表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
2─4

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/127

102.旅立つ二人⑤



 武具屋の店主に、取りあえず適当な片刃の剣を見繕ってもらった俺は、早速エリスの戦闘訓練を始めるため彼女を連れ西の森へと向かった。

 いきなり実戦というのも流石にどうかと思い、最寄りの村にしばらく滞在する事にして、その間エリスに基本的な剣術を教えていたのだが。飲み込みがとても早く。彼女は僅か五日程で、ある程度様になっているように感じられる程の急成長を遂げていた。


 これだけの才能があるのならば、あとは実戦で鍛えた方が本人の成長も早い。そう判断した俺は村での訓練を早々に切り上げ、六日目の朝には彼女を連れ西の森に入った。

 前回は全く出くわす事のなかった小鬼どもだが。今回に限っては、森に入って早々に向こうの方からやってきてくれた。


 茂みの中から突然現れた小鬼どもは、全部で五体である。

 鬼と言えば金棒といった認識だったが。腰巻きだけという格好は共通するものの、携える武器は連中の体躯に合った大きさの短剣であった。


 多勢に無勢とばかりに、小鬼どもは勝ち誇った様子でジリジリと間合いを詰めてくる。

 エリスを連れた状態で囲まれるのはまずい。そう判断した俺は先手必勝とばかりに、小鬼ども目掛けて突進していった。

 五体のうち四体を一瞬で斬り倒した俺は、残りの一体が持っていた短剣を刀で払い落とす。


「エリス! 相手は丸腰だ! 村で教えたとおりにやってみせよ!」


 そうは言ったものの、エリスが殺しを躊躇う事は容易に想像できていた。

 俺が大鬼を躊躇なく倒せたのだって、侍だからと言うよりも、前世における幾つもの戦士としての記憶があったからこそだ。

 いくら相手がもののけの類いだとしても、初めての殺しに恐怖心を抱かないものなどいない。


 躊躇う様子を見て取った小鬼は、好機とばかりに立ち止まったままのエリスに向かって突進する。


「いやーっ! こないでーーっ!」


 エリスは、叫びながら闇雲に剣を振り回す。

 さすがに間合いに入るのは危険と判断したのか。小鬼は一旦、後ろに飛び退いて唸り声をあげた。


 ジリジリと横に移動しながら、エリスの様子を窺う小鬼だったが。やはり丸腰では分が悪いと考えたのか、隙を見て落とした短剣を拾おうと走り出す。

 しかし、エリスも流石にそれくらいは察する事ができたようで、小鬼と短剣の間に割って入り再び剣を左右に振り回してそれを牽制した。


 仲間の敵を取れないまでも、せめて小娘一人くらいは道連れにしようと考えていたのだろう。圧倒的に不利な状況であるにも拘わらず、戦う気力を失う事のなかった小鬼であるが。ついに心折れたのか。急に戦意を喪失してしまったその小鬼は、一瞬エリスに向かっていく素振りを見せた後、急に森の奥へと向かって走り出した。


「ままっ、待てーー!」


 本気で殺意を向けているようには見えなかったが。エリスはそう叫ぶと、逃げ出した小鬼の後を追いかけはじめる。


「エリス! 深追いはするな!」


 俺の声を聞いたエリスはその場所で立ち止まると、こちらに振り返ってからキョトンとした顔を俺に向けた。

 一緒に追えばいいだけの話だが、最初にしては追い払う事ができただけでも上出来と言えるだろう。


「ごめんなさい、シンジュウロウ……わたし、上手くやれなかったよ……」


 安心したのか、本当に上手くやれなかった事に悔しさを感じたのか。急に泣きそうな表情でそう言うエリス。

 俺は、彼女に「最初にしては上出来だ」と言って褒めてやると、地面に倒れた小鬼どもの右耳を脇差しで次々と切り取っていった。



 その後、小鬼どもはすっかり鳴りを潜めてしまい、俺はエリスを伴って森の奥へ奥へと進んでいた。

 エリスと出会った場所の付近までくると、明らかに彼女の様子は変わってくる。あのような目に遭って、まだ記憶に新しい事なのだから無理もないことだ。


「エリス。今日のところは、ここまでにして引き上げるとするか?」

「ううん。大丈夫! まだ一匹も魔物を倒せてないし、もう少し頑張る!」


 そこまで無理をしている様子もなかったので、俺は更に森の深くまで進むことを決断する。エリスには、せめて小鬼の一匹でも殺す経験を今日中にしてもらいたいところだ。


 更に森の奥へと進んでいく俺たちだったが。先程の場所から半刻ほど進んだ所で、エリスは急に立ち止まり脇道の向こう側を眺めはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ