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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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98.旅立つ二人①



 そのままエリスは、冒険者の登録をする運びとなった。

 早速、二階にある受付に行って申請の手続きをおこなう。

 名前が呼ばれるまでの間、長椅子に座り待っている彼女はとても緊張している様子であった。


 既に俺は経験済みだが。このあと受付から呼ばれたら血液を採取し、魔法とやらで能力の鑑定と登録がおこなわれる。

 そのあと冒険者カードという札を受け取り、晴れて登録完了となるわけである。

 金属でできたその札には、小さい文字で個人の情報が刻まれており、色の違いでランクとやらを見分ける事ができるようだ。


 己の事ではないのに、どういうわけか俺も落ち着かない。

 この期に及んで尚、俺の下した選択は正しかったのだろうかと悩みはじめていた。

 だがしかし、もしエリスのやつが途中で無理そうだと音を上げるようであれば、その時は彼女の自由にさせてやれば良いだろう。

 俺は、あれこれ悩んだ果てに、結局そういった考えに至った。


 一緒に冒険者として旅をするからには、彼女にも戦う術を学んでもらわぬ事には話が進まぬ。

 取りあえずは、ボロボロになった服を何とかしてやらねばなるまい。

 戦う術を学ぶのであれば、彼女に合った武具も選んでやらねば。


 そんな事を考えていると、受付の方からエリスの名を呼ぶ声が響いてくる。

 益々緊張した様子になった彼女は、俺に対して不安そうな顔を向けていたが。そこは心を鬼にして送り出そうと俺は思った。


「さあ行け、エリスよ。お前は、森には帰らず俺と一緒に旅をしたいのだろう?」


 俺の言葉を受けたエリスの表情は、決意に満ちたものへと変わる。黙って頷いた彼女は、緊張した足取りながらも受付の方に歩いていった。


 半刻ほど長椅子に座り待っていると、ようやく登録を終えたエリスが戻ってくる。

 赤銅色の札を見せつけてきたエリスの顔は、とても誇らしげだった。


 札の色について説明すると、EランクからCランクまでがエリスの持つ札の色で区分されている。続いてBランクとAランクが銀。Sランクで金となり、その上は黒色のSSランクが最上位という事になっているようである。


 エリスの能力を見せてもらうと、容易く予想できていたとはいえ肉体的な強さはかなり貧弱なものであった。

 しかしながら、ある一つの項目を見て俺は驚きのあまり目を見開く。

 何となく想像はつくが、魔力とやらが魔法を扱ううえで大事な要素となるのであろう。その魔力とやらの項目が、彼女の場合500と示されていたのだ。

 因みに俺の魔力は、0と表示されている。


「いや~、驚きましたよ。エリスさんは、とんだ魔力の才能をお持ちのようてすね」


 後から付いてきた鑑定士の男が、俺に対してそう言葉をかける。俺も最近お世話になった人物なので、一応は見知った顔だ。


「エリスよ。お前は魔法とやらを使えるのか?」


 試しに俺はそう訊いてみたが。彼女の答えは否であった。


「それだけの魔力を持っていて、魔法の勉強をしたことがないと言うなら、然るべき場所で本格的に学ぶべきでしょうね。精霊との相性次第では、各国の王族から引っ張りだこになること間違いなしです」


 鑑定士の男にそう言われ、俺は再び悩みはじめてしまう。

 然るべき場所とは、寺子屋のようなものなのだろうか。俺が通わせてやる義理なんてものは当然ないが。帝国の役人に事情を説明すれば、厚待遇で抱えてもらい学費も払ってえるかもしれない。

 エリスの人生を考えたら、その方が良いのではなかろうか。


 そんな風に悩んでいると、エリスは急に大人びた感じとなって鑑定士の男に対して話しかける。


「鑑定士さん! この事は、内緒にしてもらえませんか? わたし、独学で勉強するつもりなんで! わたしにもし魔法の才能が有るとしても、偉い人の為なんかじゃなくて、この人の役に立つ為にその力を使いたいと思うんです」


 やはり、幼く見えても中身は十四の娘である。俺が考えていた事を、彼女もまた分かっていたのだろう。確かにその気がないのであれば、ここではっきりと口止めをしておくべきだ。

 それにしても、俺の為に力を使いたいとは。なんとも嬉しい事を言ってくれる。


「わかりました。ちょっと勿体ない気もしますけどね。エリスさんの意志も固いようですし、是非ともこれからご自分での勉強の方がんばってくださいね」


 鑑定士の男は苦笑いしながらも、エリスの願いに対しあっさりとそう答える。

 残念そうではあるが、原石を見つけた事を誇ったところで、自分には全く利がないとわかっているのだろう。

 そんな中、俺はエリスに遅れを取るまいと思い、彼女と共に己も魔法の勉学に励んでみようと心に誓った。

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