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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
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101.旅立つ二人④



 鍛冶屋の親父はドワーフという種族であり、俺はこの時その種族に鍛冶職人が多いという事を知った。

 工房はかなり大きな物で、そこには何人もの小さい職人が鉄を打っていたが。武具屋の店主が声をかけたのは、その中で最も年のいった感じのギムルという男だった。

 かなり職人気質な男であり、武具屋の店主が、作業をしている後ろから声をかけると「仕入れの話なら事務所の方に行けって、いつも言ってるだろ!」と全く相手にする様子すらなかった。


「ギムルの親父さん! そう言わずにちょっと話を聞いてくれ! あんたにとって、絶対に面白いって言える仕事の話を持ってきたんだ」


 そう聞いて、ようやく聞く耳を持ちはじめた様子のギムル。一旦手を止め振り返ると、俺の方を見て露骨に思った事を口にする。


「なんだ? その男は。ずいぶんと変な格好をしているようだが、そいつがその仕事の話ってやつに関係でもしてるのか?」


 職人とはいえ、初対面の人間に対して随分と失礼な男だ。ぶっきらぼうにも程があるだろう。これで大した仕事ぶりでもないようなら、とても許せそうにない。


「拙者、片倉慎十郎と申す。武具屋の店主から、ギムル殿に拙者の刀を見せて欲しいと頼まれ、ここまで参った次第」


 俺は一応、目上の者に対する礼儀として丁寧な口調で自身の名を名乗り、そう経緯についても端的に説明する。


「そうなんだギムルの親父さん! この兄さんが腰に下げている片刃の剣はかなりの代物だから、是非おやっさんにも見てもらいたいんだよ!」


 武具屋の店主がそう言うと、ギムルはすぐに「どれ、見せてみろ」と俺に手を差し出す。

 こちらが見せてやるといった立場であるにも拘わらず、こうまで上から物を言う態度を取られては非常に腹が立つ。とはいえ、エリスの望みを叶えてやる為には仕方のないことだ。

 まぁ、武具を作る職人が、存外に扱うという事だけはあるまい。


「刀は武士の魂ゆえ、丁寧に扱ってもらいたい」


 俺は、一応そう釘を刺してから大切な刀を差し出す。

 ギムルは、それを乱暴に受け取ると鞘から取り出し眺めはじめた。


「う~ん……」


 唸るギムル。唸っているだけで、全く感想を言う気配さえない。

 そんな様子に堪り兼ねた武具屋の主が声をかける。


「どうだ? 親父さん! スゲー代物だろ?」


 先程まで態度の大きかったギムルは、刀を鞘に収めると丁寧な感じでこちらに手渡す。


「それで儂に、そいつと同じ物を打ってくれと言いたいのか?」

「そういう事だ。こちらの娘さんに合うサイズで、同じような物を打ってくれないか? もしそれで上手くいくようなら、今後うちの店で扱いたいと思うんだが」


 武具屋の主にそう打診されたギムルは、しばらく悩む素振りを見せる。しばらくしてから、ようやく口を開くが。彼の答えは、あまり良いものとは言えなかった。


「そいつは、とんだ魔剣か聖剣の類いだ。見た目だけなら真似できても、同じ物を打てと言われたところで儂には無理だな」


 やはり職人としての誇りが、()()()()()()を打つという考え方を許さないのか。ギムルは、はっきり無理だと答える。しかし、諦めの悪い店主は尚も食い下がった。


「そこを何とか! この美しい刃文を再現できただけでも、あんたの名声は今で以上に上がると思うんだけどな」


 職人気質のこの男が、そんな口説き文句で落ちるとはとても思えなかったが。意外にもギムルは、あっさりとその言葉で答えを改めてくれた。


「まぁ、その刃文自体を再現するというのも、かなり難しそうだが。やれるだけの事はやってみても構わん」


 店主は、ようやくギムルがその気になってくれた事に大喜びの様子だ。エリスも、俺と同じ刀を作ってもらえる雰囲気となり、満面の笑みを浮かべていた。


「別に、名声がどうとかいう話で引き受けてやるわけじゃないからな! 職人としてチャレンジしてみたい、という気持ちになったから引き受けてやるんだ!」


 ギムルは、最後にそう付け加える事を忘れなかった。

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