十二
「帰ったよ。あの人達」
二人の所に戻ってそう言うとエネミデアも男の人も何とも言えないような顔をして僕を見ていた。驚いた…ような、信じられない…ような?よく分からない顔をしてる
『…二度聴こえた轟音はお前がやったのか?』
「うん」
『……そうか。俺はお前の強さを見誤っていたようだ、助かった』
「ねえ、あの人達ってほんとに精鋭なの?全然弱そうだったよ」
『お前からすれば、だろう。力に差があり過ぎるからそう思ってしまうんだ』
…そうなのかな。そうなのかも
もしあのままあの人達と闘ったとしても苦戦はしなかっただろうし、そう考えた方が良さそう
『…追って来た人達は私達の事を何か言ってましたか?』
「二人の事は何も言ってなかった。ただ僕がエネミデアの赤ちゃんの事を言ったら急に怒って…混血は認めない、居場所は無いって」
『…………そう、ですか』
『……それを言うのならば、ヴェルファウドの子も混血だ。奴等の言葉が真実では決して無い……血などでその者の本質など見れはしない。気を落とすなエネミデア』
『……はい。そんな言葉に私が悄気てしまっては産まれて来るこの子に失礼ですよね!』
そう言ってエネミデアは僕と男の人に拳を握り締めて笑って見せた
……ヴェルファウド…?
…何だろう、今の。今の言葉を聴いた時に感じた感覚
識らない。初めて聴いた言葉、単語
……だと、思う。
僕は…〝竜王〟なんて識らない
……あれ?
まただ、また二人が居なくなってる。景色が無くなってる
どうなってるの?こんな事初めて経験する、奇妙な体験をしている




