肉肉肉。肉が食べたい
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「……飽きた」
突然、ジン兄が呟いてフォークを置いた。
(どうゆうこと?)
(いつもならおかわりするよね)
(おのこし、してる)
(…えっと…)
アクア、テオ、ロッテ、ジェシカがそれぞれ心配する中、みんなの視線を集めた彼女が口を開いた。
「あんた何様?!丹精込めて作ったってゆうのに、残すわけ?!」
あちゃ〜、また痴話喧嘩が始まっちゃった。
喧嘩するほど仲がいいっていうけれど、この二人、まだ付き合っていない。
大事なことなのでもう一回言う。
まだ付き合っていない!
いったいいつになったら進展するの。
おじいさんおばあさんになっちゃうよ。
ジン兄のへたれさに、もはや怒りすら感じる。
「聞きまして?こちらの彼女、丹精込めて作ったと言いましたのよ?」
「えぇ!わたくしの耳にもそう聞こえましたわ!」
「愛するあなたのために作った、と捉えても?」
「えぇ!えぇ!間違いないですわ!」
と、ここに貴族の令嬢がいれば、うふふきゃっきゃと盛り上がったかもしれないが、ここは孤児院。
そんな盛り上がりなど皆無である。
はぁ〜。
わたしは、盛大にため息を吐いて、机の下から彼の膝を力の限り蹴った。
「いててっ!食べる食べる!飽きたってだけ!その、野菜だけじゃ、こう活力が出なくって。」
「活力なんて知らないわよ!元気がないの?!」
「元気!元気!俺はいつも元気!」
「じゃあなによ!どうして欲しいわけ?!」
合図を出したっていうのに、この分からず屋め。
どうしたらいいものか。
あーでもないこーでもないと、考えに耽っていたときだった。
「……ミアも肉食べたいよな?!な?」
「ぷえ!?」
おい、なんでわたしに話を振った。
変な声が出たじゃないの。
実は、わたし、前世からお肉が大好き。
焼肉のタレだけでごはん三杯いけるくちだ。
ちなみに、この世界で初めてお肉を食べたのは、ギル様とアルト様と出会った日。
いい匂いに誘われて、ギル様と串焼き屋をじっーと見ていたら、アルト様が黙って人数分買ってくれたんだ!
店主のおじちゃんは無愛想だったけど、「おっきくなれよ」って、わたしに大っきいのくれたの!
この身体に感謝。合掌。
串に刺さった拳大の塊に、えいや!っと豪快にがぶりついたら、肉汁が溢れる溢れる。
口の周りが速攻でべたべたになったけど、お構いなし!
トロけるように美味いお肉に、無言で頬張った。
もちろんクロにもあげたよ。
だけど、途中で満腹になっちゃって…。
残りは、まだ食べたそうなジン兄にあげた。
元の身体ならおかわりできたのに。くやしい。
思い出したら食べたくなってきた。
「…お肉…買う余裕…ない…」
院の家計事情を知るジェシカ姉が、ぼそっと呟く。
野菜を卸し初めてから、かなり収入は増えたのだが、お肉は魚のおよそ二倍も高い。
だから、平民はみんな肉より魚を選ぶらしい。
お肉好きのわたしとしては、肉が高いとか憎い。
にくだけに。にくい。
長くなりますので、途中で切りました。
次話お楽しみにお待ちください〜。
更新はいつだろ…。
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