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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─2

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78.わたしの相手はだあれ?



「そこまで!」


 アイシャの様子を見た族長により、試合終了の合図がかかる。どちらの勝利なのか宣言こそなかったものの、見てのとおり勝敗については明らかだ。

 住民たちにとって、あまりにも予想外すぎる結果だったのだろう。観戦していた者たちから、一斉にどよめきが巻き起こる。圧倒的な力の差を目撃し、みな口々に信じられないといったような事を囁きあっているようだった。


 アイシャは、顔面を紅潮させながら何故かその場にとどまり、何か言いたそうな感じでこちらをじっと睨み付けている。

 一旦は負けを認めたものの、やはり勝敗に納得がいかないのだろうか。ここまで彼女が見せていた言動からすれば、悔しくて即座にこの場を離れていてもおかしくはなさそうだが。


 全く動こうとしないアイシャを余所に、族長は俺たちの所に歩みよってきて判定の結果について告げる。


「見事だ、カケル殿! 民の前において、実力は十分に示した。ミコト殿と共に、遺跡への入場と探索を認めよう!」


 先程までの、挑戦者カケル、という呼び方とは違い何故かいきなり敬称がつく。

 実力を示した者に対してすぐに敬意を示すあたり、さすがは戦闘民族の長といったところか。


 結果について告げたあと、ガルフは右腕を上げて住民たちに向け解散の合図をする。先程まで何か言いたそうにしていたアイシャも、結局何も言わず族長と共にその場を離れようとした。


「ちょっと待ったーーーーっ!」


 解散する空気となり、慌てた様子で族長たちに向かって叫ぶアム。

 急に後ろから声がかかり、なんとなく振り返りはしたが。声の主が幼い見た目をした女の子とわかり、ガルフは明らかに困惑した様子でその場に立ち尽くしてしまう。

 そんな彼の元に、アムは両手の甲を腰に当てながら、ずかずかと歩み寄っていった。


「ハーフ翼人族(ハーピー)のお嬢さん、私に何かご用かな?」

「天使に向かってハーフハーピーとは失礼ね! あんな化物と一緒にしないで欲しいわ! まぁ、それは一旦置いとくとしてもさ。わたしの試合相手の方は一体どうなってるのよ?」


 当然といった感じでそう言うアムの言葉に、益々困惑した様子になるガルフ。しかし、彼はすぐに目の前の幼女が只者ではない事を悟ったようだ。


「このガキ、只者じゃないにゃ!」

「うむ、天使と言っていたようだが。確かにこの娘からは、ミコト殿と同じような異質な気を感じる。しかしだとすれば、相手が務まりそうな者など誰もおらぬ、という話になってしまうが」


 やはり相手によっては試練を受けなくても良い、というわけにはいかないのか。そうは言ったものの、ガルフはアムの問いに対する答えを躊躇う様子だった。

 そんな族長の悩む様子を見たアムは、不敵な笑みを浮かべながら提案する。


「実力を皆の前で証明すれば良いんでしょ? だったら、あの岩ぶっ壊しちゃっても良い?」


 そう言って彼女が指し示した数十メートル先には、草と苔にまみれた巨岩が鎮座していた。


「別に、壊せるものなら壊してしまっても構わないが」

「じゃ、決まりね。あの岩を破壊することで、試験代わりって事にしてもらっても良いでしょ?」


 はっきりと了解を得ていないにも拘わらず、アムは右腕を伸ばし手のひらを巨岩の方に向けた。

 何か魔法のようなものを放つつもりなのだろう。俺は、彼女の右手に強力な気が集中していくのを感じた。

 集中する気の量からして、かなり破壊力のある攻撃が繰り出される事が感覚として伝わってくる。


「いや、待て……あまりやり過ぎないようにしてくれないか」


 ガルフもヤバい事に気づいたのか、そう注意を促すが時既に遅し。


「アムリリエルビーーーーム!!」


 アムの手のひらから電撃を帯びた光線が放たれ、巨岩には直径1メートルほどの風穴が開く。

 一応、本人なりに威力をセーブしていたようだが、遥か先の地面に着弾した光線は大爆発を起こした。

 爆心地は数キロ離れているように見えたが。それによる爆風は、木々の隙間を抜けてこの場所にまで及んだ。

 爆発による強風はすぐに収まるものの、突然の出来事にギャラリーたちは皆その場に茫然と立ち尽くしていた。


「遺跡の探索は認めよう。ただし、頼むから我々の聖地を破壊するような事にだけはならないよう、なるべく派手な攻撃方法は控えるようにお願いできるか?」


 風穴の周りが溶岩となっている巨岩を見て、冷や汗を流しながらそう言うガルフ。

 アムは、すぐに「それくらいちゃんとわかってるから、そんな心配なんていらないわよ」と自信満々に返事する。

 しかし、呆れた顔をするミコトを見て、俺はこの先の不安を感じずにはいられなかった。

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