤを顔するビーちゃんに、サムズアップして返す。
あとは、開錠だ。
ークロ、ここ開けられる?あ、壊さないでね!
ー誰に物を言っている。俺様は秒で開ける。
ーびょ、びょう?!
ビーちゃんにライバル意識でもあるのだろうか。
クロの魔力がぶわりと広がり、自信満々な金眼が光った。
ビーちゃんといいクロといい繊細で綺麗な魔法を紡ぐなぁ。でも、もう少し見惚れさせてよね!
悔しげな視線を送っていると、キィと僅かに音を立てて扉が開いた。
ー肉泥棒を捕まえろ〜!
ー肉はどこだー!
相棒たちが張り切って室内に侵入する。
わたしは、さっきのもやし君から拝借した重い剣を構えて叫んだ。
「肉泥棒め!わたしたちが成敗してくれよう!」
ちょっとキザ過ぎたらしい。
チクチクと痛い視線を送ってくる相棒たちに背を向けた時だった。
「…熱の…よ、我が…に……敵を……尽く…、………!」
どこからか、ボソボソとか細い誰かの声。
すそれが詠唱だと気づいたころには、目の前に炎の塊が飛んできていた。
ーミア!危ない!!
ー避けろ!!
「ひぇっ!!」
わたしは、瞬時に頭を抱えてしゃがみこんだ。
チリっと燃えるような音と、焦げたような臭いが鼻をつく。
何度触っても変わらない髪の感触に、心底安堵する。
間に合った、とホッとしたのも束の間、頭上から声がかかった。
「…え?ミア?」
え、だれ。
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