できるの?できないの?
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ミアは、話し言葉のみ「ひらがな」です。
読みづらくてすみません。
肉屋がどこも開いていないって、どゆこと?
何度目をこすっても、何度ほっぺをつねっても、変わらない光景に唖然とする。
まったくの想定外だ。
しかし、わたしは諦めない。
絶対に絶対に、今日、みんなでお肉を食べるんだから。
原因を探るべく、わたしはポカンと口を開けたままのジン兄の袖を引っ張って、この間の串屋へと向かった。
「おっさん、もう一回言って?肉が何だって?」
ジン兄、落ち着いて。血走る目が怖いよ。
震えるおじちゃんから話を聞くと、第三王子が串肉をいたく気に入って、王都内のお肉を買い占めた、だから今どこにも肉はないとのこと。
王族だったら何をしてもいいわけ?!
そもそもそのお金は、民から搾取したものだ。
血と汗と涙の税を「美味かったから」で買い占めるなんて横暴過ぎる!
ー許さん。俺様奪い返しに行く
ービーちゃんのお肉を奪った罪は重いよ〜!
こちらも怒り心頭である。
「待って、国が滅びるから落ち着いて」と二匹を静めるが、第三王子へのお仕置きは決定事項である。
空腹だから、冷静さを失っているとかではないよ。
本当だよ?
ーで、その第三王子はどこにいる
ーどっち〜?早く行こう〜!
いつの間にか仲良くなった二匹を横目に、ジン兄の威圧でガタガタと震えているおじちゃんに擦り寄る。
「おじちゃん、だいさんおうじの、おうち、おしえて?」
わたしは、にっこりとその顔を覗き込んだのだった。
*
わたしたちは、第三王子が住む離宮へと向かった。
平民の踊り子を一目で見初めた王が、彼女のために造らせた宮らしい。
王は彼女を大層可愛がり、すぐに子を成したが、出産と同時に亡くなったという。
ギルバードと名付けられた王子は、現在9才。
見目麗しく、学も剣も魔法の才にも優れているんだって。
さて、どうやってお仕置きするかな。
ジン兄が爆走するリアカーに乗りながら、作戦を練る。
ー宮をぶっ壊す
ーいいね〜大賛成〜
止めて。それだけは止めて。
楽勝なのが、目に見えてわかる。
宮が壊れたりしたら、賊の侵入かと疑われるよね。
できれば、穏便な方法がいい。
うーん。
王都の知り合いの、カンナさんの食堂の一家(取引先)と、ギル様(商家の倅と言ってたけどたぶん貴族)と、その護衛のアルト様(一向に手紙をくれない薄情者)を頼るか迷うなぁ。
腕組みをしてさらに考えること、数分。
ふと、思いついた。
お仕置きは、くすぐりの刑でお肉の入手方法を聞くにしよう!
美味しいあのお肉が、どこで手に入れられるかが分かれば、取り放題。
解体はグロいから、薄情者に頼んで業者を紹介してもらおう。
ふっふっふ。我ながらにいい案だ。
ーねぇクロ、アルト様の匂い辿れない?
ー俺様は犬畜生じゃない
ーできるの?できないの?
ーやったことない
ーお肉のためだよ?できない?
ーやる
危ない危ない。できないだなんて言ったら、やれってお尻蹴るところだった。
わたしの相棒は、素晴らしいね!
わたしは嬉しさのあまり、クロを抱きしめた。
「ぶ、ぶ、ぶぇーっくしょん!」
同時刻、アルトは急に悪寒がして盛大にくしゃみをしたのだった。
第三王子は以前登場しました、ギルバードです。
忘れちゃった方は、ep17「第三王子ギルバード」をお読みください。
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