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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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45.更なるトラブル



 これは不味い。トラブルは避けたかったのに、完全にやらかしてしまった感じだ。

 こちらはそれなりに上品な身なりをしているのだから、依頼をしにきた人間に対して失礼な奴だ、といった感じの事でも言っておくだけでよかった。

 しかし、挑発するような言葉を放ってしまった以上もう後戻りはできない。

 僕は、男との喧嘩に発展してしまう事を覚悟した。


 僕みたいな優男からそんな汚い台詞を吐かれ、エリスの肩に手を置いたまま唖然とした表情で固まる冒険者の男。

 どうせすぐ頭にきて、何かと因縁をつけてくるのだろう。そう僕は思い身構えていたのだが。

 何故かその男は、すぐにエリスの肩から手を退けると「わわっ、悪かったな兄ちゃん……慣れてないようだったから、教えてやろうと思って声をかけただけなんだよ」と言うなり、踵を返して仲間の元へと帰っていってしまう。その後ろ姿は、何故か辿々しい感じだった。


『あんまりにもムカついたから、自然と神気が表に出ちゃったみたいね。普通は完全に融合してないと、外に向かって出せないはずなんだけどなー。それにしても気絶するまでに至らなかったなんて、カケルちゃんのせいで私まで弱くなっちゃたのかしら』


 アムがいきなり、そんな意味不明な事を言ってくる。

 まぁ、何となくはわかるが。要はあれだ。彼女が言っている神気とは、なんとかの覇気みたいなものなんだろう。

 少し気になる事も言っていたようだが。理由はともあれ、男が何かしらの威圧を受け引いたという事だけは確かだ。

 兎に角、何事もなく迷惑な奴が去ってくれたのは本当に良かった。


「カケル……大好き!」


 僕が、男を追い払った事でスイッチが入ってしまったのだろうか。エリスは、そう言うと周りも気にせず完全にデレモードに突入してしまう。

 あんな連中が沢山あつまるような場所だ。そんな僕たちをやはり周りはほっとくはずもなく。なかなか強そうな体格の男を伴った女性が、明らかに僕たちに声をかけようといった感じでこちらに向かって近づいてきた。


「つかぬことお伺い致しますが、あなた方お二人はパーティーメンバーをお探しなのではないでしょうか?」


 ペールブロンドの長い髪に、深紅の瞳。エリスにも負けず劣らずな超絶美女は、そう僕たちに対して語りかけた。男の方はかなり病弱そうな顔色をしてはいるが、それを除けば頑強な体躯のいかにも強そうな男である。

 二人とも、冒険者にしてはまるで貴族でもあるかのような、とてもよい身なりをしていた。

 しかし、こちらに対する質問の内容からして、依頼をしにきた貴族というわけでもないようである。

 取りあえず、因縁をつけにきた感じではないみたいで良かった。


「いえ、ただちょっと、冒険者ギルドって所がどんなもんなのか見学しにきていただけなんです」

「見学しにこられたと言う事は、これから冒険者を目指そうと考えてらっしゃるのかしら?」


 僕の答えに対し、ペールブロンドの女性は紅い瞳を輝かせながらそう質問してくる。

 その様子から察するに、明らかに彼女たちはパーティーメンバーを求めているといった感じだ。

 帝国の庇護下から離れ、勝手に冒険者になるなんて事ができるはずもなく。丁重にその意思がない事を伝えようとしたその時だった。


「おい! 女! わたしの大切な人を誑かそうとするなら、この場で八つ裂きにしてやるが覚悟はできているんだろうな?」


 確かに普段から、他の女性と少し会話をしただけでも機嫌を損ねてしまうエリスだったが。どう考えても相手は、僕だけに興味がある感じではないように見える。言ってみれば、これは仕事の話みたいなもんだ。

 それなのに、ここまで怒るなんて。この女性がとんでもない極上の美女である事が原因なのだろうか。


「やはり気づかれてしまったようですわね。貴女の大切な人を、誑かそうなどというつもりは毛頭ございません。あなた方の力が本物かどうか、少し試させてもらおうと思ったのですわ。わたくしの術に簡単にかかってしまうようでしたら、お声がけするのをやめようと考えたのです」


 ペールブロンド美女の話を聞いて、少し落ち着いた様子になるエリス。ある程度の冷静さを取り戻した彼女は、その女性のやり方に対して苦言を呈する。


魅了(チャーム)の術をかけるなんて、やり方が乱暴すぎるだろ! こちらが怒るのは当然だ!」

「申し訳ございませんでした……それだけわたくし共も、切羽詰まった状況に置かれているという事なのですわ」


 魅了の術をかけられていたなんて、全く気づかなかった。彼女の事を極上の美女だと思っていたのは、僕がその術にかかってしまっていたせいなのだろうか。

 それにしても彼女が僕たちの力を見抜いて、その状況とやらを打開しようと考えたのは確かである。


 聞くだけなら、事情くらい聞いてあげても良いのではないか。

 そう考えた僕はエリスを気にしつつも、少しだけペールブロンド美女と話をしてみる事にした。

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