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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
3─1

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115.エリスの行動



 俺はカウンターで、冒険者たちが飲んでいた酒と同じものを二つ注文する。

 帝国から支給されていた金貨を幾らか持ってはいたが、支払いはミコトからもらっていたお小遣いで済ませた。

 因みにミコトは、とんでもない金持ちでもある。そんなに頻繁ではないが、樹海で集めた高価な素材を町に出ては売っているため、かなりの金額を手元に貯えているようだ。


 俺は、二人分のエールを受け取ると男たちの席へと戻る。そんな俺に対して二人は、マジかよといった感じで苦笑いを浮かべていた。


「それで、あの連中のことを随分と気にしているようだが……」


 エールを二人の前に置き席に着いた俺は、最初に騒がしい連中について質問した。何となく察しはついていたが、人の良さそうな男によってすぐにそれが正しかったと知る事になる。


「連中が、兄ちゃんの訊きたかった荒野の白狼だ。わかるよな? かなり質の悪い連中だから、奴らに噂してるって事をあまり悟られたくないんだよ」


 先程まではあの連中が居なかったため、男たちは平然とその名を出していたわけか。こんな強面の男たちですら因縁をつけられる事を避けようとするなんて、どれだけ質が悪い連中だというのだろうか。


「一体何者なんだ? 奴らは」

「本当に兄ちゃん、なんにも知らねーみたいだな……」


 男は、やれやれといった感じでその連中の事について小声で説明し始める。

 二人の話によると、荒野の白狼とは所謂クランの名前だったようである。エリスが関わるブシドーも、まさしくそれであった。

 ブシドーは創設されてから250年程の間、冒険者クランとしては最強と言われていたが。ここ五十年くらいで少しずつ落ちぶれ始め、エリスの事件があって以来、完全に鳴りを潜めてしまったらしい。

 現在に至るまで、エリスが名誉会長を務めていたようだが。元々の創設者は、彼女と、彼女の恋人のシンジュウロウという名のSランク冒険者だ。という話を聞かされた。

 最後に人の良さそうな男は「冒険者に憧れて、それになろうってんなら、これくらい常識だろうが」と付け加えたが、全くもってご指摘のとおりといった感じである。


「エリスさんに世話になってない冒険者なんて居ないからな……」

「あんたらもエリスと直接関わりがあったのか?」

「いや、勿論そんな事はないが。間接的にも、俺たち冒険者のためにギルドとよく交渉なんかしてくれたりして、あの人の冒険者全体に対する貢献はかなり大きかったと言えるからな」


 エリスの事を褒められて、俺は誇らしい気持ちになる。それと同時に、彼女に対する心配も少し和らいだ。

 お尋ね者になっても、多くの冒険者たちがそのような感情を抱いているのなら安心である。しかし、続けて語った男の言葉により、その思いは打ち消されてしまった。


「それなのに連中ときたら、帝国の要請に応じて積極的に捜索活動に加担してやがる。ここに来ている奴らも、それが目的の連中みたいだぜ」

「てことは、彼女は今、この近くに居る可能性があるって事か?」


 その問いに対して、男たちは急に怪訝な顔をし始める。そんな彼らの様子を見て、俺はすぐに自分の発言が迂闊だったことに気づいた。


「個人的に探してるって言うわりには、その事を知っててこの場所に来たってわけでもない感じだな?」


 これ以上、無知を晒し続ければ最悪あちら側の人間だと勘違いされかねない。

 咄嗟にそう感じた俺は「ああ。いろいろと話を聞けて助かった」とだけ挨拶して早々に席を立った。


 それにしても健気なものだ。エリスは、帝国の重鎮としての立場を捨ててまで、たった一人で俺を探しにきてくれたという事なのだろうか。だとしたら、一日でも早く彼女の事を探し出して無事を知らせてやりたい。


 エリスについての情報を手っ取り早く集めるためには、彼女を探している連中から訊いてしまうのが一番だ。

 そう考えた俺は自分が飲む分のエールを注文した後、敢えてトラブルになる事を覚悟のうえで、荒野の白狼の連中が騒いでいる近くの席に腰をおろした。

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