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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─5

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106.厨二の完成形



 ずいぶんと長い夢を見ていたようだ。

 夢のような形で初めて見た鮮明な記憶に、俺の頬には自然と涙がつたっていた。

 どうせなら、元の世界に帰る方法を見つけ出した辺りの情報も知りたかったが。まぁ、過去にも一度見つける事ができたわけだし、今回は強力な助っ人もいるのだからゆっくりいけば良いさ。


「戻ってきたみたいだね。どんな記憶を見てきたんだい?」


 感傷に浸る俺の背後から、ミコトがそう言葉をかけてくる。完全に現実へと引き戻されてしまった感じだ。

 しれっと軽く手で涙を拭った俺は、そのまま振り返らずに答える。


「前にちょっと話した、エリスと出会った頃の記憶だ」


 俺の答えを聞いて、少し不機嫌そうな声色で言うミコト。


「泥棒猫と出会った頃の記憶って事は、三百年前の話だね。それで、何か重要な情報でも掴めたのかい?」

「何でミコトの方が後に知り合ったのに、エリスが泥棒猫になるんだよ。まぁ、それは良いとして。残念ながら特に、重要って程の記憶にたどり着くまでは見る事ができなかったな」


 そう言いながら三人の方に振り返る俺だったが。ミコトは、不思議そうに首をかしげていた。


「カケル! にゃんだか左目が変にゃよ? 瞳の色が青く光ってるにゃ!」


 俺の顔を見るなり、突然そんな事を言い出すアイシャ。全く自覚はないが、頷くアムの反応を見ても左目に何か異常があるのは明白だ。


「たぶん記憶の欠片が左目に宿ったんだろうね。気になるなら、取りあえずこれでもしておくかい?」


 そんなわけの分からない事を言うなり、手元から眼帯を出現させるミコト。

 左腕といい、こんなのまでしたら完全に中二病を患った少年にしか見えない。

 とはいえ、本当に瞳の色が片方だけ変わってしまったのなら、余計に目立つようになったのは確かだ。


 俺は、ミコトが差し出した眼帯を受け取る。亜神が出した物にしては、わりとシンプルなデザインだ。

 渋々ながら、それを装着する俺だったが。そんな俺を見て、アイシャとアムの反応は真っ二つに分かれた。


「カケル! にゃんだかとっても格好いいにゃよ!」

「ププッ! それじゃ~完全に中二病じゃない! 気持ちだけじゃなく、とうとう見た目まで完全に患った状態になっちゃったわね」


 いちいち反応するのも面倒なので、俺は二人の感想を完全にスルーしようと決める。

 しかし、アイシャは真剣に俺を心配している様子であった。


「やっぱりカケルは、何かの病気に罹ってるにゃか? それは命に関わる病気だったりしないにゃよね?」

「心配するな……アムの奴が、勝手に言ってるだけだ」

「それなら安心したにゃよ……カケルには、健常な子種を出してもらわなきゃならないにゃからね!」


 て言うか、心配していたのはそっちの方かよ。俺を、優秀な遺伝子を残すための種馬くらいにしか思ってないのか。それにしても、よくそんなコンプライアンスに引っかかりそうな事を平然と言えるものだ。


「それで、三百年前の記憶を見ていたときにも、超越者としての記憶は有ったのかい?」


 いつものように、コントみたいだ、と揶揄する事もなく唐突にそんな質問をしてくるミコト。そう言われてみれば確かに、慎十郎の記憶の中では超越者としての記憶があるようには感じられなかった。


「ハッキリとした事は言えないけどな……確かに、幾つもの前世の記憶を持っているという自覚はあったようだが。超越者については、思い浮かぶような事はなかったかもしれない」


 俺の答えを聞いたミコトは、ニヤリと口元を緩める。


「そうかい。それだけ聞ければ、あとは何も問題ないよ」


 そんな意味深長な答えを返すミコト。

 左目の件といい。やはり彼女には、いろいろと聞き出さねばならない事が多そうだ。


「ところで、ここまで激しい戦闘続きだったし。記憶もかなり蘇った事で、かなりレベルも上がったんじゃないかな?」


 ミコトにそう指摘をされ、気になった俺はステータスを表示してみる。



名前 涼風(スズカゼ) (カケル)  年齢 17歳

天職 時の旅人

転生者ランクSSS

探究者レベル41


腕力 29

敏捷 38

耐久 29

体力 87

生命値 116/123

神気 1250

神気操作 800


アクティブスキル

空気レベル15 気配感知レベル10 隠密レベル6

隠蔽レベル4 先読みレベル3


パッシブスキル

全属性耐性レベル20 全状態異常耐性レベル20

神気魔力変換レベル20 女神の加護


ユニークスキル

思い出すレベル7



 表示されたステータスを見て、面白くなさそうな顔をするアム。それとは対照的に、アイシャは目を輝かせながら俺の手を取り叫びだす。


「やっぱりカケル、ただ者じゃなかったにゃ! 女神マリーザの加護まで受けるようになるにゃんて、本当にカケルは凄いにゃよ!」


 確かに、女神の加護、とやらが新たなパッシブスキルとして増えているようだが。それがアイシャたちマリーザの使徒と同じものとは限らない。

 まぁ、無条件に喜ぶ様子の彼女に、水を差す必要もないのか。


「これで、ここでの用事は全部済んだね。それじゃ、アイシャたちの集落に戻るとしようか」

「ああ。この場じゃなんだから、後でゆっくりいろいろと話を訊かせてもらうからな」


 俺は、冷めた様子で撤収を促すミコトに対してそう釘を刺す。すぐにステータス画面を閉じると、彼女の言葉に従い三人と共に神殿の外へと向かって歩きはじめた。

 外に待ち受ける、ヤバい奴の気配をその身に感じながら。

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