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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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38.天近の主張



 天近は、陰キャグループの方に目をやると、まるで君たちの気持ちはわかっている、とでも言いたげな感じで問いかける。


「パーティーって連携が大事だよな? 皆そうは思わないか? 仲間同士の連携をスムーズにやっていくには、やっぱり相性ってものが大事だ。例えば俺が、君たちの誰かと入れ替わったとして、上手くやっていけるような気がしないんだが。君たちは、その辺のところどう思う?」


 天近の問いかけに対して答えたのは、陰キャグループの中で唯一Sランクとなった川越(カワゴシ)悠仁(ユウト)だった。


「僕もそう思うよ天近くん。生き残れるかどうかは、個人の能力だけじゃないと思うんだ。どんなに能力の平均値が高いパーティーだったとしても、仲間同士の相性が良くなかったら、それこそ全滅する事だってあり得ると思うよ」


 非常に的を射た答えではあるが。それを言ってしまうなら、うちのパーティーが一番ヤバい構成だ。

 僕が引っ張っていけるならまだしも、川口の性格からして奴がそれを許すはずもない。

 更にたちが悪いと言えるのは、戸田の存在である。

 この二人を相手に、波風立てず上手くコントロールしていく自信が僕にはない。


 瞬時にそんな不安を抱く僕だったが、川越くんの意見は旗色を変えるには十分すぎるほどの威力を持っていたようだ。

 彼の言葉に対し、殆どの者が得心したように頷く。納得していない様子だったのは、清川さんと、彼女と仲の良い戸沢(トザワ)南美(ミナミ)の二人だけであった。


 変わってしまった流れをどうにか取り戻そうと、清川さんは必死に次の言葉を考えている様子だったが。

 僕が同じ状況に立たされても、リカバリーするのはかなり厳しい感じだ。

 川口の誘いを断れなかったときもそうだが、何となく彼女たちも好き嫌いだけが理由でごねている感じがする。

 仲良しグループなのに好き嫌い? そういった疑問もすぐに湧いたが、彼女たちからは何となくそんな雰囲気が感じ取れた。


 ()()のスキルによるものなのか、以前にも増して僕はそういった感覚が鋭敏になっていたようだ。

 日高さんや本庄さんのように賢い人間ならわかるのだろう。何となく感覚的に、天近や川口のようなリーダーを避けるべきだという事を。

 二人の性格については置いとくとしても、コイツらはまず経験が全くない。そのくせ自信過剰で暴走しがちだ。

 清川さんが危惧していたとおり、こういったリーダーではトラブルに巻き込まれる可能性が非常に高い。それこそ、死人が出るような事態だってあり得るのだ。

 十六人のクラスメイト全員が無事に元の世界に帰るためには、僕みたいな長い人生経験を持った人間が引っ張っていくしかない。

 しかし、能力的に最弱である以上どうしても舐められてしまうのは仕方のない事だ。


『ププッ! 毎度、笑いを堪えるのが大変なんだからさー。自分が特別な人間みたいなこと考えるのやめてくれない? 前世の記憶を持ってるって事は認めるけど、カケルちゃん所詮はEランク使徒なんだよ? どうせそのうち、差がどんどん開いてきちゃうんだし。それともまだ、自分が超越者だなんてこと本気で信じてるわけ?』


 余程ツボにはまったのだろう。アムが、そう僕を揶揄してくる。まったく誰のせいで、こうなったと思ってるんだろうか。それにしても今日は、珍しく口出ししてくる事が多い日だ。


「兎に角、殆どの者が同じ意見みたいだし、取りあえずこのパーティー構成でいくって事で良いよな?」


 そう言って、再び沈黙を破ったのは天近だった。彼の言うとおり大多数の者が同じ意見である以上、それを覆せるだけの理由が思い付かない清川さんに反論の余地はなかった。


 すがるような目で僕の方を見てくる清川さん。明らかに僕の意見を求めているといった感じだ。

 しかし、まさかこの場で天近や川口みたいな奴がリーダーには向かない、なんて事は言えない。どう考えても、それをオブラートに包んで言う方法がみつからなかった。


 そのあと天近によって、皇帝に対しメンバー決定の報告がなされる。

 皇帝は当然、召喚者の下した決定に対し何も文句をつける事はなかった。


「じゃ、涼風! 明後日からよろしくな! 期待してるぜ!」

「よろしくね涼風くん! 頼りにしてるからね!」


 別れ際に、本庄さんと日高さんがそう声をかけてくる。明日は一日、準備期間が設けられ、フィールドに出てのパーティー戦闘が開始されるのは明後日からの予定だ。

 当然、自分がリーダーだと思っている川口は、僕ばかりもてはやされる状況に面白くなさそうである。


 さて、エリスはもう会議を終えただろうか。そう言えば、待ち合わせの場所を決めてはいなかった。

 大体いつものパターンでは、エリスが皇帝に対し報告に行っている間は図書室で勉強をしている。

 おそらく待ち合わせの場所を決めてなかったという事は、彼女もそれが当たり前になっているという事なのだろう。

 そう考えた僕は、クラスメイトたちが新たな展開に盛り上がるなか一人しれっと会場を抜け出した。

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