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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
3─2

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130.支部長との交渉



「さて。それで、どうやって冒険者になったばかりの少年たちが、散々手を焼いていた魔物の居所を知ったうえに倒す事までできたというんだ?」


 まずそこかよ。状況からして普通は、対象となっていた魔物の詳細についての報告から入るもんじゃないのか。この様子だと、完全に疑われているのは間違いないだろう。


「古代魔法を扱えるというのは、詐称ではなかったのですね」


 俺が答える前に、同席していた受付嬢がそう言ってフォローを入れてくれる。


「そんな話を聞いても俄には信じられないな。伝説の冒険者、シンジュウロウの真似でもしたいのか? くらいにしか思えないのだが」


 なんてこった。まさか支部長から、その名が出てくるとは。それを言われてしまったら、俺の計画が狂うじゃないか。


「古代魔法を扱えるというのは事実だ。鬼殺剣のエリスに師事していたからな」


 本当は彼女の方が俺の弟子なのだが。今世においては僅かな期間とはいえ、指導を受けていたのだから嘘は言っていない。事実を言うと却って信じてもらえないだろうし、そういうことにしておいた方が都合も良さそうだ。


 思ったとおり、エリスの名を出したことで支部長の表情は変わる。


「それが本当なら、エリス()の居場所を君は知っているという事なのか?」

「いや、俺たちも彼女を探しているんだ。元より報酬目当てなんかじゃないぞ。帝国や教会の理不尽なやり方には、俺としても思うところがあるもんでな」


 エリスを庇うような話の持っていき方が、吉と出るか凶と出るか。一種の賭けではあったが。支部長は、彼女に対し敬称を付けて呼んでいたし、他の冒険者と同様に敬意を持っている事だけは確かだ。


 咄嗟の判断とはいえ、そんな感じで賭けに出た俺だったが。どうやらエリスの味方だと印象づけた事が吉と出たようで、上手い具合に支部長は俺の話に信憑性を持ちはじめてくれたようである。


「私も現場の状況を朝一で確認しにいったが、あれ程の破壊を伴うような戦いがおこなわれていたのだとしたら、確かに通常の魔法や武具ではあり得ん話しだ。他人の手柄を横取りしてもすぐにバレるだろうし、そう考えると君たちがそんな大胆な事をするとはとても思えないな」


 ようやく入り口の部分をクリアできたと感じた俺は「まぁ、俺たちのような新人がやったと言われても、信じられないなのは無理もない話だけどな」とだけ返し、魔物の詳細について説明をはじめる。

 闇の帝王との関連性、強力な再生力、普段は人の姿をしている事など。それらの内容を語ったあと、こういった連中が各地に増えている、という話を付け加えると支部長の表情は途端に曇った。


「アフカルの名を知っているところをみると、どうやら事実を言っているのは間違いないようだな」

「闇の帝王の名については、一部の人間にしか知られていないという事なのか?」

「そのとおりだ。冒険者ギルドでは、支部長クラスまでにしか知らされていない。マリー君には、たった今聞かれてしまったがね」


 同席していた受付嬢の名は、マリーというようだ。

 支部長の反応はそれほど困っている感じでもなかったため、アフカルの名についてはそこまで極秘事項というわけでもなかったようである。


「ひょっとして、余計な事を言ってしまったか?」


 俺は、一応そう訊ねてみるが、思ったとおり支部長の答えはそれを肯定するものだった。


「そこまで極秘とういわけでもないからな。いずれは広まる話だろうし、それに関してはあまり気にしなくても大丈夫だ」


 ある程度の説明を受け、ようやく支部長は俺たちの話を信用してくれたようだ。結局、対象となっていた魔物の討伐は認められ、満額の報酬を受け取れるという話にもなった。


「では、さっそく報酬の準備をさせるから、しばらくの間ロビーで待っていてもらえるか?」

「わかった。ところで、ついでと言ってはなんだが一つ頼みたい事がある」


 俺にとって一番大事な事だけに、このまま報酬をもらって終わり、というわけにはいかなかった。


「なんだね? 頼みとは」


 支部長は、忙しいといった雰囲気を出していたが。事が事だけに、受付嬢だけに対応してもらうのでは二度手間になる可能性がある。


「俺の冒険者登録の個人名を変更してもらいたいんだが」


 支部長は、そう聞いて少しだけ怪訝な顔をしたが快く了承してくれる。


「それなら後で、受付窓口に行って申請してくれ」

「変更する名が、シンジュウロウだと言ってもか?」


 俺の問いかけに対し、支部長は困惑の表情を浮かべる。やはりその名を名乗るというのは、あまり歓迎されるような事ではないようだ。


 支部長が口を開こうとした瞬間、俺はそれを遮るように言葉を続ける。

 俺は咄嗟に、彼を納得させるだけの理由を思いついていた。

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