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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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68.ミコトの思惑



 認識阻害の機能がついたフェイスマスクは、絶大な効果を発揮してくれた。あれほど吸い寄せられるように次々とエンカウントしていた魔物どもは、家に到着するまで全く近づいてくる様子もなかった。

 帰宅直後その事をミコトに対して話したところ、彼女は意外な答えを俺に返してくる。


「認識阻害の機能が付いているっていっても、絶対というわけじゃないからね。一応、注意は必要だよ。まぁ、カケルにとっては、最適な組み合わせのアイテムだったのかもしれないけどね」


 そう言われてみると、確かにそのとおりかもしれない。

 ミコトの作った物であるが故に信用はしていたが、帰る際に念のため俺は空気のスキルも併用していた。


 レベルは現在10となっており、そろそろ気配を完全に消す事もできるのではないかと考えていたが。今朝出かけてから試しに使ってみた時は、それほど大きな効果を感じる事ができなかった。

 しかし、ミコトの言う事が正しければ、空気のスキルが全く効果を発揮しなかったわけではなく。互いに相乗効果を生んでいたという話になるわけだ。


「お昼ごはんを食べ終わったら、午後はちょっと付き合って欲しい事があるんだけど良いかな?」


 ミコトにそう言われ、俺は彼女が何をしたいのかすぐに察する。

 俺がアイギスをもらってからすぐに、彼女は中にいる天使が見たいと言って俺の(タマシイ)を覗いていた。

 そのままアムを消してしまうのかと思いきや、彼女とは対話をしていたらしく。それから一週間、ミコトは一心不乱に何かの製作に取り組んでいるようだった。


「さぁ、せっかく用意した昼食が冷めてしまうから、早くお食べよ」


 ミコトにそう促され、俺は昼食を取りはじめる。いつも思う事だが、亜神が用意する食事にしては至って普通のものだ。

 暖かい野菜入りのスープをすすり、何の肉かよくわからない骨付きの肉にかぶりつく。

 この後におこなう予定の事が、よほど楽しみなのだろう。ミコトは、妙に嬉しそうな顔をしながら俺をじっと見つめていた。


 食事を終えた俺に対しミコトはお茶を出しながら、この後の行動について伝える。


「お茶を飲み終わったら、すぐに二階に移動して作業を始めるよ。て言っても、そんなに時間はかからないと思うけどね」


 自宅の二階は、ミコトの作業部屋と倉庫があるだけだ。作業部屋だけに、当然そこで何かの製作をおこなっていたわけだが。完成するまで見られたくないという話だったので、俺は彼女が何を作っているのか全く知らなかった。

 しかし、どうしても気になった俺は、アムに対してそれとなく彼女と関連する事なのかを訊ねていた。

 その際にアムは、ミコトが宿主となる物を作ると言っていた、と話してくれたので何となく察しがついたわけだ。


『分離しちゃったら、召喚者としての能力も使えなくなっちゃうんだけどね』

『能力って言っても、大した能力なんて付与されてないじゃないか』

『なに言ってるのよ~。空気のスキルだって、さっきも当たり前のように使っていたじゃない!』


 アムの言うとおり、空気のスキルはかなり有益である。レベルも10に上がり、ようやく使いこなせるようになったタイミングで、失ってしまう事になるのは確かに惜しい。


「何となく察してはいるが、天使と分離したらスキルも使えなくなってしまうんじゃないのか?」


 俺は、堪らずミコトに対してそう質問する。最悪の答えを覚悟していたが、彼女の見解は俺を安心させるものだった。


「たぶんそれは大丈夫だと思うよ。カケルの場合、天使に付与されたって言うよりも、融合した事を切っ掛けに元からあった能力が開花したっていう感じじゃないかと思うんだよね。特に『思い出す』については、わざわざ表示されなくても、普通に自然と思い出していくものなんじゃないのかな?」


 言われてみれば確かにそのとおりである。思えば俺は、幼少の頃から周りの空気を察するのが得意だった。

 また、アムと融合する前から徐々に前世の記憶も普通に思い出していた。

 そう考えると、思い出すのスキルはアムとの融合によって付与されたというよりも、元から持っていた能力が単純に表示されるようになっただけなのではないか。


 お茶を飲み終えた俺は、ミコトに促されるままに二階の作業部屋へと向かう。

 ようやくこれで取り憑かれている状態から解放される。少し淋しいとも思うが、正直そちらの感情の方が完全に上回っていた。

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