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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─1

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60.ミコトの正体①



 あんな化け物じみた力を持つ存在が住む家にしては、かなり貧相な建物だ。おどろおどろしい感じの古城などを想像していたが、見た目は普通のログハウスである。

 一人で住んでいるのだろうか。建物自体もかなり小ぢんまりとしている。

 住まいだと言うわりに生活感などまるでない感じで、どちらかといえば隠れ家的な雰囲気だ。


「こんなところに、ずっと一人で住んでるのか?」

「とてもそんな風には見えないよね? 生活に必要な物は全部、使い魔たちに集めさせているし。お察しのとおり結界で守られているから、ここに居れば殆んど何もする事がないよ。出かけるにしても、気分転換を兼ねて町に買い出しに行くくらいだね」


 まぁ確かに、あれだけの力を持っているのだから、使い魔の一つや二つ持っていても不思議ではないか。

 必要な物を集めさせているだけに止まらず、家の事などもそういった感じのものにやらせているのだろう。

 実際こんな美少女が、薪割りなどをしている姿は想像できない。

 て言うか、町に買い出しには行くんだな。


「で、こんな場所に一人で暮らしながら、一体何を企んでいるんだ? まさか何の目的もなしに、隠遁生活をしてるってわけでもないよな?」

「まぁ、その事については、お茶をしながらゆっくり話すとしようか。カケルにだったら、ボクの事は何でも話してあげるよ」


 そう言って、俺を家の中に招き入れるミコト。

 やはり、使い魔に家事もやらせているのだろうか。玄関を入ってすぐ目に入ったダイニングは、整然としていて小綺麗な様子だった。


「そこに座って少し待っていてくれるかな。今、お茶を淹れてくるからね」

「お茶を淹れるのは使い魔にやらせないんだな?」

「大切なお客さんだしね。それに、お茶の淹れ方にはボクなりの拘りがあるんだ」


 ミコトは笑顔でそう言うと、キッチンの前に立ち作業を始める。といっても一瞬でポットに入れたお湯は沸き、いつの間にかお茶を淹れ始めている様子が窺えた。

 どうりで全く生活感が無いわけだ。何もないキッチンから急にお茶を淹れるセットが現れたところを見ると、それらは全て魔法か何かで出したという事なのだろう。

 水まで魔法で出せるのなら、確かに水道などの設備も必要がない。


「それでカケルは、召喚者って事でいいんだよね? それに加えてかなり珍しいケースだけど、天使と完全に融合していないみたいじゃないか」


 席について待っていた俺にお茶を出しながら、早速そう会話を始めるミコト。

 自分の事は何でも話してあげると言っていたが、この様子だと先に質問責めに遭うのは俺の方らしい。

 出されたお茶は見ため的に紅茶のようだったが、一口すすると独特の味と香りが口の中に広がった。

 エリスの屋敷で出されていたものも、かなり独特だったが。異世界だけに、そもそも使っている茶葉自体が違うのだろう。


「そうらしいな。俺の中にいる天使も、珍しいケースだと言っていた。そこまでわかっているのなら、もうこれ以上訊く事もないんじゃないのか?」


 そう訊ねる俺に対し、ミコトは不敵な笑みを浮かべながら話を続ける。


「天使と完全に融合していないと、あまりその恩恵を受ける事ができていないんじゃないのかな?」

「ずいぶんと召喚者の事について詳しいようだが。ミコトは一体、何者なんだ? 少なくとも俺の中にいる天使なんかよりもずっと、ヤバい存在のように感じられるが」

「そうだね。上位階級の天使でもなければ、ボクの方がずっと強いんじゃないかな。ボクが何者かについては、ご想像にお任せするよ」


 ミコトがそう答えるなり、アムは震える声で話し始める。


『実際に、上位天使並みの神気を秘めているのを感じるわ。たぶん、この世界の亜神かなにかね。そんなヤバいやつが、地上世界にいるってこと自体、普通あり得ない話なんだけど』


 天使とも会話をしているのは恐らくバレているだろうが、もはや隠す必要もないので俺はアムを無視してそのまま話を続ける。


「何でも話すって言っておいて、それはないだろ」

「カケルに話す事はあっても、ハーウェの天使に聞かせる話はないからね」


 すっかりその事を失念していた。確定ではないが、彼女はハーウェという神と敵対している存在なのかもしれないのだ。

 もしそうなのであれば、敵対する相手に自ら情報を喋る馬鹿もいないだろう。


『ハーウェって神は、この女に一体どんな恨まれるような事をしたって言うんだ?』

『恨まれるっていうか、ハーウェはこの世界に後から入ってきた存在だからね』


 それだけ聞けば十分だった。

 元から居た神々としては信者を奪われたのだから、良く思っていないのも当然である。


「やっぱりハーウェとは、敵対関係にあるって事なんだな?」


 このままでは話が進まないので、俺はミコトに向かってそうストレートに訊ねる。

 その問いに対する彼女の答えは、意外にも核心に迫るものだった。

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