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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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42.エリスとの初デート③



 試着を終えた僕は、中にある鏡を見ながら自分の姿に惚れ惚れとしていた。

 馬子にも衣装とはよく言ったもんだ。これにプレートメイルなどを合わせて長剣でも携えれば、立派な騎士の完成である。


 エリスもきっと、カッコいいと言ってくれるに違いない。そう思いカーテンを開けた僕に対し、真っ先に声をかけたのは女性店員の方だった。


「すごくお似合いですよ。やっぱりスタイルも良くて、カッコいい人が着ると、服が『自分を選んでくれてありがとう』って言っているような気がしますね!」


 買って欲しいのはわかるが。営業トークにしたって、よくそんな事を恥ずかしげもなく平然と言えたものだ。

 エリスの殺気を感じ取った僕は、そんな店員に対し苦笑いを浮かべる。それと同時にこれ以上、余計な事を言わせまいと思い、即座に購入する意思がある旨を彼女に伝えた。


「旅の荷物はいくらでも持っていけるんだから、もっと他の物もいろいろと試してみたら?」


 そんなエリスの言葉に、店員は俄然やる気になったようだ。急遽その場は、ファッションショーと化した。


 今世におけるせっかくの初デートなのに、女性に服を買ってもらうなんて、まるで母ちゃんと買い物にでも来ている気分だ。

 そこの部分は少し残念に思いつつも、僕は勧められるがままに次々と服を試していった。

 結局そのあと気に入った物を数点購入した僕たちは、満足げに店を出る。店員も久々の上客だったのだろう。満面の笑みで僕たちを見送ってくれた。


「後は一階でポーションなんかを揃えれば、旅の準備は完璧ね!」


 エレベーターを待つ間、エリスは僕に対してそう話しかける。

 ポーションが必要なのはわかるが、装備品はこれで大丈夫だと言えるのだろうか。

 確かに僕の好みとしては、あまりゴテゴテに鎧など着けたくはないといった感じだが。とはいえインナーだけというのも、ちょっと寂しいような気もする。


「武器や鎧なんかは、買わなくても良いのかな?」

「それについては大丈夫よ! 屋敷の武器庫に、街では手に入らないような装備がたくさん置いてあるわ」


 なるほど、そういう事なら安心だ。三百年もの間、国の英雄として働く彼女が言うのだから、倉庫に置いてあるという装備品は相当レアな物であるに違いない。


 一階に下りた僕たちは、一時期あった何処ぞの国の観光客と見紛わんばかりに大量のポーションを購入する。

 何でも無限に収納できるバッグがあればこその、爆買いだといえた。


「それじゃ、商品はこの住所まで送ってくれ」


 その場でバッグに入れると驚かれるので、荷物は一旦エリスの屋敷に送ってもらうことにした。

 高価な商品を大量に買った事で、僕たちが金持ちだと思っているのだろう。また、届け先名を僕のものにしていたため、金持ち街の住所が書かれた紙を渡されても店員は全く驚く様子をみせなかった。

 後で届けにきた人間がエリスの屋敷だと知り、その時になってきっと困惑するに違いない。



 百貨店での用事を終えた僕たちは、そのあと少し街をぶらつく事にした。

 初の実戦訓練は一週間の予定だが。毎日ほとんどの時間を一緒に過ごすエリスとそんなに長く離れるなんて、今となってはかなり不安に感じる。それほど彼女に対する依存性は、僕の中で大きなものとなっていたようだ。

 そんな彼女としばらく会えなくなるのだから、ここはしっかりとデートを堪能しておきたい。


 帝都エルゼキシアは巨大な街だが、僕はまだ宮殿と貴族の住宅街周辺しか知らない。せっかくのデートなので、この際だからもっと遠くまで足を伸ばしてみたいものだ。

 そう思った僕は、何の気なしに馬鹿げた事をエリスに向かって訊ねる。


「そういえば、この世界には冒険者みたいな職業って有ったりするのかな?」


 異世界といえば、冒険者的な職業はマストだ。とはいえ、それは僕の世界の人間が考えた想像の産物であり、そんなものが都合よくこの世界に存在しているとも思えない。


「ええ、勿論あるわよ! わたし達だって、冒険者として二人で旅をしていたじゃない……」


 冒険者。ちゃんと存在していました。しかも、慎十郎だったときに、エリスと二人でそれをしていたなんて。これはかなり衝撃の事実だ。


「へぇ、そうだったんだね。ごめん、そんな事も忘れてしまっていたなんて」

「いいのよ。前にも言ったけど、ゆっくり時間をかけて思い出していってもらえればそれで良いの」


 そうは言いつつも、最初の言葉からして彼女が少し悲しい気持ちになっている事は容易に想像できた。


 彼女の為にも、早く全てを思い出してあげたい。

 そんな気持ちと単純な興味から、僕はエリスに対してある提案をしてみる事にした。

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