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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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37.清川さんの主張



「パーティー編制の話し合いは、ある程度まとまりましたかな?」


 会場に入ってくるなり、皇帝はにこやかな笑顔を僕たちに向けながらそう言葉をかける。

 その発言からもわかるとおり、抽選や選考などをおこなう感じでは全くないようだ。


 役人たちは何のために呼ばれたのだろう。結局、僕たちの意思に任せるなら、彼らはあまり必要なかったようにも思えるが。


「何となくですが、各グループで話は纏まっているみたいですよ」


 皇帝の言葉に対し、天近が代表してそう答える。


 結局、皆が予想していたとおりの展開になってしまうのか。そう諦めかけたときだった。皇帝の返事も待たずに、清川さんが慌てた様子で手を上げながら質問する。


「すみません皇帝陛下。質問よろしいでしょうか?」

「何ですかな? 清川殿」

「召喚されて二十日近くにはなりますが、私たちは戦いに関して全くの素人です! そんな私たちの意思に任せて、パーティー編制をおこなってしまっても良いものなのでしょうか?」


 清川さんの質問に対し、すぐ横にいた天近は目を丸くしてして彼女を凝視する。

 その表情からは、明らかに動揺している様子が窺えた。


「勿論こちらとしても思うところはありますが、神の使徒である貴殿方の意思に口出しする事はできませんのでな。それに一度パーティーを組んでみて不都合に気づかれた際には、何度でも再考していただければ良いのではないかと。こちらとしては、そのように考えておるのです」

「わかりました皇帝陛下。それでは少し、仲間内で相談する時間を設けさせてもらいたいと思います」


 皇帝の答えに対して、清川さんはそう返事する。天近は、ますます困惑しているといった感じだ。

 陰キャグループの連中は、余計な事を言いやがって、といった感じで彼女に対し冷たい視線を向けている。


「時間はいくら取っていただいても構いませんぞ。そのためにこの場を設けたのですからな」


 皇帝は、嫌な顔一つせずそう言って待つ姿勢をみせた。

 役人の一人から開始の声がかかり、早速15人全員でパーティー編制の相談がおこなわれる事となる。

 全員が集まるなり、まず最初に口を開いたのは天近だった。


「もう一度相談するって言っても、もう決まったようなものじゃないか。皇帝も言っていたとおり、これでやってみて何か問題があるようなら、そのとき改めて入れ替えとか考えれば良くないか?」

「そうは言うけど大地。うちのパーティーにSSランクとSランクがいるのは、どう考えても片寄りすぎじゃない? 川口くんのところなんて彼がAで、それ以上は彼一人しかいないのよ?」


 強引に話を纏めようとする天近に対し、清川さんが即座に異論を唱える。

 確かに彼女の言うとおり、戦力的にはかなり片寄った編制となっているようだ。

 彼女としては、最初からこのメンバーで確定させる気などなかったのだろうか。

 わざわざ僕の所に来て「一緒のパーティーになれると良いわね」なんて事を言ってきたのも、そういった考えに基づいたものだったのだろう。ちょっとだけでも、彼女が僕に対して気があるかもなんて思った自分が馬鹿みたいだ。


「別に俺としては、このパーティー編制で文句はないけどな」


 清川さんの言葉に対し、川口はすぐにそう反応した。コイツの性格からして、メンバー内に自分よりも上を作りたくないという考えが透けて見える。

 他に比べて戦力で劣る分は、僕の未知数の能力に期待をかけているといったところか。

 そんな川口の言葉を受け、天近はしたり顔で再び口を開く。


「川口もそう言ってる事だし、戦力が片寄ってるからって何か問題でもあるのか? 俺たちの目的は闇の帝王を倒して、さっさと元の世界に戻る事だろ? だったら一つくらい精鋭パーティーが有ったって、何も問題はないと思わないか?」


 そう言う天近の問いに対して、清川さんは尚も食い下がる。


「でも、そのせいで弱くなってしまったパーティーのメンバーにもし何かあったら、それこそ意味がないとは思わない? 例えばそんな事あまり考えたくもないけど、万が一にも死んだりする人が出るような事態にでもなったら、あなた責任取れるの? それと、同じパーティーに剣士系が二人いても、あまり意味がないんじゃないかしら?」


 死ぬ人間が出るかもしれない。そんな清川さんの言葉を聞いて、急に現実を突き付けられた他のクラスメイトたちの表情は曇る。

 今さら気づいたのかもしれないが、ハーウェとやらの加護を受けているとはいえ僕たちも人間だ。けっして不死身というわけではない。相手が強ければ、死ぬ事だって当然あり得る。

 川口の奴だって御前試合のとき、エリスの処置が間に合わなければ死ぬ寸前にまでなったわけだ。


 重苦しい空気が漂うなか、沈黙を破る男はやはり天近だった。

 彼が次に発した言葉で、傾きかけた旗色は一気に変わる事になってしまった。

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