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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─5

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108.青き大竜



 銀色の光りに包まれた俺は、空中に留まりながら左腕を武装モードにチェンジする。

 いくらドラゴンの上位種とはいえ、レールガンを食らって貫通しないなんて事はないはずだ。

 少なくとも真面に当たりさえすれば、仮に貫通しなかったとしても大きなダメージにはなるはず。

 そう考えた俺は狙いを定めると、猛然と突っ込んでくる大竜の頭めがけて数発の弾丸を撃ち込んでやった。


 空気中に激しい金属音が響き渡る。

 当たったのは一発だけのようだが。その音だけで、瞬間的にドラゴンの頭部を貫通できなかったという事実が窺えた。

 青きドラゴンは大きく仰け反った後、翼を羽ばたかせながらすぐに体勢を立て直す。


「ちっ、流石にこれで終わりとはならなかったか。だが、それなりに効いてはいるみたいだな」


 俺の予想どおり、大竜といえどこの攻撃をかなり嫌がっているようだ。そのあと続けて弾丸を数発撃ち込むも、今度は首を左右に振って全て躱してしまった。

 正面から突っ込むのは愚策と判断したのか。俺の周りを旋回しはじめたドラゴンは、明らかに遠距離攻撃を狙っている様子だ。


「胴体だったら、紙一重で躱す事もできまい!」


 周囲を旋回する大竜を正面に捉えながら、狙いを定めた俺は胴体めがけて弾丸を打ち込む。

 再び激しい金属音が空気中に響き渡り、横腹に弾丸を数発食らったドラゴンは、その場所から一直線に落下していく。好機と見た俺は、落下するドラゴンの方に向かっていった。


「硬い鎧を着た騎士は、鈍器で殴るに限るってな」


 ありったけの武器を詰め込んだ腰掛け鞄に手をやり「出てこい大ハンマー!」と叫ぶと、まるでミコトの魔法のように俺の手には大きなハンマーが握られていた。


 それにしても不思議だ。強化魔法を使っているわけでもないのに、体がとても軽く感じる。女神の加護による影響なのか。こんなに重量のあるハンマーも、重さを全く感じない。


 すぐに体勢を立て直すドラゴンだったが。奴の下に回り込んでいた俺は、視界の外から強烈な一撃を顎にクリーンヒットさせてやった。


 再び長い首を大きく仰け反らせるドラゴン。即座に上を取ると、今度は体勢を戻した奴の脳天めがけてハンマーを打ち下ろした。


 激しい金属音と共に、柄が折れ何処かに飛んでいくハンマーの先端。

 完全に気を失ったのか。ドラゴンの奴は、頭を下に向けた状態で地上へと落下していった。


 先に広場に降りた俺の数十メートル離れた場所に、後から落ちてきたドラゴンは激しい音を立て激突する。


「こんなあっさり倒せたって事にはならないよな」


 そう言ちた俺の予想どおり、ドラゴンはすぐに状態を起こす。その口からは青白い光が溢れ出していた。


神の盾(アイギス)!」


 俺は、左腕に命じ即座に防御障壁を目の前に展開する。それと同時に、大竜の口から光線とも取れるようなブレスが吐き出された。


「くっ! こいつは一体、何千度あるってんだ?」


 障壁に遮られ、直接ダメージは通らないものの、周囲の温度はどんどん上昇していく。

 ようやく吐き終わり、青い炎が消滅した後に上を見あげると、既に上空に飛んだドラゴンの口から一発の火球が放たれていた。

 俺は、それをバックステップで躱すが。ドラゴンの奴は、逃げる方向に次々と火球を撃ち込んでくる。


「やっぱりアイツには、打撃系の攻撃が有効そうだな……」


 広場を逃げ回りながらそう言ちた俺は、直後に超古代の強化魔法を唱えはじめる。


~マコネオーキスシーヴァ テラウネラウー アガティシクトウィタノーム ムトテディラ キヒュアーアニエス ワラキートノースイェヤータ~


~力の神シーヴァよ、我との契約を履行し、我と、我に付き従う者たちを聖なる光で包みその力を与えよ~


神の気(テオスプネウマ)!」


 青い光りに包まれた俺は何発か牽制の銃弾を発射した後、再び上空に飛び上がりながら続けて奥の手も発動する。


獣形(ビースト)モード!」


 俺の命令と共に、左腕は武装モードから更に厳つい形に変貌を遂げる。

 ドラゴンは、突撃する俺に無数の火球を浴びせてくるが。俺は、それを全て左腕で弾き飛ばした。


 まさか突撃してくるとは思っていなかったのか、ドラゴンは慌てて翼を大きく広げ回避行動を取ろうとする。しかし、俺は奴を逃がす事はなかった。


「くたばりやがれ!」


 隙だらけとなったドラゴンのどてっ腹に、渾身の左こぶしを叩き込む。同時に、強烈な電撃も食らわせてやった。

 衝撃で数百メートル上空に吹き飛んだドラゴンは、そのあと重力に逆らわず地面へと落下していく。


 大竜が広場の端に落ちたのを確認した俺は、ゆっくりとその場所に向かって降りていった。

 どうやら倒す事に成功したようで、俺が地上に着地するとドラゴンの体は青い光の粒となって霧散しはじめる。

 完全に消滅した跡には、紫色に輝く転移陣が出現していた。


「お疲れカケル。なかなか見事なお手前だったよ」

「ふんっ、厨二にしては、なかなかやるじゃないの」

「カケル。あんな化物を、たった一人で倒してしまうにゃんて本当に凄すぎるにゃ! 空まで飛んだりして、もう何でもありな感じにゃね!」


 ゆっくりと歩いてきた三人が、次々とそう声をかける。


「ああ、意外と一人でもやれるもんだな……ミコトが言っていたとおり転移陣も出現しているみたいだし、さっさとここを出るとしようか」


 俺は、そう言うと転移陣の方に向かって歩きだす。

 何とかドラゴンを倒せた事で安心したのか、一気に疲労感が襲ってはきたが。何かと収穫の多かった今回の遺跡攻略に、清々しい気持ちの方が大きく勝っていた。

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