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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
3─2

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132.ランクアップ①



 伝説の冒険者と同じ名の、シンジュウロウを名乗る者の活躍は瞬く間に各地へと広まっていった。

 多少尾ひれがついて広まっているようだが、それくらいである方がエリスに知ってもらうためには都合が良い。逆に、本人だと思わせないのも興味を持たせるには一つの手だ。

 それはそれで彼女の事だから、インチキ野郎に激昂して凸してくるに違いない。


 目的の都市、ベラドーナの一つ手前にある町マイーラ。その町にも冒険者ギルドの支部があったが、そこの酒場兼ロビーでも当然俺たちの噂で持ちきりだった。


「おい、あの仮面を着けた男。まさか噂のシンジュウロウじゃないよな?」

「目の覚めるような美女たちを連れているって話だし、たぶん間違いないだろうな。左腕だけ鎧を着けているって特徴も噂どおりだ」


 おい、本人に対し丸聞こえだぞ。まぁ、別に悪口までは言ってないから良いんだが。

 デリカシーのない冒険者たちからそんな声が聞こえてきたりもしたが、こんなところにまで俺たちの詳しい情報が伝わっている事が分かる内容だ。


 美女たちを連れていると聞いて、何故かアムまで誇らしげである。

 お前の事じゃないだろ、と突っ込みたくもなったが、ここであまり悪目立ちするのだけは避けたい。そう思い、俺はグッとその欲求を堪えた。


 この町に至るまでの間、俺たちは時間的に可能な物を選んで依頼をこなしまくっていた。

 とはいっても、普通に考えたらむしろ時間のかかるような内容のものばかりだ。

 索敵能力と絶対的な強さ。この二つがあればこその依頼が多かったため、今のランクでは受託できず全て事後報告だった。

 受託こそできないが、事後報告でも報酬だけは貰える。その代わり正式な手続きを経ていないため、ランクアップの要件を満たす、という事に関してはあまりお勧めできないやり方といえた。


 ここのギルドでは特にめぼしい依頼がなかったため、俺は建物を出ようと出入り口の方に向かう。ミコトは、やれやれといった感じではあったが、ここに至るまでずっと依頼を受ける事に対し文句は言わなかった。


「ちょっとお待ちください! 神殿の攻略者の皆様方ですよね?」


 建物を出ようとした俺たちに対し、受付嬢の一人が慌てた様子でそう声をかけてくる。

 こちらに用はないが、パーティー名を名指しで言ってきた事からも、相手の方に何か大事な用があるのは確かだ。

 さすがに無視するのは不味いと思った俺は、一応立ち止まって声のする方に目を向ける。


「良かった。やっぱり神殿の攻略者の皆さんだったんですね。何か依頼を受けていかれると思ってましたから、行ってしまいそうになってすごく焦りましたよ」


 そう言って苦笑いを浮かべる受付嬢の方に、俺は取りあえず用件を聞くため向かう。


「何か、特別な依頼でもされるにゃかね?」


 アイシャは、わりとそんな感じで乗り気な様子だが。ミコトとアムの二人は、やれやれといった態度だ。

 有名になってきたという点においては成功と言えるが、そのぶん確かに面倒といえば面倒である。


「俺たちに何か用か?」

「はい! ランクの事で少しお話があります!」


 ランクアップに必要な条件は、まだ達成していないはずだが。呼び止めてまでその話がしたいという事は、特別に何かあるのかもしれない。

 咄嗟にそんな予想をする俺だったが、続けて受付嬢が話したことはそれを肯定するものだった。


「本部の方からお達しがありまして。シンジュウロウ様たちの個人ランクとパーティーランクを、Cランクまで引き上げるという話になってるんです。もし見かけたら、声をかけるように言われておりましたので、お声がけさせていただきました」


 ランクが上がるのは嬉しい事だが、あまり上がりすぎるのもどうかと思う。例えばBランク以上ともなると、ギルドからの指名依頼が増えるようなのだ。

 冒険者登録証は魔道具となっており、指名依頼がある際は何処にいても居場所がわかり、伝書鳩のような物で連絡が届くようになっていた。

 指名された場合、余程の理由がない限り断れば何かしらのペナルティが科される。

 そういった観点から自由に行動するためには、できればCランクまでに留めておきたいところである。

 幸い、いきなりBランクという事にはならなかったが。これからは少し、依頼を受けるのは自重しなければならないだろう。


「では、今から手続きをいたしますので、皆さんの登録証をお預かりいたしますね」


 受付嬢は、有無を言わさずといった感じでそう言って手続きを進めようとする。

 一応ミコトにアイコンタクトを取ると、彼女もそれほど嫌がっているような反応ではないようだ。


 仕方がない、といった感じで登録証を出すミコト。いい加減に気を遣うのも疲れたと思いつつ、俺も首にかけていた登録証を取り外した。

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