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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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46.紅き月の狼



「切羽詰まっているみたいなこと言っていたようですけど。お二人には、何か困っている事でもあるんですか?」


 事情を訊ねるモードに入った僕に対し、エリスは反対の意思を示す仕草をみせる。僕の服を引っ張る彼女の表情は、明らかに関わるのはよしなさいよ、と言いたげな感じだ。

 しかし、どんな時でも僕に近づこうとする女性に対して怒りを露にする彼女に、少し辟易していた僕は構うことなく話を続けようと考えた。

 ペールブロンド美女の方は、やはりエリスの態度が気になるようで、僕の質問に対して答えようかどうかと迷っている様子だ。

 そんな彼女の気持ちを察した僕は、対話する用意がある事を示すためもう一度質問する。


「お力になれるかどうかは別として少し気になるので、良ければ僕たちに事情を話してはもらえませんか?」


 僕たちの力を必要としているのなら、当然迷わず話してくれるだろう。そう考えていた僕だったが。意外にもペールブロンドの美女は、この場所でこれ以上の会話を続ける気はなかったようだ。


「申し訳ありませんが、ここでお話できるような簡単な話でもないのです。それに、あなた方が悪い人間ではなさそうだという事がわかっただけでも、この度は十分な収穫だったと言えますわ」


 何をもって僕たちが、悪い人間ではないと判断したのだろうか。まぁ、実際のところ僕もエリスも悪い人間ではないと思うが。収穫という表現をした事から察するに、ここで永遠にサヨナラというつもりでも無さそうではある。


「場所を変えれば、話してもらえるって事ですか?」

「いえ、あなたが宜しくても、お連れのお嬢さんが乗り気ではない御様子です。それにきっと、この場所であなた方と出会えたのは運命だと思いますわ。ですので、どのみちまたお会いできるという予感しか致しませんの」


 確かに何度も御者に対して時間の変更などしているので、これ以上はさすがに悪いなと感じる。また、実際このあと明日の準備をする時間を考えれば、あまり悠長に見知らぬ人物たちの身の上話を訊いている余裕などない。


「わたくし共は、紅き月の狼というパーティーの冒険者親子です。わたくしの名はヴィラドリア。こちらは父のドラクです。以後お見知り置きくださいませ。それではまた、次にお会いできる日を楽しみにしておりますわ」


 僕の考えを悟ったのか。ヴィラドリアと名乗った女性は、品のよい笑顔でそう言い僕たちの元から去っていく。

 父だと紹介された頑強な男の方も、穏やかな表情で軽く会釈をしてその場を後にした。

 エリスは、厄介そうな連中からようやく解放された、といった感じで清々している様子だ。


「やっと居なくなってくれて清々したわね。それにしても、アイツら本物なのかしら? 話には聞いていたけど、実際にその名を騙る連中とは初めて会ったわ」

「騙る? どういう事? 紅き月の狼とか言っていたみたいだけど、そのパーティーってかなり有名だったりするの?」


 エリスの意味深長な言葉が気になった僕は、即座にそう彼女に問いかける。魅了の術とか使ってくる辺り、この世界に詳しくない僕からしたって、かなりあの二人が普通でない事くらい容易に理解できた。


「紅き月の狼って二人組の親子。千年くらい前に活躍したって言われているSランク冒険者パーティーなの。ところが定期的に活動実績が消えては、また現れるを繰り返していてね。その姿を目撃した者たちからは、騙りなんじゃないかって言われているわ。ここ何百年かは全く話を聞く事がなかったから、最近の若い冒険者なんかは知らない子が多いんじゃないかしら」


 そう要約して説明をするエリス。まぁ、あの二人がその名を騙る理由についてはよく分からないが、相当な実力の持ち主である事だけは確かだ。


 という事で、紅き月の狼について知識を得た僕は、次に冒険者登録がどんなもんなのかを知りたいと思った。

 もちろん実際に登録するつもりなど全くないけれど、せっかくここに来たのだから登録の流れくらいは見学しておきたいところだ。

 それだけ見学できたのなら、ここに関してはもう十分である。


 僕は、自然な感じで二階へと足を向ける。

 エリスも、それに関して反対する様子はなく。僕の後を黙ってついてきてくれた。

 僕と一緒だからなのだろうか。別に久しぶりに来たというわけでもないはずなのだが。エリスは、何故か二階につくなり感傷に浸る様子を見せはじめた。

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