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33 第二部 プロローグ
トニオは、不思議な扉の前に立つ人間を物陰から見ていた。いつものように山裾の畑を耕そうと、物置小屋から鍬を担いで出たそのとき、畑の中央に突然、赤い扉が現れたのだ。
「な、なんだぁ!あの煙は……」
トニオの畑の地面から赤黒い煙が噴き上がっている。
家事かと駆け寄ろう駆け寄ろうとしたが、様子がおかしいと気づき、足が止まった。
煙は、空に立ち上るでもなく、その場に留まりぐるぐると渦を巻き始めた。
そこから真っ赤なドアが出現したのだ。
息を呑んで見つめるうちに、ドアが開き始めた。
トニオは異様な出来事に息を呑み、あわてて物置小屋へ引き返すと、窓から赤い不可思議な扉をうかがった。
やがてその扉から子犬を連れた、おかしな服装の女が姿を現した。
その後も次々と人が出てくる。彼らは畑を見回しながら、何やらごそごそと話し始めた。
「他国の人間か。言葉がまったく分からねぇ」
その侵入者は六人だった。
彼らの一人が赤い扉に何かをしたようで、突然、扉は半分ほどの大きさに縮んだ。
あまりのことに、トニオは思わずつぶやいた。
「彼奴ら……北の国から来た魔族だ……」
彼は顔を青ざめさせ、このことを村長に知らせねばと、その場から逃げ出した。




