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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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40.エリスとの初デート①



 明日からいよいよ初の実戦訓練が始まる。今日はその準備をおこなうために、エリスと二人で帝都の中にある一番大きな百貨店で買い物をする予定となっていた。

 というわけで現在、僕たちは馬車に乗って駅に向かっている最中である。

 僕の希望もあって馬車で直接向かわず、鉄道を使って目的地に行く事にしていた。


 人口が二百万人の都市である帝都には、魔法を動力とする鉄道が網の目のように張り巡らされている。

 他の各都市とも繋がってはいるが、現在は本数が限られており厳重な警護のもとで運行されているらしい。

 線路の破壊工作も頻繁に起こるため、その度に危険を冒して復旧作業がおこなわれている。

 そのため物流は滞り、帝国内の物価はかなり高くなってしまっているようだった。


 今はまだ、闇の帝王の軍団が本格的な侵攻をしてこない為なんとかなっているようだが。小規模な魔物の侵入は度々起こっており、流入した魔物の軍団を統括する拠点が各地に増えつつある状況のようだ。

 訓練を終えた僕たちがまず最初におこなうのは、その拠点を潰していく事にある。

 そのあと国境の防衛線を再構築し、反抗作戦に転じるという説明を帝国側から受けていた。



 宮殿に一番近い、帝都の中心部にある駅はかなり巨大なものであった。

 石造りの駅舎はレトロな雰囲気ではあるが、まるで城のような建物であり、駅前は多くの利用客でごった返している。


「戦時中だっていうのに、それを感じさせないくらい賑わっているね」


 ロータリーに停車した馬車を降りてすぐに、僕はサングラスと帽子で変装したエリスに向かってそう話しかける。

 彼女は、その名が帝国中に知れわたった有名人であるため、面倒事に巻き込まれないよう一応それなりの対策を取っていた。


「腐っても、この大陸で一番大きな国だからね。他国との交易が遮断されても、それなりにどうにかなっているのよ。他の小国なんかは、かなり悲惨な状況になっているらしいわ」


 そう答えたエリスは御者に迎えの時間を伝えると、僕の手を引きながら嬉しそうに歩き出す。


 女性と手を繋いで街を歩くなんて、まるでデートみたいだ。いや、これはまさしくデートそのものではないか。

 重ねがさね言うが、何度も転生を繰り返しているにも拘わらず、僕にはどの生においても女性との記憶に関してだけが全くない。

 エリスとの関係もあるのだから、生まれ変わる度に一切、女性との関わりをしてこなかったという事もないのだろうが。間違いなく今の状況は、この生において初めての経験だ。

 彼女とは既にキスくらいは常態化しており、人の見てない所でならイチャイチャしたりもする関係だが。こうしてカノジョと呼べる存在と街を歩くこと自体、ある種の憧れのようなものを持っていた。それを今、現実のものとしているのだから非常に感慨深いものがある。


 本音を言えば、初めての時くらい同年代の女子とこんな風にして街を歩きたかった。

 いやいや、これほどの超絶美女とデートできるだけでも普通文句は言えない。僕は、なんて贅沢な事を考えているのだろうか。


『カケルちゃんサイテーだね!』


 しっかりと僕の思考を読んでいたアムに、そう突っ込まれる。本当に僕って奴はサイテーな男だ。

 川口や戸田なんかもそうだが、宮廷内でエリスに惚れている男が山ほどいるのは知っている。

 年齢のことは差し引いても、それだけ彼女が絶世の美女と言っても過言ではない程の女だということだ。


 エリスは、僕をぐいぐい引っ張っていくわりに、駅に着くと切符の買い方に迷っている様子だった。

 普段、馬車での移動ばかりで滅多に鉄道を利用する機会がないのだろうか。

 意外とそういう世間知らずなところもまた、可愛らしく感じてしまう。


 戸惑いながらも駅員に買い方を聞いて、ようやく切符の購入に成功するエリス。魔法によって情報が刻まれた、電子カードのような物で支払う事ができるようで、僕の世界とは方向性が違うだけでこの世界の文明もかなり発達しているようだ。


「銀行に預けてあるお金って、どれくらいあるの?」


 つい気になってしまい、僕はそんな嫌らしい質問をする。


「それは内緒よ!」

「ごめん、そうだよね。つい気になって何も考えずに訊いちゃった」

「うふふ、冗談だよ。銀行には、国一つ買えるくらいのお金を預けてあるわ」


 そんな恐ろしい事を、エリスは人前でカードを顔の前に持ち上げながら平然と言ってみせる。周囲を気にしてみたが、誰もこちらに関心を示している様子がなくてホッとした。


「さすが帝国の重鎮だね」

「そんな事ないわ! わたしがこんな風になれたのも、全部あなたのおかげなんだから。わたしの財産は、あなたの物って言ってもいいくらいだわ」


 どこまで本気なのか、そんな嬉しい事を言ってくれるエリス。今日の買い物もそうだが、その言葉を聞いて彼女におんぶにだっこ常態である今の自分が少し情けなく感じた。

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