出会い
過去のエピソード改稿しました。
よければ間違い探し感覚で読んでやってください。
2年程前、何の前触れもなく起きたスタンピード。
あの後、遺された子が孤児だ。
まだ話せない小さい子は身元不明で、人数など到底把握できるはずもなかった。
国は、院長を募り、東西南北の一番街に院を設立。
といっても財政難により、崩壊していない家屋を修繕して使用許可を出すのがやっと。
各地域にひとつしかないため、すべての院は子ども達で溢れかえった。
支援は、毎月貴族に義務付けているが、彼らもまた生活があり、納税があり、物資の量に強制ができない。
そんな中でも、いつまた来るかわからないスタンピードのため、戦える者を増やさねばならなかった。
そこで王は、孤児が13才になると冒険者登録を課し、初回の属性判定を無料にして、ギルドや神殿に、掃除や配達などの簡単な依頼は毎日出せ、と命令を下したという。
*
「え?!俺に指名依頼っすか!?」
果実水をおかわりするか、おつまみも頼むか、しかし毒味が…と悩んでいると、階下から声がした。
どうやら来たようだ。
空になったジョッキと皿を見つめ続けているアルトの脚を蹴って、僕は席を立った。
用意してもらった部屋に入ると、ギルマスの横に少年がいた。
背丈は170センチはあるだろうか。赤毛の短髪が爽やかで、日焼けした肌が健康的にみえる。
孤児だというから、もっと痩せっぽっちかと思った。
マジマジと見る僕に、彼はニッと笑い、手を差し出した。
「ご指名あざっーー」
パァンッ!
少年が言い終わる前に、頭を叩く音が部屋中に響いた。
「申し訳ありません!お赦しください!」
直角に頭を垂れるギルマス。
本日2回目である。
っ痛!酷いっす!と頭を摩る彼に悪びれる様子はない。
王子であることは絶対に秘密にして、とギルマスに釘を刺したから知らないのであろう。
好都合だ。
僕は笑顔を繕い、自己紹介を始めた。
「名前はギル。一応貴族だ。隣は護衛のアルト。楽にして。堅苦しいのは嫌いだからーー」
「し、しかし!」
「ギルマス、僕は今ジンと話しているんだ。」
わからないかい?と睨んで黙らせる。
物言いたげなギルマスを無視して、僕らは外に出た。
*
ジンは、14才でEランクだという。
「冒険者ランクはF〜Aまであって、ランクアップには試験があってーー」
ジンに冒険者の制度を聞くも、すでに知っている。
むしろ、僕のが詳しい。
Bランクになると貴族から指名されたり専属護衛として囲い、Aランクになると爵位を与え辺境を守らせる。
公式にはAランクまでだけど、王族に伝わる書物によれば国の一大事にSランクが誕生するという。
伝説級に強いらしい。いつか会ってみたいな。
僕がふんふんと、適当に相槌を打っていると、ジンは次の成人の儀で孤児院を卒業しなければならないと言う。
「父さんも母さんもスタンピードで死んじまってさ。」
「……。」
よほど暗い顔をしていたらしい。
気にするな、とジンが頭を撫でてきた。
王族がもっと民を守れていたら、今頃…。
僕は、心の中で、すまないと謝るしかなかった。
エリザ孤児院は二番街にあります。そう、一番街の院にしか支援はないんです…。
ジンは料理長から恋愛指導を受けたとき、ギルマスも兼任していると聞き、知っています。




