表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─4

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/126

92.異世界を翔る侍③



 西の森に行くこと自体は、それほど苦労はなさそうであった。

 魔物の出現が頻発している事に伴う依頼の増加で、必然的に仲間同士とみられる戦士風の連中が、ちらほらと同じ方に向かって移動している様子が窺えた。

 一応、受付の娘に聞いていた方向とも同じようだし、彼らもまた同じ場所を目指しているのは雰囲気的にいって間違いないだろう。

 時折そういった連中から聞こえてくる会話も、その件に関連する内容が殆んどであった。


 西の城門から出て街道を一刻ほど歩くと、ようやく目的の森林地帯が見える場所までたどり着いた。

 俺は、最も近くにある村には立ち寄らず、そのまま森の方へと街道の分かれ道を進んだ。


 依頼の内容は、ゴブリンと呼ばれる小鬼を十体討伐する事だ。報酬をもらうためには、倒した証として右の耳を切り落とし持ち帰るのが必須となっている。


 俺だけ何故か、天からの賜り物であるはずの武具は与えられていなかった。しかし、それについてアテュエルに訊ねてみたところ、代わりに腰に帯びていた刀の方を強化してくれているという話だった。

 武士として、普段から帯刀していた事は僥倖だったといえる。


 最初から俺が追放される事をわかっていたのか。ついでにこの世界の地図も、武具の代わりに置かれていたのだが。それについては追い出される際、帝国の連中に取り上げられてしまっていた。

 とはいえ、すぐにアテュエルの温情により、ステータス画面を開いた際に地図も確認できる仕様に改良が施される。おかげで余計な物を持ち歩かずに済むようになったのだから、却って良かったのではなかろうか。

 何事も良き方に考えれば、少しは気も楽になるというものだ。


 地図を確認すると、確かに現在地として西の森と村の中間地点を指し示している。小さな集落などは、その名前が表されていない事が玉に瑕だ。


 既に何組かの冒険者たちが、クエストとやらを始めているのか。森の方からは戦いの喧騒が響いてくる。

 森の中に入るとすぐに、緑色をした小鬼たちの片耳を切り取られた死体が、林道の脇に転がっているのを目にする事になった。


 それにしても奇妙なものだ。もののけの類いなど、物語の世界や噂話でしか聞いたことがなかったが。死体とはいえ実際に目にすると、改めてここが自分の居た世界とは全く別のものだという事を実感する。


 いくら大量発生しているとはいえ、この分では入り口付近の小鬼どもは、あらかた片付けられてしまっているだろう。そう考えた俺は、初心者である事も忘れて森の置くまで自然と足を向けた。


 一刻ほど林道を歩いていったが。進めど進めど死体ばかりで、生きた小鬼どもと遭遇する気配はまるでない。

 おそらく先に来ていた連中に、森の奥地まで追いたてられてしまったのだろう。


「今日は諦めるか」


 日も落ち始め、俺は一旦最寄りの村に向かうべきか考え始める。

 今日のところは村で宿をとり早朝から動き出せば、明日こそは何とかなるのではなかろうか。異世界の地に独り放り出されて早々、もののけ共が跋扈(バッコ)する森で野宿するなど考えただけでも身の毛がよだつ。


 もと来た道を戻る決断をした俺だったが。踵を返そうと立ち止まったところ、突然森の中から男たちの叫び声が響き渡る。

 横槍を入れるのはマナー違反だと受付の娘は言っていた。しかし、その声は危機的状況を思わせるものであり、明らかに助けを求めるものだった。


 俺は、後先の事はあまり深く考えずに、声のする方に向かって飛び込んでいく。

 助太刀いたす! そう格好良く登場するつもりであったが、時既に遅し。現場に到着した俺の目に飛び込んできたのは、数人の男たちが体中を無惨に引き裂かれ、バラバラになったその者たちの遺体が地面に散乱している光景だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ