回想〜ジンSIDE〜
入力途中で寝落ちし、目が覚めたら、全部消えてました…。泣
哀れな如月にどうか応援を。。
元聖女様の院長に拾われて、数ヶ月が経った。
古ぼけた家屋は、隙間風が寒く、雨の日なんかは最悪で、そこらじゅうで雨漏りだ。
なんでも修理する金がないらしい。
人伝に、孤児院には貴族から支援があると聞いた。
だが、俺が知る限り、うちには一回もない。
理由を聞こうとするも、院長が頑なに口を閉ざすからわからないままだ。
収入は、週に二度、院長が王都まで出稼ぎにいく分だけ。
家屋を直す分すらないんだ。多くはないだろう。
どうにかしたいが、どこも13才になるまでは雇えないと言う。
なんで13才なんだよ!12才も13才も変わらないぞ!
怒りを込めて、俺は今日もよくわからん水草を絞る。
出てきた汁を布に染めて売るのだ。
子どもたちみんなでやる内職だが、売れなきゃ小銭にすらならない。
投げ出したいが投げ出したら、もっとマイナスだ。
「あー!腹減ったー!」
俺は、雷のごとく鳴るお腹の音と共に、叫んだのだった。
♢
やっと念願の13才になった俺は、待ちきれなくて、明け方にギルドへ向かった。
冒険者登録さえ済めば、依頼が受けられるからだ。
その金で、院長とベルとチビたちに、もっと美味いもん沢山食わせてやるんだ!
生まれてすぐの鑑定では『風』属性だった。
もし、レベルが騎士団クラスだったらどうしよう!
貴族からスカウトがくるかもしれない!
でも、チビたちが心配だから、成人になるまで王都に住むのは待ってもらう!
あ!あと!ベルと一緒に住むのが条件だ!
脳内の妄想劇が止まらない中、俺は鑑定器に手をかざした。
結果、属性判定はやっぱり『風』、そしてレベルは『1』だった。
俺は頭が悪いんだけど、『1』ってさ『0』の次のこと?
だとしたら、すんげぇ低い…。
レベルを上げるにはどうしたらいいんだ。情報を求む。切実に。
それからいくつかの依頼をこなして、Eランクまであと少しとなったある日、恐れていたことが起きた。
依頼の失敗だ。
内容は至って簡単で、配達の依頼だった。
でも、中身が飲み物だってことをすっかり忘れていて。届け先に着いたときには…。
もちろん報酬はもらえず、罰金。
よって今日の稼ぎはマイナス。ただでさえ金がないっていうのに。
なかなかどうして思うようにいかない。
はぁ。みんな楽しみに待ってるだろうな。
俺のせいで、台無しだ。はぁ…。
重い足取りでの帰り道、俺は反省しかしてなかった。
院に着いてすぐ、手ぶらであることに院長に気づかれ、問いただされた。
「難しく考え過ぎですよ。あなたは、まだ子どもだもの。子どもは子どもらしくが一番。ね?」
怒られるかと思った。
頭を叩かれるかと思った。
でも院長は、優しくカサカサの手で頭を撫でてくれた。
思い返してみると、依頼中、今日の稼ぎであれを買って夕飯に、Fランクになったら、などと先のことしか考えていなかった。
目の前のことなど、全く見えていなかった。
「…そうだった。ありがとう、院長。」
俺は、潤んだ目をぬぐい、口角をあげた。
俺はまだ子どもだ。
今、目の前にあることだけを確実にやっていこう。
そう心に決めてから、依頼を失敗することはなかった。
俺とベルの成人の儀まで、残り1年を切ったあたりから、それに気づいた年長組が焦って肩肘を張る。
そんなとき言うんだ。
あの日俺が、尊敬する人からかけられた言葉を。
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