さらなる出会い
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まだまだ続きます!
案内された商店街エリアは、活気に満ちていた。
海鮮や肉の焼ける匂いが、お腹をくすぐる。
どうやら立って食べるのが流儀らしい。
出来立ての串肉を頬張る僕くらいの年の子ども。口から横一直線にソースがついている。
いいなぁ。僕もあんな風に食べてみたい。
ううん、食べよう!次いつ来られるかわからないし!
毒味があるから熱々を食べるのは無理かもしれないけど。
あ、ソースに種類があるみたい。
「ジン!オススメは何だい!?」
「…??も、申し訳ございません!ついさっきまで隣にいたんです!」
青ざめて平謝りするアルト。
16才にして風属性レベル4のアルトから気配を消してどこかに行ったらしい。
「説教は後!探すよ!」
ギルドから一押しされるだけあるな!
僕は、バクバクと沸き立つ鼓動を胸に、ジンの気配を辿った。
✳︎
「ギル様〜アルト様〜!」
探し人は、なぜか後ろから、なぜか幼女を抱いて現れた。そして背後には少女と猫もいる。なぜ。
「急に離れてすみません!2人を見かけてーー」
「挨拶が先でしょ!このおバカ!…おほほほ、失礼しました、私イザベルと申します。ジンとは幼馴染で、同じ孤児院のものです。ご一緒してもよろしいでしょうか?」
驚いた。
夫婦でもないのに男を対等に叱るのか。
庶民はみんなこうなのか?幼馴染だからか?
僕が今まで出会ってきた狡猾で毒気しかない貴族の令嬢とは違い過ぎる。
羨ましいなと感じていたら、風もないのに、何故か彼女のポニーテールがふわりと揺れ、赤いリボンが姿を現した。
ジン、君、何をしてるんだよ。
反省の欠片もないのか、と睨もうとしたら、もういない。
視界から消えた彼は、なぜか彼女の後ろに移動していた。
そして、そのリボンと自分の髪を交互に指刺し、僕を見る。
はいはい、分かった、分かった。
君がプレゼントしたリボンなんだね。
ジンは、こくんと頷くと、頭を掻き照れ始めた。
「…あの〜」
「あぁすまない、もちろんいいよ。ギルと呼んでほしい。一応貴族だけど、肩肘張らないでいいからね。こっちは護衛のアルト。」
僕は、アルトを肘でつつき、指示を出す。
「…アルト、です、よろしく。」
「よければベルと呼んでくださーー」
「だめなの!ジンにいと、ベルねえは、すきなひとが、いるの!」
ジンの腕から落ちるように下りた幼女は、そう言うなり僕らを睨む。
検討違いじゃなければ、ジンの好きな人はベル嬢だ。
しかし、そのベル嬢には好きな人がいるという。その相手はジンではないのか??
「…ベルに好きな人?…嘘だろ?…」
俯いてぶつぶつ言い出すジン。
ベル嬢は、吃驚して微動だにしない。
僕はまだ恋を知らない。
いつかは妻を娶らなければならないが、政略結婚だ。
うん、僕は恋愛相談相手にはなれないな。
アルトは幼女と猫を凝視しているし。どちらを撫でたいのかわからないが、こいつもだめだ。
「ねぇねぇ、ギルにいと、アルにいは、まちが、はじめてなの〜?」
ジンとベル嬢がまるで見えていないかのように、幼女が可愛らしく首を傾げて話しかけてきた。
第三王子の僕をギル兄と呼ぶだなんて、なんて憂い子だろう。
アルトは口に手を当ててぷるぷる震えている。
なんで震えてるのかは知らないが、護衛の仕事忘れてない?
「そうなんだ。何かオススメはあるかい?」
「いっぱいあるの〜。ミアしってるよ〜。」
幼女は小さな人差し指をさして、こっちに可愛いお花が咲いててね、あっちにキレイな川があってね、と拙い言葉で話す。
無邪気な笑顔にこっちまで頬が緩んだのだった。
ギルは王子口調と子ども口調を行ったり来たりしてます。まだ9才なので。
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